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"歴史" 系 note まとめ

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2021年5月の記事一覧

フランス料理は、何故砂糖を使わないのか?

なぜフランス料理には砂糖は使われないのか? その謎がこの雑誌で明かされていました。2012年発行とあるからその年、多分CDG空港で搭乗する前に買ったと思われる。 1900年のパリ万博の大宴会模様の写真だとか、近代フランス料理を築き上げた匠たちの歴史、そんな巨匠たちの礎となったリヨンのガストロノミーを導いたコルドンブルー母さんたちの話、中世の食事情、アントナン・カレーム物語、悲劇の料理人などなど、非常に興味深い写真や記事がたくさん!永久保存版です。 (1900年パリ万博晩餐

平成ライトノベル史――#ライトノベルオールタイムベスト のための走り書き

※この原稿は、2018年末~2019年初頭に羽海野渉が書き、その後『#ライトノベルオールタイムベスト』の選考における指針となった論考である。なお、『PRANK! Vol.4』に掲載された原稿は本稿の草案であり、似ている部分があることをここに記しておきたい。また、2021年現在、少し異なる部分があることを注記しておく。 ですので、過去に書かれた原稿であることを考慮したうえで、『#ライトノベルオールタイムベスト』と合わせて読んでください(今ならもっと違う感じに書きます)。そっち

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「NHK出版新書を探せ!」第16回 歴史研究から普遍を問う――與那覇潤さん(歴史学者)の場合〔前編〕

 突然ですが、新書と言えばどのレーベルが真っ先に思い浮かびますか? 老舗の新書レーベルにはまだ敵わなくても、もっとうちの新書を知ってほしい! というわけで、この連載では今を時めく気鋭の研究者の研究室に伺って、その本棚にある(かもしれない)当社新書の感想とともに、先生たちの研究テーマや現在考えていることなどをじっくりと伺います。コーディネーターは当社新書『試験に出る哲学』の著者・斎藤哲也さんです。  ※第1回から読む方はこちらです。 〈今回はこの人!〉 與那覇 潤(よなは・じ

世界史やってる人ってなんかみんな東ローマ帝国に冷たいね(※神野正史『世界史劇場イスラーム三国志』(ベレ出版)を読んで)

ヘッダー画像に引用した神野正史さんの『世界史劇場イスラーム三国志』でもそうだし、他のいろんな世界史解説書もそうなのですけど、なんでみんな東ローマ帝国をザコ扱いするのだろう? 「ローマ帝国の後継国家のような顔をしていたが、実はコンスタンティノープルという一都市しか領土のない、風前の灯のような状態だった」 というのが、よくある説明。 ビザンチンびいきな私として、こういう説明には、いくつか物申したい。 ・「ローマ帝国の継承国家のような顔をしていた」といいますが、キリスト教正

#03 ここまでのまとめと補足(歴史とはなにか)

前回こんな記事を書きました この記事はシリーズのつもりで書いてるので、今までの話をまとめ&説明しなおしてみると 前回はここまでです。 が、前回は、言語論の説明の部分に主眼を置きすぎていて、結論の部分の「音楽ジャンル=音楽史である」の説明が雑だったな~と思い。 今回はそこを補足したいと思います。 と思った人も多いんじゃないでしょうか。 ですが、僕の意見は、間違いなく 「音楽史そのものが、イコールで音楽ジャンルだ」 ということなんです。 そこを噛み砕くためには今度は

「歴史総合」の年間計画(大枠)

2022年度から高校で始まる「歴史総合」。 その教科書の見本本が、ほぼ私の勤務校に届いた。 それぞれの教科書の細かいコメントは省くが、全体として大きな問題が二つあると思う。 一つ目は、従来の日本史と世界史のパッチワークのようなものが多く、「テーマ」ごとに「融合」しているとは言い難いことだろう。「テーマ」ごとに「融合」させるのが難しいのは十分承知しているけれど、やはり使用する側からすれば、斬新でおもしろい!とはならない気がする。 そしてもう一つの問題は、分量が多くて、従来

「J.S.バッハとは何者か?」(下)

