指導者は自分で考えることを放棄させてはいけない

音楽でいうと、プロデューサーがアーティスト側に自分の感覚を押し付けることや、事務所の社長が管理という名の下にタレントのキャラ設定や、メディアでの露出の仕方をコントロールするというのが、大概の今までのやり方だったのですが、それはもう過去のものとなりました。
スポーツの世界でも、体育会系の努力根性的な指導は敬遠されて、今までの指導者が干されるということも起きています。

子育ても同じで、親の価値観を押し付けられた子供は、どこかに歪が生じてバランスを崩していきます。
精神的に病んでしまったり、例えば非行に走るというのも根本にそういう問題があることも多いと思います。
「あなたのためを思っているのだから」という言葉の裏側には、思い通りにしたいという感情があるわけで、子供にとっても嫌だと思うことを受け入れるのは辛いことですから、やはりバランスが崩れていくんです。

指導者や育てる側の役目は、相手の個性を引き出し育てること、自立心を育むことであり、最終的には自立させることが目的です。
子供を自立させるというのは、同時に親が自立することでもあります。
決して依存してはいけないし、依存させてもいけない。

今までの社会の仕組みはピラミッド型の組織が中心で、上が下を管理または支配するというのが一般的でした。
ところが最近はこの仕組みが急速に崩れつつあります。
それは個人が自立して生きていくことを選択し始めたからです。

これからは指導する側も、支配しコントロールすることで管理するのをやめて、それぞれの才能を最大限に引き出し伸ばし、自立させていく方法を学ばなければなりません。

自分で考え行動に移し、検証して修正を加えていくという流れを経験することで人は成長していきますから、指導者を選ぶ時には、威圧的だったり支配したがるようなタイプは避けることです。
それと、「この人なら間違いはない」みたいな思考停止パターンにハマらないようにするです。
それは疑うということと根本的に違います。

「何かおかしい」と感じることは納得がいくまで話し合うことだし、もし指導する立場の人が感情的になって「いいからいうことを聞け」みたいなことはもってのほかです。
実績があるからとか有名だからというのも関係なくて、人としてどうなのかという判断基準をしっかり持っておくことですね。


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