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読書日記~3冊のシンプジャーナル別冊・ベストセレクション(自由国民社)の巻。

 泉谷しげるさんと水道橋博士の「異常な対談」があまりに面白くて、フォーライフ設立時期や、去年CD化されたジャックスのファンクラブ制作のライヴ盤のレビュー等々を読み返したくて引っ張り出したら、まとまって保存用の袋に入れてました。

・「新譜ジャーナル ベストセレクション '70s」(自由国民社)
70年代の「新譜ジャーナル」のベストセレクション。サイズは当時と同じ(B5版)。

 カラーグラビアの最初はやはり吉田拓郎さん。1971年が初出みたいですね。
これからは年代順に1972年はRCサクセション、1974年はGARO 、1975年はフォーライフ発足記者会見、1976年は風、イルカさん、泉谷しげるさん、山崎ハコさん、クリエイションwithパパラルディ、1977年はCharさん、1978年はN.S.P. 、ダウンタウンブギウギバンド、風、五輪真弓さん、オフコース、かぐや姫、1979年は吉田拓郎さん、永井龍雲さん、中島みゆきさん、長渕剛さん、ふきのとう、浜田省吾さん、アリス、井上陽水さん、井上陽水さん・高中正義さん、ツイスト、南佳孝さん、斉藤哲夫さん・宮崎美子さん、RCサクセションという顔ぶれでした。
おそらく発売当時(2003年9月20日発行)の視点も入ってますが、カラーページで紹介される必然性はあったわけですからね(元々カラーページはそんなに多くない誌面構成だったことをここで強調しておきます)。

 早川義夫さんの連載は何回分も再録されていたり、ジャックスの自主制作盤のレビューが掲載されていたりと、やはり早川さんとジャックスは「新譜ジャーナル」にとって特別な存在だったのかな?とか考えてしまいますね。

 小室等さんの記事も割合多くて、「ロック反乱祭を斬る」では休みの国を絶賛していたり(はっぴいえんどには全く触れていないのでした)、「六文銭小史」ではメンバーの変遷、ディスコグラフィーなどがかなり詳細に書かれています。

 RCサクセションも割と再録されていて、初期のRCサクセション時代、『シングル・マン』時代にブレイクしてから『ラプソディー』いや、キティ時代というべきなのかな?
古井戸もデビュー当初から解散ライヴまで取り上げられていますし。

 村八分の記事やレコード・レビューで彼らは絶賛されていますが、レコード・レビューを書いているのは何と!富澤一誠さんでした。
富澤さんはサディスティック・ミカ・バンドも絶賛していたり、この時点ではまだ生きざま野郎ではなかったみたいです。
ま、泉谷しげるさん『80のバラッド』のレビューはちょっと厳しめなように思いますが。

 はっぴいえんど関連も充実してますね。細野晴臣さんインタビューに松本隆さんのエッセイが掲載されてます。
解散からかなり後になりますが、松任谷由実さんと松本隆さんの対談もありますね。

 そして、吉田拓郎さん、遠藤賢司さん、仲井戸麗市さんに加藤和彦さん辺りのベビーフェイスっぷりがすごいです。
あ、佐藤“ケメ”公彦さんやとんぼちゃんもそうですね。
昔の若者は今の若者に比べて、圧倒的におっさん臭いというか、時代のトレンドが年齢より上に見せたいということだったのですね。

・「シンプジャーナル ベストセレクション '80s」(自由国民社)
80年代のシンプジャーナルのベストセレクション。サイズは当時と同じ(A4版)。

 こちらは2003年3月15日発行。つまり「ベストセレクション '70s」より先に出たということですね。

 80年代の初めは70年代後半にブレイクした浜田省吾さん、甲斐バンドやアリスなどをメインに構成していたのが、尾崎豊さんなどのソロ・アーティストやバンド・ブーム中心の構成に移行していってますね。

 大滝詠一さんのブレイクに伴い、ナイアガラヘッドフォンコンサート、ナイアガラトライアングルVOL.2などに周辺の伊藤銀次さんや杉真理さんの掲載頻度も上がっていきます。

 THE ALFEEやStardust Revueはシンプジャーナルでは特別な存在でしたね。他の音楽雑誌との取り上げられ方や、記事の内容も違うように感じていました。

 そして、水道橋博士のツイキャスでお馴染み小山卓治さんも複数回掲載されていますね。
尾崎豊さんに続くブレイクの予感がしていたのですが。。

・「シンプジャーナル別冊 大滝詠一のゴー!ゴー!ナイアガラ 日本ポップス史」(自由国民社)

 1984年7月1日発行。あまりに圧倒的内容です。素晴らしい。
ちなみにこの本を2冊持っていたYO-KINGさんが坂崎幸之助さんに1冊プレゼントしたとか。(NACK5「K's Transmission」より)

 まず、大滝さんと伊藤銀次さん、佐野元春さんとの鼎談でフォーク・ロックについて触れているのは、「ミュージック・ステディ」での佐野元春さん徹底研究とつながりますね。

 中村八大さん、萩原哲晶さん、漣健児さん、湯川れい子さんに井上大輔さんインタビューは日本ポップス史においてかなり重要ですし、ここにも小室等さんが!
小室さんは日本のフォーク史における最重要人物だと思いますが、評価低すぎですよね。

 この3冊は全て、現在入手が難しい状態な模様ですが、日本のフォーク、ロックについて重要な書物だと思います。
せめてゴー!ゴー!ナイアガラだけでも復刊してほしいですね。

 明日はまとめて購入した雑誌が面白かったので、それについて書いてみたいと考えています。あくまで予定は未定ですが。

 ではまたー。


 

 

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