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"歴史" 系 note まとめ

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2023年12月の記事一覧

&(アンドのマーク)は使わない

ビジネスに使えるデザインの話ビジネスにデザインの知識はけっこう使えます。苦手な人も多いから1つ知るだけでもその分アドバンテージになることもあります。noteは毎日午前7時に更新しています。 欧文のルール日本人は知らない欧文(主に英語)のルールというものがあります。これは英語の授業でも教えてくれません。それゆえか翻訳者からの原稿にも、このルールに則っていないものがすごく多くあります。 知っておくと何かとアドバンテージになるので少しずつご紹介していきます。ご紹介した欧文のルー

日本の第一次世界大戦参戦と対独戦を考える 飯倉 章

 子どもの頃に観た映画に、『青島要塞爆撃命令』(一九六三年)がある。第一次世界大戦の青島の戦いに加わった、黎明期の日本海軍航空隊を描いた冒険活劇であった。映画のラスト近くでは敵ドイツ軍の砲弾が降り注ぐなか、陸軍が日露戦争の第一回旅順総攻撃を思わせる勇ましい突撃を敢行する。悲惨な戦いの様子が記憶に刻まれたが、史実では日本軍は慎重に壕を掘って敵堡塁に肉薄し、夜襲でいくつかを陥落させ、ドイツ軍は朝には砲弾も撃ち尽くし降伏していた。事実と、映画に基づく歴史的記憶には、随分と差があった

保苅実とつながる会ニュースレター:Dec 2023

皆さん、こんにちは。年末年始のご挨拶にはちょっと早いですが、今週から子供たちが帰省しますので、その前に。 さて。ミノルが亡くなって1年後にうまれた娘の仁香瑠(ミドルネームは「みのり」)を、無事オハイオ州の大学に入寮させたのが8月半ばのことですが、私は10月半ばから三週間、日本に一時帰国しました。こんなに楽しく充実した一人旅はうまれて初めて。世話が必要な相手はいないし通訳の必要もなし。好きなときに好きなものを食べて、変貌した9年ぶりの東京、4年ぶりの日本で、アメリカ人化した私

技術革新と成長の成果は、社会の中でどのように配分されるのか——『技術革新と不平等の1000年史』解説:稲葉振一郎

生産性が向上し、労働者は貧しくなった? 農法改良、産業革命から人工知能(AI)の進化まで。人類のイノヴェーションの功罪を緻密に分析する話題の新刊『技術革新と不平等の1000年史』(ダロン・アセモグル&サイモン・ジョンソン、鬼澤忍・塩原通緒訳、早川書房)。 本書は世界的ベストセラー『国家はなぜ衰退するのか』のアセモグルが長年の共同研究者と放つ決定的著作。圧倒的な考究により「進歩」こそが社会的不平等を増大させるという、人類史のパラドックスを解明する一冊です。 本書の解説は、

「じつは、カレーというものは、ヨーロッパ人がインドの食文化に押しつけた概念だったのだ」――笠井亮平『インドの食卓: そこに「カレー」はない』はじめに

インドに「カレー」はないって本当? 実はインドには、多くの日本人が思い浮かべるような「カレー」はない――? 気鋭の南アジア研究者が、14億人の人口を支えるインドの食のリアルを読み解く『インドの食卓 そこに「カレー」はない』(笠井亮平、ハヤカワ新書)。12/19発売の本書より、「はじめに」を全文公開します。 はじめに インドに「カレー」はない?インド料理といえば、何といってもカレーである。日本で国民食となったカレーのルーツは、もちろんインド。インド人は毎日三食カレーを食べてい

D.グレーバー、D.ウェングロウ著、酒井隆史訳『万物の黎明 人類史を根本からくつがえす』反響まとめ(追記あり)

2023年9月の刊行以降、話題沸騰の『万物の黎明』(原題:The Dawn of Everything)。税込み5500円(708頁2段組)という高価格にもかかわらず、23年12月28日現在、4刷13000部まで来ています。『ブルシット・ジョブ』が話題になったD.グレーバーさんの遺作ということもありますが、その内容のすごさが刊行前から広まっていたことが大きいのでしょう。 本記事では、この年始・年末に『万物の黎明』にチャレンジしてみようという方のために、書評を中心に刊行後の反響

柳田国男『明治大正史 世相篇』についてのメモ②―資料の匿名性について

 以下の記事で角川ソフィア文庫版の柳田国男『明治大正史 世相篇』を紹介したが、この本を読み進めている中で柳田国男の資料の匿名性についての考え方について考察したことがある。 柳田の匿名性に関しては、資料を提供した人物の名前を出さずに自分が蒐集した資料であるかのように引用することが批判されることがある。そして、柳田とセットで南方熊楠は資料を採集した人物や引用元を明記したことを評価する場合もある。この柳田の「資料の引用元の匿名性」とも言える考え方は何か理由があると以前から考えてい

