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2022年4月の記事一覧

お散歩が楽しくなる!「地衣類ミニガイドブック」を公開

地衣類の世界を探検しよう突然ですが、下の写真は筆者自宅の駐車場です。 一見すると何の変哲もない風景ですが、よく見ると縁石の表面の一部分(白色矢印)がオレンジ色に変色しているのが分かります。 実は、これはコウロコダイダイゴケという地衣類(ちいるい)の一種。生き物なのです。 ※以下に地衣類の拡大写真が出てきます。集合体が苦手な方はご注意ください。 ルーペで観察するとこんな感じ。子器と呼ばれる生殖器官が、どら焼きのようで可愛いですね。日々使っている駐車場の縁石に、こんな面白い

九州にはすごい特急が走っている (或る列車)

こんにちは紅油(ほんよう)です。 私はこれまで足繁く、九州に通ってきました。その理由は食事、温泉・・・などなどいくつかあるのですが、理由の50%は九州を走る特急列車に乗るためです。 新幹線が発達した令和の現在においても、地方では特急列車がまだまだ主要手段となっています。 その中でもJR九州の運営する特急である D&S列車* は、地方の良きところを取り入れながら、ただの乗り物では済ませない仕掛けがいっぱい散りばめられています。 私はD&S列車に乗るために、九州にかなりの

飽きっぽいから、愛っぽい|遺書が化けて出た@日本海上空

キナリ☆マガジン購読者限定で、「小説現代5月号」に掲載している連載エッセイ全文をnoteでも公開します。 表紙イラストは中村隆さんの書き下ろしです。 生まれて初めて、遺書を書いた。書く羽目になった。 三月二十一日、午後六時。押し寿司みたいな分厚い雪が張りついている札幌での取材を満喫し、すみれの味噌ラーメンと、コーン茶のパックをお土産にぶらさげ、わたしは新千歳空港の搭乗待合室をブラブラしていた。 いつもなら新幹線は三本に一本、飛行機は五本に一本くらいのペースで盛大に遅刻し

海外事例に学ぶ、哲学者・経済学者・人類学者を雇う理由とは?

研究者や学者の働き方として一般的にイメージされるのは、 ・大学 ・企業の研究部門 ・公的機関・非営利団体といった研究機関 ・独立系研究者 といったようないくつか選択肢があると思います。 対して今回ご紹介する記事では、海外で研究者や学者達が企業のコア人材として重宝され組織運営に関わったり、事業のデザインに貢献しています! ぜひご覧下さい!👀 1.グーグル、アップル、フェイスブック・・・ 世界的企業がこぞって「哲学者」を雇う理由 〜一部記事を抜粋してご紹介しています〜

講談社現代新書編集長・青木肇さんと語る「新書の世界」

note読者のみなさん、こんにちは! インターナショナル新書編集長の土屋です。 「インターナショナル新書創刊5周年 特別企画 編集長対談」というわけで、講談社現代新書編集長の青木肇さんとオンラインでお話をさせていただきました。青木さんをはじめ、講談社現代新書編集部のみなさんが日々どのように新書を作っているのかを聞き出したく、対談のはずが質問攻めにしてしまいました。 土屋:本日はどうもありがとうございます。先輩新書編集長である青木さんにいろいろと伺っていこうと思います。 青

東大入学式の総長式辞で『ケア宣言』に言及

4月12日の東京大学入学式がいろいろと話題になっていますが、藤井輝夫総長の式辞では小社刊『ケア宣言』が紹介されていました。 The Care Collective(ケア・コレクティブ)が2020年に発表した「The Care Manifesto(ケア宣言)」は、ミクロレベルの人間関係から、地域・企業・コミュニティのメゾレベル、そして経済、政治、国家というマクロレベルにまでわたる、具体的なシステム変革の構想を掲げています。その冒頭では、パンデミック、気候変動、大量移民、紛争な

お札も切手もステキな芸術作品だ!

