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2023年本屋大賞ノミネート作、僕が書店員だったら投票したい作品3冊

こんにちは😊

今年で20回目を迎えた本屋大賞
書店にとっては「本のお祭り」のような側面もあるのではないでしょうか?
1月20日に2023年(第20回)の本屋大賞ノミネート作品が発表され、4月12日に大賞が発表されます。

僕は今年初めて、本屋大賞ノミネート作品に選ばれている10作品を大賞発表前に全部読みました。

今回は、僕が書店員だったら投票したい作品3冊や本屋大賞ノミネート作を読んで思ったことについて書きました。

2023年本屋大賞ノミネート作

2023年(第20回)の本屋大賞ノミネート作品

2023年本屋大賞ノミネート10作 (作品名五十音順)

『川のほとりに立つ者は』
寺地はるな(著)
双葉社

『君のクイズ』
小川哲(著)
朝日新聞出版

『宙ごはん』
町田そのこ(著)
小学館

『月の立つ林で』
青山美智子(著)
ポプラ社

『汝、星のごとく』
凪良ゆう(著)
講談社

『方舟』
夕木春央(著)
講談社

『#真相をお話しします』
結城真一郎(著)
新潮社

『爆弾』
呉勝浩(著)
講談社

『光のとこにいてね』
一穂ミチ(著)
文藝春秋

『ラブカは静かに弓を持つ』
安壇美緒(著)
集英社

本屋大賞公式サイトより

本屋大賞ノミネート作を読んで思ったこと

まず思ったのは、10作品すべて素敵な作品だったこと。

どれも見ごたえのある展開で、登場人物の個性や各所での表現も印象的です。読んで良かったと素直に思いました。
よくよく考えたら日本で1年間に発行された何百作品の中から選ばれた作品。野球で例えるならWBCの日本代表に選ばれるようなもの。
だから、ノミネートされることだけでもすごいと思います。

こういったこともあって順位を予想するのは失礼なんじゃないかと思い、順位予想ではなく僕が投票したい3冊にしました。どの作品が大賞になってもおかしくないことで、予想しても当たらないからというのもありますが(笑)


作品の内容に関しては「生きづらさ」が描かれている作品が多い印象でした。

その中でも特に多い印象を持ったのは「親子関係」についてです。
「毒親」とまでは言い難いまでも、どこか複雑でぎこちない様子で窮屈に感じる。表立って問題にはしにくいようなことが言語化されていると思いました。

各作品の主人公の心理描写や登場人物のやり取りを通じて、心に響いたり考えさせられたりしました。

また個人的な意見としては、ミステリは帯文やSNSなどでの評判から、どうしても構えて読んでしまったというのがあります。それは投票したい作品3冊を選ぶ際に影響したかもしれません。

僕が書店員だったら投票したい作品3冊

本屋大賞は、書店員の方が一次投票をおこないノミネート作品が発表された後、二次投票でベスト3に順位をつけて投票します。この二次投票の集計結果により大賞作品が決まります。
(投票の得点換算は、1位=3点、2位=2点、3位=1.5点)

僕も書店員の方と同じように、投票したい作品3冊を選びました。

基準は「僕の好みや感覚によるもの」です。
それを具体的に言語化すると以下のような感じです。

  • 響いたり、考えさせられた作品

  • ラストの展開が好き

  • 読み終わったあとも余韻が残る

  • 登場人物が印象的

  • 再読したい

  • 映像化されたものも見たい

  • 本屋大賞を受賞したことがない作家さん

  • 本屋大賞に初めてノミネートされた作家さん

  • 他の作品も読みたいと思った作家さん

1位『ラブカは静かに弓を持つ』(著:安壇美緒)

主人公・橘樹(たちばな・いつき)の境遇や心情に最も感情移入した作品です。

橘の葛藤に、後半から息が止まったり涙腺が緩んだりと、感情が揺らぎっぱなしでした。
信頼の築かれ方以上に、壊れた時の向き合い方を学んだ気がしますし、たとえ趣味でも真剣に向き合っている姿は素敵だなと感じました。

