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《所感》

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所感 4

所感 4

何が君を変えたのか、それはわからぬ

しかし、その姿から、言葉にならない思いと来し方とを、手のひらにとる

君は人生にあふれんばかりの愛情をそそいできた

幸福の未来を信じたのだ

ともに、満面の笑みをうかべた

楽しくも美しき人生の瞬間を疑わなかった

なれど、運命の闇は、君の心に影を落としたのであろうか

瞳からあの光は消えていた

そして、袂を分かつように、君は後ろを向いた

ありったけの言

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所感3

所感3

久方ぶりに、あの人と言葉を交わした

その響きから、心配していたのがよくわかる

会話の言葉少なけれど

充分にお互いを理解できた

家に戻ると、部屋に光が映える

印影ある空間にとけ込み

なぜか心から安らいでいく

最近、元気が出ない理由がよくわかった

もうすぐ夏をむかえる

ああ、今日は

日の光を浴びよう

所感 2

所感 2

深淵より湧き、放射状に舞い上がる感覚

凍てつく強張りを解く、豊かな流れ

嵐吹き荒ぶとも、さらなる一歩を踏みだす力が、ふと生まれ出づる

無言の問いかけに、我が生命が応える

烈風をのみ込み、巨大となる力

圧力に屈せず、上まわりゆく熱情

心の平穏を願うも、許されざるか

自由の表現に罪はあるのか

求めざるに群がり来たる反抗の輩

挑戦と応戦の歴史に思いを馳せる

古今に変わらざる栄枯盛衰の

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所感 1

所感 1

悲願を抱き、燃焼し尽せる至誠の心と振舞いは

ついには明らかなる日のもとに、真実なる証明を万里の外より集め

人々は、そのこわばった表情を、屈託なき笑顔にかえゆく

胸奥より湧き出る優しくも豊かな感覚は

円なる全生命に横溢し、次なる一手の勇気にかわる

足元定かでなき過去の断片は、いつしか堅固なる精神の王城へとつみ上げられ

永き労苦の年月は、ひとすじの涙に報われる

手をかざして仰ぐ行く先の土

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