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これ、人生狂っちゃうかもしれない。「バズる文章教室」の熱狂がとまらない。

驚いた。手に取るかどうか、迷えない本ってあるんだな。文章テクを教えてくる本って私、基本好きじゃないんだけど......。おかしいな。本棚へ伸びていく手が止められない。

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無用な文章プライド

私は、書くのは好きだけど書いて食べているわけでもない、名もなきnoter。ですが。高校では文芸部だったし大学では論文指導をしていた。受験では国語で苦手な数学の分まで点を稼いでいた。こんな大昔の話をこうして引きずっているくらいには文章力には自信がある。

...お、恐ろしい。自分の文章に自信があるだって...?こうして人は成長を止めるのだろうか。 


過剰な防御姿勢

文体への侵食も怖い。

インスタはフィルターで味付けするが、noteに置かれた調味料は極端に少ない。明朝orゴシック、太字、引用、リンク、画像、そんなところ。(個人的な好みとしては潔くてたいへん好ましい。)

何味なの?というと、私味、僕味、わし味なのであって、その正体は、文体だと信じる教に私は入っている。これはダシ1本で勝負しているようなもので、それが変わってしまったら文章は変わってしまう。神はダシに、いや文体に宿っている。ダシの中身は、その人の育ててきた感性と、読んできた文章でできている。

小手先の文章テクで、私の表現を汚してくれるなよ...。これは、ブログを書いていた時、SEOを気にしてロボット的にキーワードをぶちこんでいたときのトラウマなのだろうか。


そんなプライドとトラウマの大波を乗り越えて、手が本棚へ伸びていった。


はいはい言葉の発信力、上げたいですよ。でもさあ、そんな単純な話じゃないんじゃないの?こんな著名人のテクを真似したってさ。バズるとかさあ。

まあ、とりあえずちょっと読んでみるか。


佐々木俊尚の身近力「徐々に話の花を開かせる」;自分にとっては興味のある話題。だけど、きっとほとんどの読み手にとっては、どうでもいいだろうなと思う話題。(中略)自分の興味を、他人にまで広げてこその発信力。

あれ、これっていわゆる論文の基礎では…?論旨を書いて、紐解き、論拠を書いていく。という....。なるほど、とくに論旨を「問い」と「答え」に分けるところがポイントなのね。うん、分かりやすいよね。さすがジャーナリスト先生。(何様)しかし... こういうのも良いおさらいになる。


村上春樹の音感力「読みたくなるリズムを使う」;文章とは、リズム感だ!(中略)「もしその文章にリズムがあれば、人はそれを読み続けるでしょう。でももしリズムがなければ、そうはいかないでしょう。2、3ページ読んだところで飽きてしまいます。リズムというのはすごく大切なのです」

おお、私も思ってた。文章内でも文字数のリズムとか読んだ時の語尾とか気にして書く時あるよ。あら、村上春樹大先生もそう思ってたの?(ひきつづき何様...)でも、どういうリズム感?と思ったら。この本の著者様がありがたくも例文を引いてくれていました。なるほど... やっぱり、読んでみて読みやすいか、なのかな。朗読した時にラップのリリックみたいに気持ちいいか、みたいな。自分の文章、声に出して読んでみようかな。


三島由紀夫の対比力「でこぼこする言葉を使う。」;プラスとマイナスが合体すると、最後まで読まされる。(中略)思うんですよね。人の心に残すためには、ある程度の「でこぼこ」が必要なんじゃないかって。

三島由紀夫先生の「鹿鳴館」から例文が引用されている中に...

「氷のように清潔」というフレーズが。

こ、これは… 崎山蒼志さんが書いたの?

いや、書いたよね? ってくらい驚いた。そうか、彼の歌詞へ三島由紀夫テクがどこかから引き継がれ... わー、何それ面白い...!


結論。「文芸」が好きな人にはめちゃくちゃ面白い。

たしかに文章術の本である。多くの人が気になるのは「役立つだろうか」ということだろう。もちろん私もそう思って手に取った。が、その前に。使える使えないの前に、読んでてめちゃくちゃ楽しかった。それはもう想定をはるかに超えて。

それは、着眼点が文章というよりも文芸だったからなんだと思う。SEOとはちがう。ロボットではなく人間に読ませる、いいなと思わせる、文の芸。

この本書いたのが文芸オタク(というか研究家)の方で、私も文芸オタクの超末席に滑り込んでいるからだろう。よく見れば書いてあったじゃん「文芸オタクの私が教える」って。

あ、しかも著者さん、この方だったのね。もう3年も前の記事か。スーパーバズりまくってたから私のスマホにも表示されていて、しっかり覚えている。タイトルがもう...クリックせざるを得なかったよ。


さっさと人に影響を受けろ、人生を狂わせろ

上記の記事から以下抜粋になります。

「あれ、私の現実の人生、本によって狂っちゃってない……?」
 人生を振り返ると、自分で思いもよらなかった選択をするとき、いつも傍らには本がありました。
 たとえばある本をきっかけに、将来の仕事がないと言われる学部への受験を決めたり。ある本についてもっと知りたくなって、就職活動をやめ、大学院への進学を決めたり。
 待って、私の人生のレール、どこ!? 
 不思議です。
わたしはあんなに「現実」から離れたくて本を読んでいたのに、いつのまにか、読んだ本によって、「現実」そのものを変えられてしまっているようなのです。

(本によって狂う.... この表現素敵... 好き....。私も現実逃避の読書っ子だったから、そこにも共感してしまう...)

著者の三宅香帆さんの言う「狂う」を私になりに解釈すると「自分の常識・価値観の範疇を超える行動をしてしまう」こと。「狂わされる」=影響をめちゃくちゃに受けて行動が変わってしまうこと。

なるほどねえ。そっかぁ。うーん。なんかもう「プライドが」とか「文体が」とか、よりも、文芸表現の話があまりに面白くて、彼女に影響受けた...受けざるを得ない感じ。私も自分の文章にそろそろメスを入れますか...。

あー。さっさと人に影響を受けろ、人生を狂わせろ。って感じ。

(実はまだ全然読み途中なので、まずはもうしばらくいろんな作家さんの文章解説を堪能させていただきます♡最近私がnoteでファンになった塩谷舞さんの記事にも解説が入っているのですよ。楽しみ♡)

で、もし。バズる文章教室での成果が生かされて、私の言葉の発信力が上がって、もっともっと多くの人に文章が読まれ、共感(や反感)を呼ぶようになったら。「この本で人生狂っちゃいましたよ。」って三宅香帆さんにご報告しに行きたい。



追伸:そうだ三宅さんにもnoteアカウントがあるのだと書いてから気づき、順序が逆ですが、ご本人のnoteを読みに行きました。こちらもすごくよかったです....>< この本いいのかもなーと思った方は、この「ボツになった幻のまえがき」もぜひ。

ねえほんと、こんなにみんなが発信する時代になっちゃって、私たち、どー生きたらいいんでしょうね?



◎●◎ 私の文章を読んでくれた方へ ◎●◎

ふだんの活動も知っていただけたらとっても嬉しいです。私は以下で生計を立てていくことを目下の目標としています。(2019/6/28 追記)

ひかりのいしむろ(天然石アクセサリー/ペンデュラム)
出張リラックスセラピー(とくに産前・産後・妊活中の方におすすめ)

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