地域、学校、行政で「防災」に取り組む

とっても久しぶりにnoteを書きます。

4月から、部署異動はなかったものの、令和5年度は新規事業が目白押しの年で、自転車操業の慌ただしい3ヶ月でした。

地域住民の方に、「危機管理課、オーバーワークなんじゃないの?」と言われてしまうほどで、ちょっと色んなことをやり過ぎている感がありますが、ギリギリでしがみついてきて、やっと少し落ち着いてきたので、またnoteを再開したいと思います。





今年度は本当に様々な事業に取り組んでいるのですが、大きな取り組みの一つに「住民自治による避難所運営モデル事業」があります。

消防庁の「自主防災組織等活性化推進事業」を活用して行うもので、大規模災害に備えて、「避難所運営」をテーマに、学校区等単位で自主防災活動を実施するモデル事例づくりを行うものです。

モデル地区は長船町の美和地区で、事業実施団体は美和地区まちづくり協議会です。

美和地区まちづくり協議会は、令和5年4月に立ち上がったばかりの団体です。

これから地域で様々な取り組みを行なっていくにあたって、今年は「防災」に取り組んでみたいと、モデル事業の実施を希望してくださいました。



美和地区の皆さんが当初からおっしゃっていたのが、「小学校と連携する」ということです。

危機管理課のモデル事業としては、まずは地域住民の方に防災を意識してもらい、避難所運営に主体的に関わってもらうための知識やスキルを身につけてもらうことがねらいでした。

なので、学校との連携については、正直今回は「学校の体育館を使わせてもらえたらありがたいな」くらいの感じで、ガッツリと学校と連携を図っていくところまでのイメージは当初の段階では持っていませんでした。

しかし、住民の方が小学校の子どもたちにも地域のことを考えて欲しいと願っておられること、そして、学校側もそうした地域の活動に大変協力的で、地域と一緒に協働しながら子どもを育てていきたいと考えておられることから、「地域」「学校」「行政」の三者が連携してモデル事業を進めていく形ができました。

地域の子どもたちが参加する事例はたくさんあると思いますが、今回のように学校側が子どもたちを地域に送り出してくれて、全面的に取り組みに協力してくれるような形はあまり例がないのではないかと思っています。

地域づくりに関わるうえで、やっぱり地域住民の方の意向をしっかりと聞くことが大切だなと改めて感じたし、何より市の取り組みに理解を示してくださっている校長先生・教頭先生をはじめとする美和小学校の方々には大変感謝しています。



先日、7/4(火)に、モデル事業第1回目の取り組みが行われました。

今回は、小学校の1・2時間目の時間に合わせて、5・6年生の生徒と地域の大人の方々が一緒にグループを組み、「避難所HUG」を実施しました。

HUGは、Hinanzyo(避難所)、Unei(運営)、Game(ゲーム)の頭文字を取ったもので、英語で「抱きしめる」という意味も含んでいます。

避難者を優しく受け入れる避難所のイメージと重ね合わせて名付けられたものです。

HUGで使用するカードには、避難者の情報や避難所で発生する様々なトラブルが描かれており、避難所に関する様々な疑似体験ができるようになっています。

講師には、元静岡県職員で、HUGを開発された倉野康彦さんをお呼びしました。



大人と子どもが一緒にグループを組むというのは、チャレンジングで結構不安もありましたが、背中を押してくださった校長先生や、当日に各グループへのサポートをしてくださった担任の先生を始めとする関係者の皆さま、子どもと一緒に取り組んでくださった美和地区の皆さま、そして、美和小学校の子どもたちのおかげで、とっても良い取り組みにすることができました。

子どもたちもしっかりと自分の意見が言えて、大人の方々も話を聞いてくださって、一緒に四苦八苦しながらも避難所運営について考えてもらうきっかけになったのではないかと思います。

地域や学校には凄い力があるなと思ったし、行政にできることなんて本当に小さくて、色んな人に支えられて初めてこうした取り組みが実現するんだなと実感しました。



モデル事業としては1回目の取り組みが終わっただけで、あと3回、研修や訓練を通して地域みんなで避難所運営について考えていきます。

学校区単位で自主防災に取り組む良い事例が作れれば良いなと思っています。

既に、当初想像していた事業の域を遥かに超える素晴らしい取り組みになっていて、僕自身がついていけるか不安ですが、地域や学校の方々の胸を借りるつもりで進めていければと思います。


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