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電車に乗るのが辛いので、訓練用VRコンテンツを共同制作しました【デザフェスvol.56出展】

こんにちは、しろです⛄️

先日、SHISHISHI (@mieteinaikoto)さんにVRのことを色々教えていただきながら、一緒にパニック障害、不安障害の行動訓練用コンテンツを制作しました🚃

今回、 デザインフェスタvol.56に様々なVR作品と共に出展するので、簡単にコンテンツの紹介と、制作の経緯、体験レポを紹介します。
もし、デザフェスに参加される方がいましたら覗いてみてください!

出展名:マイナスワン
出展日:両日
ブース番号:F-305

どんなVRコンテンツなのか

簡単に説明すると、電車に乗って、車内で過ごすコンテンツです。
電車の中で歩き回ったり、外を眺めたり、座って過ごしたり、音楽を聴いたり…と明るくゆったりとした電車の乗車体験ができます。

紹介ムービー

なぜこのVRコンテンツを作ったのか

パニック障害について

私は現在パニック障害・不安障害に悩んでいます。
病院で治療をしたり、訓練をしているのですが、良くなったり悪くなったりをかれこれ5年程繰り返しています。

パニック障害は珍しい病気ではなく、1%の人が体験すると言われています。命に影響がない発作とは言われておりますが、その間は不安や動悸で苦しくなります。
パニック障害の怖さは発作自体だけではなく、繰り返し発作が起きることで「もし発作が起きたらどうしよう」という恐怖を覚え、「逃げられない環境」に行くこと自体に強い不安を感じてしまうことにあります。
(最初の発作は原因がなく突発的なのに、不安が強くなるにつれて苦手な場所に行こうとすると発作や不安が起きるようになってしまう→更に行けなくなる…という負の連鎖が起きます😭)

治療法として、一般的に薬物療法と精神療法(行動療法)があります。
薬で発作を抑えたり、不安を和らげる薬物療法と、苦手な場所に少しずつ挑戦したり、不安の度合いを書き出して認知する行動療法がメインで、私も両方の治療法で日々を過ごしています。

行動療法の難しさ

私は1人離れた場所長時間いることが不安なので、付き添いありで乗り物に乗ったり、1人で過ごしてみたり、美容院に事情を話して行ってみたり…を色々繰り返してできることとできないことが少しずつわかってきました。(その日の体調で全然できなくなる時もあります)

こういうことが苦手になります。美容院、外食は昔は大好きでした。
学生時代は一人旅も結構していました。

今の生活で1番苦手なのは電車に1人で乗ることです。
1駅も乗れません。1駅歩くこと、自転車で行くことは余裕でできます。
ですが電車には乗れません。付き添いがあるとなんとか乗れます。

知り合いのパニック障害の方のも電車が苦手な人が多く、結構チャレンジのハードルが高いのではないかと思っています。

無理して電車訓練をした結果、行った先で発作を起こして帰ってこれなくなった経験が数回あります。(タクシーで帰りました)

難易度の高い訓練のハードルをなんとか下げられないか

電車の訓練をしていたところ、今回VRを作ってくださったSHISHISHIさんからVRでシミュレーションするのはどうですか?
という提案をいただきました😭

確かにVRなら家でできるし、いつでもやめられるし。イメージトレーニングにもなるし良さそう!ということでVRを購入しコンテンツ制作を始めました。

このVRコンテンツでできること

電車の不安箇所の疑似体験

私自身が電車に乗って降りるまでに感じる不安ポイントをまとめ、特に「逃げられない!」と思うところをピックアップしました。

今回のコンテンツでは「電車への乗り込み(ドアが閉じる)」、「乗車」が体験できます。

ドアが閉まる瞬間が1番ドキドキします


ホーム待ち、電車の乗り込み

ここでは電車に実際に乗り込む体験ができます。乗るのが怖い場合はホームでぼーっとしていてもいいし、ちょっと電車の中を覗いてみても良いと思います

乗車体験

乗車体験モードでは、立って乗るバージョンと、座って乗るバージョンの2種類があります。座って乗る場合は、実際の椅子に腰掛けて体験すると本当に電車に乗っている感覚になります。
歩き回ることもできるので、自分の安心スポットを見つけたり、乗客や広告を見てみたりできます。

電車の音は本物なので、怖いなと思った時は、宙に浮いているヘッドフォンの中に入ると別の音楽が流れます。

ヘッドフォンは2箇所あり、それぞれ別の曲が流れています!SHISHISHIさん作曲です

その人その人に合わせた訓練

このコンテンツにはゴールやミッションはありません。
電車がずっと走っているだけのコンテンツです。

ですが、動き回って自分の居心地の良い場所を発見したり、気を紛らわす方法を色々試してみたり、時間を測って模擬練習をしてみたり、何が苦手なのか見直してみたり…リアルな電車ではやりにくいこともVRでは試すことができます。いきなり本番に挑戦する前のお試しにもなります。

そして、体調が悪くなったらすぐに中断できます。

体験してみた感想

  • まず家で乗っているので、1人でVR電車に乗れました。

  • VRは没入感が強いので、電車内はデフォルメされていますが、ちゃんと電車感があり最初はドキドキします。

  • 椅子に座って訓練していることが多いのですが、その後、本物の電車に乗った時にVRの景色に似てるなーと思いました。

  • 本物でもいけるんじゃないか?という気持ちになります(気持ちになるだけでヨシ!)

  • リアルな電車訓練は週1、隔週くらいしかできないのですが、VRは毎日できるので久しぶりに乗る恐怖をちょっと和らげることができます。

おわりに

今回はVRコンテンツ紹介として、コンテンツを作った理由やできることを中心にまとめてみました。
後日、どうやって作っているのかなどの技術面、デザイン面もまとめられたらと思っています。

このコンテンツは2022年11月19日(土)・20日(日)に開催されるデザインフェスタvol.56で体験することができます!
色々なVRコンテンツを展示しているので、スタッフに「電車コンテンツを体験したい」とお伝えください🚃

出展名:マイナスワン
出展日:両日
ブース番号:F-305

また、コンテンツは無料配信中のため、Meta Questをお持ちの方はすぐに体験できます!


読んでいただき、ありがとうございました!


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