とりとめもなく書き始めてます

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ふたりの10年日記@文フリで買った本②

10年もの期間の日記を読めるの、と思い、 会場に向かう前から購入を決めていた1冊 無限さん『空中ブランコ』を読んだ ふたりでどんな人生を歩んできたのだろう 紙面の上…

佑
8時間前
4

デザイナーさんの日記@文フリで買った本①

鈴木竣介さん『純粋なまなざし』を読んだ という言葉にひかれ、ブースに行くことを決めていて 手に取って、数行読んで、 「ああ、好きです。」と漏れてしまった 日々の…

佑
2日前
6

かってね

解体されて 何もかも風化して だから、賑わいを取り戻した会話 取り戻せない時と関係 その会話に意味はあるの 残っているのは結局 あの忌まわしい記憶と愛おしい光景だけ…

佑
4か月前
4

この道は東西に走っている

もうすぐどこも濃く染まる 歩いてきた方は暗い、前を向けば明るい 藍と橙が、混ざりあって弧を描く どちらを向いてきたか分からなくなったとして だとしても

佑
4か月前
2

よいお年を

よいお年を それは 臆面なく、ひとの明るい先を願えることば もう今年は会わない約束をすることば 別々に時を刻むから伝えることば 年末の華やぎのなかで受け取った …

佑
5か月前
1

愛か何か

ひとの、そのままの形をやわらかく抱きとめ合える わたしはそれがうれしい さらけ出すことではなく さらけ出させることではなく あなたがくれたあなたを知るよ ただ少し…

佑
5か月前
3

知らない花

この小さくて白い花を、なんと名付けようか わたしのなかには名前がないから その見た目にも香りにも手触りにも 私にもたらされた変化にも うちに届くもの全てを伝えたい…

佑
7か月前
2

君をみている耳

ぺたぺたぺた 聞こえなくなるまで そばだてる耳 もう1階に着いたかな

佑
9か月前
3

本屋に夏が来た

課題図書、自由研究の文字が踊る わくわくが詰めこまれた本棚 冷房のきゅっと効いた店内 本たちの匂いを全身で受け取るための風 日がな一日、畳の上で本を読んでいた記憶…

佑
10か月前
5

夏の過ごし方

3年前のタンスの中に夏の過ごし方を忘れてきた 着るべき服が見つからない 暑い日のかったるいながらも、わくわくする感覚 空を割く花火や雷に魅入られ、どきどきする日々 …

佑
10か月前
2

お酒の飲み方が分からない

ひとりで飲む場合 どんな表情で飲むのか、取り繕ってしまう ふたり 飲まずにいられる関係を求めてしまう 3人 飲むペースを誰に合わせるか迷ってしまう 4人 まだ全員で話…

佑
11か月前
3

帽子があれば

通りすがりに すしざんまい! その調子に乗って、店前の人形とハイタッチすら 隠れ蓑のおかげでできる冒険

佑
11か月前
2

宇宙人が見てはいけないもの

銭湯のお湯が熱すぎる 唯一浸かれた足は真っ赤になってる でも、隣のおばあちゃんはとても気持ちよさそうなの 負けじと2度目の挑戦。肩まで浸かる 途中、背中がどうし…

佑
11か月前
5

世界でいちばん楽しそうだった人

小花柄のワンピースを着て 外堀通りでロードレースをしていた 全ての人を抜き去り両手を天に仰いだ 三輪車に乗る少女のようで 大道芸のピエロのようで 友達になろうよ、…

佑
11か月前
3

おさかな屋さんの隣に本屋さんがあったらどうしよう

おさかな屋さんより大きな声の本屋さんはいるのかな 今日は新鮮な鯵がはいったよー!やすいよ、やすいよ! の、声に打ち消されて、ブックカバーをつけてもらえないの 今…