『近代を拓いた金沢の100偉人』刊行

ご無沙汰しております。 長らく雑報を更新できなかった原因もとい理由をようやく公表できます。 北國新聞社より『近代を拓いた金沢の100偉人』という本が刊行されました。 タイトルにもある通り、金沢の偉人をテーマとした本ですので、偉人館も執筆(新聞社と共著)で協力しております。 その結果、ここ数ヶ月間、調査と執筆作業に手を取られてまったく雑報を更新できなかった…という言い訳を一応しておきます。 北國新聞社は過去にも『風雪の碑 : 現代史を刻んだ石川県人たち』(1968)、『ほ

第12回(最終回)誰よりもイギリス君主制を愛した男、ルイス・マウントバッテン|本田毅彦(京都女子大学教授)

 ルイス・マウントバッテン卿は1900年にヴィクトリア女王の曾孫として生まれ、その生涯を通してイギリス王室に関わり、また、それに強い影響を及ぼした。彼のそうした影響力は、20世紀に入って急速に成長した視聴覚メディアが、君主制と社会一般とのコミュニケーションを飛躍的に高めるだろうことに、早い段階で彼が気付き、しかも、その活用の仕方に長けていたことで発揮された、と思われる。  第一次世界大戦後、王太子時代のエドワード八世の随員としてインド・日本への公式訪問に参加したことが、そうし

ニッポンの世界史【第4回】東洋史の「再発見」 : 宮崎市定・古代文明・トインビー

宮崎市定 「ヨーロッパは後進国だ!」  戦前の日本における東洋史は、中国史のウエイトが多くの割合を占めていました。  しかし、いわゆる京都学派の宮崎市定のように、アジアが世界史に果たした役割を重視し、アジアを射程にいれた世界史を描こうとする試みも、すでに戦前からありました。  たとえば、文部省の要請により宮崎も編纂委員として関わった『大東亜史』(未完)の冒頭部分をもとに戦後刊行された『アジア史概説』は、東洋史の学習指導要領(試案)でも参考図書に挙げられています。  オリエント

【趣味活】30代になり初めてわかった「歴史」の楽しみ方をまとめる

こんにちは、けいごです。 お恥ずかしながら、30代に突入して初めて歴史の面白さを知りました。それまでは、「戦国時代? 歴史っていつも戦ってませんか?」みたいな感じでした。しかし今では、徳川がどうのとか、信長がどうのとか、割と話せるくらいになってきました。 歴史の楽しみ方には人によって様々あると思いますが、私なりの「面白いと思ってること」と「楽しみ方」をまとめていきたいと思います。 本記事では「歴史がつまらなすぎて勉強が進まない」と感じている学生さん、「歴史を知りたいんだ

世界史の本質がつまった20名の偉人を徹底解説!四谷学院、スタディサプリの人気講師のnoteが書籍化

四谷学院やスタディサプリで人気の世界史講師・山本直人さんのnoteが書籍化。大幅な加筆に多数の書き下ろしも加え『この20人でわかる 世界史のキホン』として、PHP研究所から12月12日(火)に発売されました。 ——世界史で人物の説明を読んでも、まったく理解できないのはなぜだろうか? 本書では、彼らの生涯が自然と頭に入るよう、世界史のタテ(時間軸)とヨコ(空間軸)を丁寧に紐解きながら、世界史の本質がつまった20名の偉人を徹底解説。リアルタイムで世界史を学ぶ生徒はもちろん、大人

ニッポンの世界史【第3回】世界史の「氾濫」

「教科世界史」は、なぜ暗記地獄化したか?  前回みたように、「科目」としての世界史は、戦後まもなくの混乱期に、学問的に深い議論が交わされることなく誕生したものでした。  そもそも学問としての世界史自体、未確立だったこともありますが、その輪郭が不確かであったからこそ、文部省の教科書調査官や歴史学者、教員、予備校講師、それに作家に至るまで、さまざまな人々の手が加わり変化し続ける余地ができた面というもあるでしょう(注1)。  とくに戦後まもなくは、教員がみずから世界史という科目

2023年振り返り

今年を振り返ってみます。 イベントとしてはこのような感じです。 出版イベント (2023/01/08) 『歴メシ! 決定版』出版&ドラマ化記念トークショー 講座・トークイベント(2023/02/25)【朝日カルチャーセンター立川】食で辿るヨーロッパ史Ⅳ -近世ヨーロッパ:大航海時代のヨーロッパの食卓- 講座・トークイベント(2023/03/04)【こっしぇる!】食で読む『ギルガメシュ叙事詩』- 古代メソポタミア料理のリアル – 出版・トークイベント(2023/03/04)