今日わたしがお邪魔したのは 独立行政法人国立印刷局 お札と切手の博物館 東京都北区王子1-6-1 最寄り駅はJR王子駅・東京メトロ王子駅 都電荒川線(さくらトラム)王子駅下車徒歩3分 2021年に50周年を迎えたという博物館。 入場無料でスタッフの方も親切で良い雰囲気な場所です。 この建物に隣接して国立印刷局があります 入場無料という事もあり(笑)前々から行ってみたいなあと思っていました。 子供の頃切手を収集していたこともあるのですが、切手の絵というのが今もとても好き

第1回 心の専門家である私がなぜAIに興味を持ったのか

フロイトの研究家であり、当社の人気シリーズ「いま読む! 名著」で『寄る辺なき自我の時代~フロイト『精神分析入門講義』を読み直す~』を著している精神分析家の妙木浩之さんが、ここ数年手がけているAIに関する書籍がいよいよ佳境に入ってきました。そこで、今回から、9回の予定で内容を少しお話ししてもらいましょう。まず第1回は、妙木先生がAIに興味をもったきっかけ、そこで感じた精神分析の可能性に関して。  こんにちは。私は、精神分析学の生みの親でもある精神医学者・心理学者フロイトの研究

『自分を愛するということ(あるいは幸福について)』(亜紀書房)が刊行されました

こんにちは、文筆家の佐々木ののかです。 2022年3月25日に、私の2冊目の単著となる『自分を愛するということ(あるいは幸福について)』というエッセイ集が、亜紀書房さんより刊行されました。お手にとってくださった方々、本当にありがとうございます。たくさんのご感想をお寄せいただけたり、気にかけてくださったりと、身に余る喜びの波が毎日押し寄せているのですが、今回の本は多くの方にお手にとっていただきたい気持ちがとくに強く、発売から1ヵ月経ったこのタイミングで、本書について改めてお知ら

『多元世界のためのデザイン』をデザイナーと哲学者と実務家と一緒に読む / Designs for the Pluriverse読書会

デザインの未来を考える「多元世界のためのデザイン」を提唱するこの本の内容を一言で言えば、この地球上でヒトが生み出す社会問題の診断と処方箋のスケッチです。 現代の社会的な問題は、わたしたちの世界の捉え方「存在論」「認識論」に由来するものだと診断し、その問題の解決の方向を、「存在論的デザイン」「自律的デザイン」という新しいデザインの態度に求め、その可能性をスケッチしています。 デザインを実践している方、特に、デザインで社会を変えるためには何ができるかを考えている人々や、哲学思

「知床遊覧船事故」の背景を、ロシア現代思想および東浩紀の仕事から読み解く(「誤配がもたらすメタ正義宣言」後編)

(トップ画像はウィキペディアよりロシア思想家ドゥーギンの写真) これは一個前の記事の「後編」です。 「前編」↑の内容をざっくり整理すると、以下のようになります。 「後編」では、より踏み込んで、 …について、私の専門といっていい「経済経営」的な分野と具体的に関わらせながら、考える記事を書きます。 特になんか具体的な例があったほうがいいかと思うので、例の「知床遊覧船」の事故の話を例にあげて考えます。 (いつものように体裁として有料記事になっていますが、「有料部分」は月

歴史の中に埋もれた事象を発掘するアート

絵の描かれていない大きなボードが、美術館の壁に所狭しと掛けられています。Tokyo Contemporary Art Award (TCAA) 2020-2022 受賞記念展の藤井 光さんの展示です。 日本人が観ることのできなかった「日本の戦争美術展」 1946年8月21日から9月2日まで、上野の東京都美術館で「日本の戦争美術展」という展覧会が開かれました。アメリカ合衆国太平洋陸軍が主催した展覧会で、占領軍関係者のみが入ることのできる展覧会でした。ここで展示されたのは、藤

千葉雅也の「現代思想の輝きとアクチュアリティ」

週刊読書人の小泉義之、千葉雅也両氏の対談記事についてです。 新書のヒットをうけて、年代史としての現代思想の問題が、同時代の本質を表すという内容でした。 コロナでは、フーコー「社会の脱構築」がトレンドになります。 脱構築は、健康と不健康のような対立する考えに、マイナスを擁護して宙づりにする。デリダです。(日本では東浩紀さんでしょうか) フーコーの脱構築は社会です。 コロナ渦で、生き延びるためには、民主主義的な支配と権威主義的な支配が、ともに強化される事によってロックダ

大きく騙されないために小さく騙されろ、とタンザニアの商人は言う。

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