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「10人の法則━感謝と恩返しと少しの勇気」 西田文郎

「世界でいちばん簡単な成功法は、人を喜ばせることである。」



「10人の法則━感謝と恩返しと少しの勇気」 西田文郎


唐突ですが、私は怒っています。


この言葉で、「10人の法則」は始まります。


10人の法則? 


怒っている?


頭の中が〝???〟になりながら読んでいくと、それは、西田文郎さんのお知り合いのAさんに対しての憤りであったのです。


西田さんの勉強会で知り合い、意気投合したAさんの発したこの言葉。


「あいつは使えない。辞めてくれてよかった」


吐き捨てるようにして、Aさんが言った言葉。それは、長年Aさんを支えてきた幹部が、Aさんの会社を去ったときでした。


Aさんの会社は、急成長を遂げているのですが、西田さんは、Aさんに対して次のように語っています。


調子に乗るとは、「勢いづく」ことです。

図に乗るとは、「いい気になってつけあがる」ことです。

いい気になって思いあがり、のぼせあがり、増長している。これが図に乗った人間です。

仕事が絶好調。収入がグンと増える。チヤホヤされるようになる。たちまちイイ気になり、「自分は優秀な人間だ」とカン違いしはじめます。

(中略)

人生のどん底では、「覚悟」が試されます。昇り調子のときに試されるのは「志」です。

私が悲しんでいるのは、あのAさん━将来を大いに嘱望していたAさんまで、調子に乗ればいいのに調子には乗らず、図に乗ってしまったことです。

Aさんには申しわけありませんが、図に乗った人間は必ず失敗します。


西田文郎さんは、 日本におけるイメージトレーニング研究・ 指導のパイオニアであります。


スポーツの分野でも科学的なメンタルトレーニング指導を行い、最近では、日本女子ソフトボールチームや、駒大苫小牧高校、他多くのトップスポーツ選手、チームを成功に導いています。 


西田さんのスポーツメンタルの指導経験からも、デキる人間というのは、「自分はまだまだである」と思っているそうです。


自分もちょっと良いことがあると、「図に乗っていたことが多かったな」と、これを読んで反省しました。


「10人の法則」


この本のカバーにこのように書いてありました。


この法則は知るだけでは何も起こりません。実行しなければ意味がありません。必ず実行してください。すべてが変わります。


その10人の法則とは


あなたが感謝すべき人、10人の名前をあげなさい。

そして1年以内に、10人全員にあなたの『感謝』を伝えなさい。


「これはひとつの生き方であり、生き方の実践です。」と西田さんは語っています。


みなさんが口にする「感謝している」は、じつは「感謝しなければいけない」「感謝すべきだと思っている」の意味であることがほとんどです。

この理屈脳の感謝を感情脳に落とし込むのが、『10人の法則』です。


私たちの脳って、感謝という心の動きによって、喜びという「プラス感情」をわき出させる力があるのだそうです。


その喜びが力を与え、どん底からはいあがるパワーを与えたり、生きるエネルギーを引き出したりするのですね。


脳は感謝で激変する!


10人の法則を実践することによって


●これまでの人生がいかなるものであれ、自分の過去を肯定できる。

●多くの人に支えられてきた自分が好きになり、人のことも好きになる。

●自分の未来がはっきり見えてくる。

●自分ほど運のいい人間はいないと確信できる。


この本を読んで、一番良かったと思えたのがこれです。


恐ろしいのは、心の中にある目に見えない天井です。

(中略)

大切なのは、同じような限界、目に見えない天井が、あなたの心にも存在しているということです。

ですから大きな目標を掲げても、本気になって突き進めないのです。


人間の脳は、〝過去〟を生きているのだそうです。


これまでの経験というデータベースに基づいてものごとを感じたり、判断しているということなんですね。


これ(過去)を崩すのにも、「10人の法則」が役立つのです。


それは


なりたい人といると、限界が壊れるということ。


・金持ちになりたければ10人の金持ちと付き合え

・やる気のある人間になりたければ、10人のやる気のある人間と付き合え

・頭のいい人間になりたければ、10人の頭のいい人間と付き合え

・美人になりたければ、10人の美人と付き合え

・年収2000万のサラリーマンになりたければ、年収2000万のサラリーマンと付き合え

・東大に合格したければ、東大生と付き合え。東大以外の大学を目指している受験生ではなく、東大を目指している受験生と付き合え


限界を崩すためには、なりたい人といるようにすると願いが叶いやすくなると西田さんは語っています。


そして


これは、僕もずっとそう感じていていたし、これからもそう思いたいことです。


他人を喜ばせる人は、自分も他人に喜ばせてもらえます。


人を助ければ、まわりまわって自分も他人に助けてもらえる。

たしかに、世の中にはそういう不思議な流れがあり、これを「返報性の法則」といいます。


「返報性の法則」


良いことをたくさんすれば、良いことがまわりまわって、たくさん返ってくるのですね。


良いことが起こったら、感謝する。


そうすると、また良いことが起こりますね。



【出典】

「10人の法則━感謝と恩返しと少しの勇気」 西田文郎 現代書林


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