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20240204「蕗の薹」

暗がりから段々青くなって
しばらくすると
水の流れが聞こえてくる
溶けた雪が下り
その白さも汚されて
染みになったものさえも
雨にうたれて
天日で乾かされる
干上がったのはいつの日か
それとも既に沈んでいる
思い起こした交錯地では
まだ思いも知らないことがある
それぞれの言い成りで
或いは成長の養分を獲得に出る
見知らぬ鳥が何かを咥え
森に入る
まだ残る奥の方では
何かが眠ってるのだろう
蕗の薹の苦味で目覚めてみる

潜らせた日々の中で
その向こうのことを案じ
ここにあるもののその先を見てみる
知らない物ごとが多さにたじろぐが
それこそが豊穣なのだろう
見聞きするもの
想像するもの
解釈の多さで
それでもわたしたちは生き延びる
ちーんと鐘音響き
薄れる記憶を呼んで
煙の中を通り過ぎる
垣間見る夢の先で
誰かが待っている
在らぬことを納め
もう一度開く鍵で
かちゃりと鳴る
それぞれの檻をすり抜け
飛び立つ翼を背負う

妄想の連結で支えられる
一部の塔
崩れるさるまでは
別の庵で待っていよう
風吹けば飛ばされるだろうが
身近にあるもので代用できる
少しの道具があれば
その小さな構築で
紡がれる結束
方陣の冪乗で雨露を凌ぐ
水を汲み
火を上げて
天候を読んで
今日を為す
待ち合いながら
小さな芽から花開くまで
そして干上がり倒れるまでは
姿形を維持しつつ
いつかの土へ還るのだろう

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