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20231016「アクセラレーター」

胸に手を置き
わたしの中に何があるのか
わたしは知らない
わたしごとなのに
与り知らずに
表面のことばかり
気にしている
誰かの噂や
誰かのいいことわるいこと
喜びの類いや悲しみのそれ
憶えていない過ちや善行
呼吸の整えまでも
身体に聞いてみなければ
儘まらないというのに
あくせくと昨日のように
今日を明かす
少しずつ蓄えたものを
手のひらに看る

泣けばいい
そして笑えばいい
精一杯として届かせ
綻ぶ何かを仮定して
その前後を通し
空間認識の是非を預け
帰れない過去までも
既に千切れて
場面場面の印象を
大事に手のひらへ落とす
零れるくらいの
いいことなら
それでいい
掬えないそれらに
さよならして
充たす情景を
二重に重ね
もうひとつの視座を得る

あなたの中に何があるのか
わたしも知らない
個々の事
細末の出来事
周る季節の同じではない今回
少しずつ変化を募らせ
見えない速度で
こことそこが同時に在っている
さぞかし賑わい
さぞかし静か
暗喩を曇らせ
心持ちはその周辺を渉猟するだろう
鼻持ちならないものまでも
それはわたしのこと
もしあなたが伝えてくれるのなら
そこまで踏み入れて
領域は更に拡張される
量子の演算で揺れながら佇むのだろう

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