新日本フィルnoteではダントツの情報量「岡田友弘《オトの楽園》」。《たまに指揮者》の岡田友弘が新日本フィルの定期に絡めたり絡めなかったりしながら「広く浅い内容・読み応えだけを追求」をモットーにお送りしております。今回は定期に絡めてバッハの回。ケーテンに住んでいたころまでの親近感の湧くような普通の人っぷりを書いた前回はこちら! 前回の記事「J.S.バッハとは何者か?(拡大版・上)」では大バッハの前半から中半生までを俯瞰した。もう一度、バッハが活動した都市を時系列でみてみよう

ラッサムとはいったい何なのか〜エリックサウス「チキンラッサム」が誕生するまでのいささか冗長なお話〜

「ラッサムって何ですか?」 もしそう質問されたら、とりあえずはこう答えます。 「豆の煮汁にタマリンドやトマト、そしてスパイスを加えた、辛くて酸っぱい南インドのスープです」。 しかしこの答えはあくまで「とりあえず」のものです。これはラッサムの正体のごく一部しか言い表せていません。 ラッサムの正体について、ここからちょっと面倒で、しかしとても面白い話を繋げていきます。気が向いたらどうかしばしお付き合い下さい。 「謎汁」という概念 あなたが口に入れる液体状の物質、つまり「飲み物」

欧文フォントは歴史と紐づけるとまじでわかりやすい

ベトナム歴史秘話:あんなん国酔夢譚~226年前のホーチミンで国王に会い帰国を果たした漂流者達~

18世紀末、鎖国下の日本において海外を訪れた数少ない人々は、船舶の漂流者達です。漂流し辿り着いた場所の権力者から援助を受けて日本へ帰国できたといえば大黒屋光太夫が有名であり、彼の物語は後に「おろしや国酔夢譚」など小説や映画にもなりました。 しかし漂流者が流れ着いた先は、北方だけでは無かったはずです。同じ時代、南方に流されベトナムへと辿り着き、国王に会って援助を引き出すことに成功し日本帰国を成し遂げた、そんな出来事の存在はあまり知られていないでしょう。 彼らは当時のベトナム

え、世界史をマスターできる本があるって本当ですか!?

「これから新しく勉強するとしたら歴史をやってみたい。でも難しそう・・・」 「世界史のこと何もわからないから勉強してみたいけど、正直どの本がいいのかもわからない・・・」 これらは私の周りの人たちが実際に言っていた言葉。 意外にも、世界史に興味があるという人は多いんです! しかし、高校の世界史の授業を受けたことがある人ならわかると思いますが、世界史の範囲は地理的にも時間的にもかなり膨大。 「人物名もカタカナばかりでみんな同じような名前だし全然わからない・・・」という人も多い

世界史質問箱:遊牧民の国家は、農耕民の国家とどう違う?(3-1-1.遊牧民の社会と国家)

遊牧民の国家は、農耕民の国家とどう違う?これについては、白石典之さんの説明がわかりやすいので、引いておこう。 「来るものは拒まずという考えが昔からモンゴル高原にはあった。強いグループが現れると、自分たちもそのグループ名を呼称する。たとえば、紀元1〜2世紀頃のこと、中国北方の遊牧民集団の匈奴(きょうど)が没落して、新たに鮮卑(せんぴ)という遊牧民集団が台頭すると、それまで匈奴と名乗っていたグループが、たちまち鮮卑と自称するようになったという。寄らば大樹の陰といったところか。名

東海道を行く

「あなたは何宿が一番近いですか?」 「東海道五拾三次」を参考にアレンジを加えつつ制作しました。 宮宿から作り始めたので実際は東海道四拾二次といったところでしょうか 制作中はさながら旅をしている気分で今は何々宿に着いたよと家族に話しながら作っていました。また、きっと知り得なかった名所が知れとても楽しい思い出になりました。 【製作環境】 (minecraft version)1.16.4 (shader)Builder's Modded Shaders V2.7.0 (製作

一期一会と再三再四、地理と歴史

地理は、日々変わる。 日本列島も昔は大陸の一部。 その大陸も昔は パンゲア大陸という一つの塊だった。 私たちの足元は、動いている。 そこまで長いスパンでなくとも、 いつのまにか ラーメン屋が閉店していたり、 逆に新店が開店していたり、する。 地理は、日々変わるのだ。 その意味で、今いる 私たちの空間は、一期一会だ。 歴史も、日々変わる。 今やっていることは、 片端から歴史に変わっていく。 今日は昨日となり、一昨日になる。 洞窟に住んでいた太古の人類と スマホを使い