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脳梗塞で半身麻痺がある家族の介護で気をつけること

こんにちは!
今回は半身麻痺がある方の介護についてお話していきます。

半身麻痺ってどういう状態?


半身麻痺とは、文字通り身体の右または左全体が麻痺している状態のことを指します。

他にも、脳梗塞の後遺症では下半身麻痺など身体の一部に麻痺が残ることがありますが、今回は半身全体が麻痺している方をメインに説明していきます。一部麻痺のある方にも応用できる部分も多くあると思うので、ぜひ参考にしてみてください。


身体の半分が麻痺している、と言われても、あまりピンと来にくいですよね。

麻痺の状態にも、完全麻痺や不完全麻痺、痙性麻痺、弛緩性麻痺と様々な種類がありますが、ざっくりと説明すると、自力で思うように動かせない・動かせても十分に動かせない・動かしにくい状態です。

長時間正座をしていたら足がしびれたり、同じ姿勢で寝ていて起きたら腕がしびれていたりして、一時的に感覚が鈍くなったり動かしにくくなったことはありませんか?

麻痺の状態にもよりますが、麻痺の方はずっとそんな感覚を持っていたり、もしくは全く感覚がなかったりします。自分で身体を思うように動かせないことは、周りが思うよりもストレスを与えます。

もし、寝るときに身体を固定されて全く動かせなかったら…?一日中同じ姿勢でピクリとも身体を動かせなかったら…?ちょっと想像しただけでも、大変ですよね。

通常、わたしたちは無意識のうちに、身体を動かしたり、よじったりしています。寝るときに寝やすい姿勢を探してモゾモゾしたり、長時間椅子に座っているとお尻が痛くなるのですこしお尻を動かしたり足を動かしたりしますよね。寝ている時でも寝返りをうっています。

麻痺のある方は、そういったわたしたちが無意識に行っている動作を自力で行えなくなっているのです。


半身麻痺がある場合の注意点

麻痺がある方に対して注意していきたい点は、主に4つあります。

・ADL低下
自力で行える動作が減り、1人でできることが減ることにより、生活が不便になっています。

・拘縮(こうしゅく)発生リスクが高い
麻痺のある側の手足の筋肉や関節が硬く固まってしまい、動かせる範囲が狭まってしまう状態が起こりやすくなっています。

・褥瘡(床ずれ)発生リスクが高い
麻痺のある側の感覚が鈍くなるため、床ずれが起こりやすくなり、床ずれしていても本人は痛みを感じず気付かず悪化してしまうこともあります。

・転倒転落リスクの増加
手足を思うように動かせず、身体のバランスを取りにくくなるため、転んでしまったりベッドや椅子から落ちてしまう危険があります。

脳梗塞による後遺症の場合は、空間把握能力(自力で身体のバランスを取る能力)自体が衰えている場合もあり、より転んでしまう危険が高くなります。

それぞれの注意点に対して、気を付けていってほしいポイントをお話していきます。

ADL低下

1人でできる動作が減ることにより、家族や補助器具による日常生活の援助が必要になります。

たとえば、利き腕が麻痺しているためお箸を上手く持てないため、スプーンやフォークを使用したり、すくいやすい形に食材を切るお手伝いが必要になります。

食器が滑ってしまう場合は、滑り止めマットや縁がしっかししている深めのお皿を使用してみると、片手でも食事がしやすくなります。

スプーンやフォークが持ちにくい場合は、柄の太い物に変えたり、今ある食器の柄にタオルなどを巻いて太さを調節してあげても持ちやすくなります。

トイレや着替えなどで、麻痺していない側で手すりを持つと、ズボンの上げ下げのお手伝いが必要になることもあります。麻痺している手足の関節は脱臼しやすいため、衣服の着脱時に無理に引っ張らないようにしたり、座って起きている時に腕や足を支える枕などを入れる必要があります。

状態によって、できること・できないことが変わってきますので、ご家族の麻痺の状態をみながらできることはやってもらい、できないことをお手伝いするようにしていきましょう。


拘縮(こうしゅく)発生リスクが高い

麻痺している側をずっと動かさずにいると、筋肉や関節が固まっていきます。

固まってしまうと、皮膚と皮膚がくっついた状態が長く続き、不衛生になったり、肘など同じ場所がずっとベッドにあたるなどで床ずれになりやすくなります。また、着替えのときにも手足の曲げ伸ばしがしにくくなるため、着替えにくくなります。

こういった状態を防ぐために、麻痺のある手足を曲げ伸ばししてあげたり、マッサージして筋肉の緊張を緩めてあげることも大切です。

褥瘡(床ずれ)発生リスクが高い

麻痺している側は感覚が鈍くなっていたり、自分で十分に動かすことができないため、意識して動かしてあげないと床ずれができてしまいます。

朝起きたら枕の跡が顔に残って赤くなっていたりしたことはありませんか?わたしたちは自分で起きて、枕から顔を離すことができますが、麻痺があると自力で離すことはできません。

床ずれができやすい場所は、耳・後頭部・背骨や肩・肘・仙骨(おしりの割れ目の上あたりにある骨の出っ張り部分)・膝・かかとなど、体の中でも肉が薄く、触ると骨が分かる部分です。

そういった部分が長時間圧迫されないよう、定期的に体の向きを変えたり、座っているときは低反発クッションを使用したり、定期的に立ち上がって、圧のかかる部分を変えたり、身体にかかった圧を逃してあげる必要があります。

床ずれは、長時間の圧迫や皮膚が湿った状態になっていると起こりやすくなります。

オムツを使用している患者様の場合は、なるべくこまめにオムツを取り替えたり、1日1回は陰部を洗うなど、皮膚を清潔に保っていくことも大切です。テープ式のオムツを毎回交換するのは体力・コストともに大変なので、オムツの中に敷く尿取りパッドなどをうまく取り入れていきましょう。

また、皮膚が乾燥していると皮膚のバリア機能が低下し、床ずれやケガのリスクも高まります。高齢になるにつれて皮膚の水分量は低下していきますので、全身、特に背中や手足、おしりなど乾燥している部分に保湿クリームを塗り、乾燥を防ぎましょう。保湿クリームは、ドラッグストア等で売っている普通の全身用保湿クリームで十分です。

転倒転落リスクの増加

半身が麻痺していると、身体は麻痺している方に傾きやすくなり、転んだり椅子から落ちたりしやすくなります。

予防のためにも、ベッドを起こしたら麻痺している側にクッションを入れて身体が傾かないように支えたり、座っているときには動かせる側に手すりがある場所を選んだり、ご家族が麻痺している側にいて身体が傾いた時には支えられるように気をつけていきましょう。

ベッドから車いすなどに移る場合は、動かせる側で車いすやベッドの手すりを持って立ち上がれるように、麻痺している側に車いすを置くようにしましょう。(右半身まひの場合は、ベッドの左側に車いすを置きましょう)

また、ベッドから車いすに移る時に、一度しっかりと立ち上がってもらい、立った状態で方向を変えてから座るようにしましょう。

体格差がある場合は、1人で無理して移動させず、2人以上で移動するなど、無理をしないようにしてください。


色々とお話してきましたが、いかがでしたでしょうか。


麻痺の状態は、さまざまな症状があります。在宅介護をしていくなかで、これはどうしたらいいんだろう?と疑問がでてくることもたくさんあると思います。訪問リハビリや訪問看護を使用していたら、訪問してきた療法士や看護師へ、使用していない場合は往診医やかかりつけ医、ケアマネージャーなどに相談してみましょう。



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