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青春の後ろ姿のその先86 〜銀河鉄道の夜〜

 宮沢賢治が幻視していたイーハトーブや「ほんたうのさいはひ」とはどんなものだったのか、小学生の頃に読んでからずっと心の中にあって、道を歩きながら、あるいは階段を上り下りしながら、テレビを見ながら、ご飯を食べながら、音楽を聴きながら、いろんな時に思いを馳せます。
 美しく、醜悪で、真心からの優しさで、ひどく残酷で、そしていつも冒険があって、そういう宮沢賢治のテクスト群の中で、『銀河鉄道の夜』は、ジョバンニとカムパネルラの深い絆に結ばれた魂の旅が銀河の中で描かれて、何度読んでも本当に素敵です。実に単純な部分で、男の子同士の深い深い友情というと安っぽく聞こえてしまいますが、『銀河鉄道の夜』の最大の魅力のように思います。例えば映画での『ディア・ハンター』、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』、『スタンド・バイ・ミー』、『鉄コン筋クリート』なんかも、私は同じ魅力を感じていて、大好きです。

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