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─外記録アーカイヴ─

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創作をする上での貴重な資料となる記事や企画、試し読みなどをまとめさせて頂いています。有難うございます。
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2021年5月の記事一覧

093.文字に色「共感覚」

Aは黒、Eは白、Iは赤、Uは緑、Oは赤、母音たち、
おまへたちの穏密な誕生をいつの日か私は語らう。

これはフランスの詩人アルチュール・ランボーの「母音」という詩の冒頭です。青空文庫から中原中也訳による出だしを引用しました。私がこの詩に出逢った時の衝撃は大変なものでした。自分以外に文字に色を感じている人の存在を、初めて認識した瞬間でした。私は三十代になっていました。

私の場合、物心ついた時からす

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"人間がいないほうが、世界はずっとすばらしい" ーー児童書SFに込められた願い (大谷真弓さんによる訳者あとがき)

"人間がいないほうが、世界はずっとすばらしい" ーー児童書SFに込められた願い (大谷真弓さんによる訳者あとがき)

早川書房から新たに立ち上がったハヤカワ・ジュニア・SFより、
第一弾『12歳のロボット ぼくとエマの希望の旅』(リー・ベーコン 著、大谷真弓 翻訳、朝日川日和 イラスト)が発売中。
日常がガラッと変わってしまう経験をした今の子供たちに届けたい作品です。SF作品がこどもたちにこそ必要だと思うその理由とはーー?
本書より、大谷真弓さんによる訳者あとがきを全文公開します。

 人間がいないほうが、世界

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