物語が飛躍し過ぎていない感じの終わり方も好きです。
素敵な演奏を聴いた時のような余韻にも浸れます。
(本作を読んで、音楽小説は好きだなと改めて感じさせてくれました)
また、単なる音楽小説ではなく、音楽×スパイという設定も引きつけるものがありました。
映像化された作品も見たいですね。

安壇美緒さんは2018年にデビュー。
これからもっと注目される、してほしい作家さんという思いもあります。

2位『川のほとりに立つ者は』(著:寺地はるな)

相手との向き合い方について、ページ数以上に考えさせられることが多い作品でした。

本作は発達障がいについて取り上げられています。
発達障がいに関しては言葉では知っていても、僕は実際に当事者になったことはありません。本作を通じて、調べただけで分かった気になることがいかに浅はかなのかを思い知りました。
人との関わり方には正解がない、だからこそ難しいと改めて感じました。
また読み返したい気持ちが強い作品でもあります。

清瀬と松木の関係性も印象的です。
2人は恋人関係ではありますが、ベタベタしていない程よい距離感が良いなと思いました。

寺地はるなさんは本作が本屋大賞初めてのノミネート。
僕は本作で寺地さんの作品を初めて読みましたが、本作をきっかけに他の作品も読みたいと思っています。

3位『光のとこにいてね』(著:一穂ミチ)

ボリュームがありながら読了後の印象はさまざまありそうで、行間が気になる作品でした。
(462ページは本屋大賞ノミネート作の中で1番多い)

「友達」や「運命」など何か1つの固有名詞では片付けられない結珠と果遠の2人の関係が印象的です。凪良ゆうさんの『流浪の月』を読んだ時を思い出しました。
また、上にも挙げたように「生きづらさ」に関して、表立って問題にはしにくいようなことが言語化されていると思いました。著者である一穂ミチさんがどのような想いで書いたのかすごく気になります。

本作の終盤の展開はあっと驚き、そして考えさせられるものがありました。
読了後の意見が分かれそうで、他の方がどう感じたのかも気になります。時間が経ってから改めて読むと感じ方も変わりそうな予感がします。読了後も考えさせられる点も含めて僕は本作を推したいと思いました。

※SNSでも評判が高い『汝、星のごとく』もすごく素敵な作品でしたが、現時点で投票するとしたら『光のとこにいてね』かなと思いました。
(ノミネート作を読んでいても思ったのですが、読む順番やその時の心理状態によってもどの作品を推したいかは変わってきそうですね)

本屋大賞ノミネート作品を読んだ感想の記事リンク

最後に本屋大賞にノミネートされた各作品を読んだ僕の感想についての記事リンクを以下に載せました。
気になる作品があればぜひ手に取って読んでみてはいかがでしょうか?

『川のほとりに立つ者は』(著:寺地はるな)


『君のクイズ』(著:小川哲)


『宙ごはん』(著:町田そのこ)


『月の立つ林で』(著:青山美智子)


『汝、星のごとく』(著:凪良ゆう)


『方舟』夕木春央(著:夕木春央)


『#真相をお話しします』(著:結城真一郎)


『爆弾』(著:呉勝浩)


『光のとこにいてね』(著:一穂ミチ)


『ラブカは静かに弓を持つ』(著:安壇美緒)

まとめ

ノミネート作すべてが素敵な作品で、この中から3冊を選ぶのは迷いました。どれが大賞になってもおかしくないと思います。

また、ノミネート作品は全て書店で直接購入しました。
お店に入って、本の並びやPOP広告などを見て「ピンときた」本を手に取りレジへ行く。その時のワクワク感は何ものにも代えがたいものだなと思いました。これからも書店での本との出会いを大切にしたいと思っています。

本屋大賞をきっかけに、本を手に取る方が1人でも多くなってほしいと願っています😌

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