上伊由毘男

ライター。ここには小説を書いていきます。連絡先は skicco@gmail.com Twitterアカウントは https://twitter.com/skicco  その他は http://skicco.net/ 参照。

小説「やる気のない忠臣蔵」

関ヶ原の戦いから百年ほど経った江戸時代中期、播磨国赤穂藩(現在の兵庫県)を治める浅野家の筆頭家老(一番偉い家臣)に大石内蔵助(おおいし・くらのすけ)という男がいた。親の跡をついでの筆頭家老。実際の政務はベテラン老中である大野知房が全てこなしてくれていた。この時代は仕事も役職も世襲。もとより、関ヶ原の戦いから百年経ち徳川家の支配が確立した太平の世においては手柄を得る機会もなく、大石内蔵助も何事もなく

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小説「若起強装アウェイガー」第8話「慟哭!終わらない戦い」

牛若丸の命で、白の館を潰すため黒の館を出た蒼狼丸と白鹿丸。二人は黙ったまま歩き、黒の館がある不動山を下りていた。
沈黙を破ったのは、白鹿丸。
白鹿丸「蒼狼丸、お前は……」
蒼狼丸「お前はどうなんだ」
何の脈絡もなく話しかけられ、白鹿丸は面食らった。
蒼狼丸「本当に白の館を潰す気か」

白鹿丸「それは……」
以前より白鹿丸には戸惑いがあった。自分が何のために戦っているのか、と。それでも、父と慕う黒田

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小説「若起強装アウェイガー」第7話「悲愴!愛と憎しみの戦い」

治英と亜衣、勇、そして白河博士は白の館へ戻っていた。博士はあらためて三人に説明した。黒の館の黒田博士はかつて自分と軍で人間改造の研究をしており、その後黒田博士は天皇家乗っ取りを企てる一派の支援を受け研究を続けたこと。そして白河博士自身もCIAの支援を受け研究を続けていたこと。

白河「だが研究が……すなわちアウェイガーの技術が完成すると、CIAは支援を打ち切り、この白の館へ攻め入ってきた。秘密を知

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小説「若起強装アウェイガー」第6話「驚愕!博士たちの過去」

ドクターホワイトこと白河博士とドクターブラックこと黒田博士は同じ場所にいた。不動山の中腹にある小さな山小屋の地下室。といっても、山小屋の側から地下室に入ることはまずできない。地下室は白の館及び黒の館と地下道でつながっている。二人がしばしばここで会い、情報交換などをしている場所だ。

二人の博士はそれぞれの館でCIAの襲撃を受け、ここへ逃げこんでいるのだ。
黒田「やれやれ。黒の館までCIAに狙われる

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小説「若起強装アウェイガー」第5話「敵か味方か!黒の館」

ドクターホワイトの国会議員皆殺し計画は開始された。すでに第1陣が東京に向かっているという。亜衣は急いで新幹線の駅に向かうことにした。いくらアウェイガーが超人的な運動能力を持っていても、東京まで行くなら新幹線の方が早い。そもそも白の館の近くに駅はひとつしかない。

治英も亜衣についていく。治英は亜衣が拘束を解いてくれたことで、自分が亜衣に頼られてると確信した。この世でただ一人自分の存在を認めてくれて

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小説「若起強装アウェイガー」第4話「強襲!白の館」

亜衣は白の館に戻っていた。父親であるドクターホワイトこと白河博士を説得し、政府転覆をやめさせるためだ。
廃病院を転用した白の館。白河博士はここでアウェイガーに関する研究を続けてきた。
亜衣「父さんの計画は荒唐無稽です。国会議員を皆殺しだなんて……そんなバカげたことを」

白河「アウェイガーの強さは、ずっとワシの助手をしてきたお前なら知っているだろう。アウェイガー数人で、数百人を殺すことができる。欲

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