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運動学習


はじめに

今回も治療の際に考えていることについての話しを書いてみたいともいます。なかでも運動学習についてです。

リハビリテーションの肝である運動学習

私が思うに、リハビリテーションのすべての場面で運動学習ってのが大きなテーマになってるんじゃないかと思います。なぜなら、リハビリテーションの目的が最終的にはセラピストの手が患者様から離れていく事だと思っているからです。
そう考えると、動作を練習するって場面はもちろんのこと、機能レベルの強化としての筋力強化の場面や、関節可動域を拡大する際にも運動学習の考え方が重要なんじゃないかと思ってます。
たったいま挙げた筋力強化、関節可動域拡大ってのを例にどこがどのように運動学習なのかを簡単に考えてみましょう。
筋力強化の場合、自重でやるにしろ、何かしら負荷をかけるにしろ、動きの中でやるにしろ、止まることを求めるにしろ、目的とする筋肉が効率よく働く姿勢や動作で実施することが重要になってきます。そこで運動学習によってその姿勢や動きを獲得してもらうって事が大事ですね。
関節可動域の拡大を考える際は、可動域制限が起こってしまった原因として、今まで対象者の活動の中で何らかの原因で使えていなかった、もしくは使っていなかったから可動域制限が起こってしまったと考えるのが自然です。という事は、ROM練習をすることにより新しく獲得した可動域を脳はまだ認識しきれていないと思われます。なので、どこまでの可動域が獲得できたのかを脳に認識させるように、運動学習を意識することが大事になってきますね。脳が可動域を認識すれば、今後の活動の中で可動域をフルに使う事が期待できるようになります。
これら2つの例から考えられるのは、運動学習においてとっても大事なのは深部覚って事ですね。なぜなら、姿勢や動作を制御するために、関節や筋肉の状態を脳に伝達しないといけないからです。話しが飛びすぎてたらごめんなさい。

3つのフェーズ

運動学習には3つのフェーズがあるといわれています。
認知段階、連合段階、自動化でしたっけ?正確には忘れちゃいましたが、内容としては…
「認知段階」動きを覚える段階ですね。補助者から介助や口頭指示など十分なサポート受けながら動きを覚えていきます。サポートが多い時期です。失敗も多いです。正確な運動をするためにかなりの集中力が必要です。
「連合段階」試行錯誤する段階です。サポートの量を徐々に減らして本人が成功したり失敗したりする中で動きを学んでいきます。無意識に動ける部分が増えていきます。
「自動化」の段階は独り立ちする段階ですね。サポートがない中でも無意識に目的とする運動ができるようになります。運動に対する脳の負荷量が減るので、歩きながらジュースを飲むみたいな、2重課題ができるようになります。
2重課題ができるようになるって、リハビリテーションの大きな目標だと思いませんか?座ってることだけに全集中しなきゃならない生活って、QOLもクソもない気がしますが、私だけでしょうか…

まとめ

運動学習についてごくごく簡単に書きましたが、このテーマはあまりに大きすぎました。というか、私が考えるリハビリテーションのほぼ全てといっても過言ではないかもしれません。っていうのは言い過ぎかもしれません。
リハビリテーションに限らず、普段なにげなく使っている「クセ」とか「習慣」なんてのも運動学習の結果だしね。やっぱり生き物にとって大事なんですよ「運動学習」。知識としての記憶より、運動記憶の方が長持ちするっていうし、もはや生きるって事が全てが運動学習の連続といえるのではなかろうか…。

おわりに

「運動学習を意識するのって大事ですよ!」ってこと


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