佑
1年前
4
ふたりの10年日記@文フリで買った本②

ふたりの10年日記@文フリで買った本②

10年もの期間の日記を読めるの、と思い、
会場に向かう前から購入を決めていた1冊

無限さん『空中ブランコ』を読んだ

ふたりでどんな人生を歩んできたのだろう
紙面の上段には女性、下段に男性の日記が綴られていく

途中、現実ではなくあってくれてと祈るような気持ちになり、安心したくて読み急ぐ

読み終えて、調べて、小説だと気づいた
それくらい、ある、物語だった

日記の書き方に、それぞれの癖が出てい

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デザイナーさんの日記@文フリで買った本①

デザイナーさんの日記@文フリで買った本①

鈴木竣介さん『純粋なまなざし』を読んだ

という言葉にひかれ、ブースに行くことを決めていて

手に取って、数行読んで、
「ああ、好きです。」と漏れてしまった

日々のできごとがやわらかく書かれていて、
それなのに何かとつよく向き合ってきたむかしがあるような深さがあって、好き

わかるなーとか、すきだなーとか、うう、しんどい、と思いながら読んだ

中央揃えの余白たっぷりな紙面がよく似合う

すてきな

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かってね

かってね

解体されて
何もかも風化して
だから、賑わいを取り戻した会話
取り戻せない時と関係

その会話に意味はあるの

残っているのは結局
あの忌まわしい記憶と愛おしい光景だけだよ

この道は東西に走っている

この道は東西に走っている

もうすぐどこも濃く染まる

歩いてきた方は暗い、前を向けば明るい

藍と橙が、混ざりあって弧を描く

どちらを向いてきたか分からなくなったとして

だとしても

よいお年を

よいお年を

よいお年を

それは

臆面なく、ひとの明るい先を願えることば

もう今年は会わない約束をすることば

別々に時を刻むから伝えることば

年末の華やぎのなかで受け取った

冬の静けさのなかで押し込んだ

愛か何か

愛か何か

ひとの、そのままの形をやわらかく抱きとめ合える
わたしはそれがうれしい

さらけ出すことではなく
さらけ出させることではなく
あなたがくれたあなたを知るよ

ただ少し欲ばりたい時は
綿毛がふわっと飛びたつ時のように言葉を交換しよう
そよ風を送るよ、強すぎてしまわないように
ただ、心が届くように願って

昨日、あなたと描いた輪郭が
今日と明日を通りすぎて変わっていったとしても

変わらなかったとして

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知らない花

知らない花

この小さくて白い花を、なんと名付けようか

わたしのなかには名前がないから

その見た目にも香りにも手触りにも
私にもたらされた変化にも
うちに届くもの全てを伝えたい

名前をつけて心に留めおきたい

そう願っても怖い

あったはずのものがなくなり、
なかったはずのものが生まれるから

いつか、あるままをそのままに受け取って
無名のままであなたに伝えられるように

時には気ままに名付ける遊びもでき

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君をみている耳

君をみている耳

ぺたぺたぺた
聞こえなくなるまで
そばだてる耳

もう1階に着いたかな

本屋に夏が来た

本屋に夏が来た

課題図書、自由研究の文字が踊る
わくわくが詰めこまれた本棚

冷房のきゅっと効いた店内
本たちの匂いを全身で受け取るための風

日がな一日、畳の上で本を読んでいた記憶
太陽があり、夕暮れがあり、読めなくなる文字があった

今日もまた、やるべきことを夏の終わりに持ち越そうとしている

夏の過ごし方

夏の過ごし方

3年前のタンスの中に夏の過ごし方を忘れてきた
着るべき服が見つからない

暑い日のかったるいながらも、わくわくする感覚
空を割く花火や雷に魅入られ、どきどきする日々
新緑の満ち満ちた世界の広がり

全身で浴びる夏を知ってる

お酒の飲み方が分からない

お酒の飲み方が分からない

ひとりで飲む場合
どんな表情で飲むのか、取り繕ってしまう

ふたり
飲まずにいられる関係を求めてしまう

3人
飲むペースを誰に合わせるか迷ってしまう

4人
まだ全員で話せる人数なので飲む暇を失してしまう

5人とそれ以上
話に困って手持ち無沙汰に飲み続けてしまう

お酒の飲み方が分からない。嫌いじゃないのに

帽子があれば

帽子があれば

通りすがりに

すしざんまい!

その調子に乗って、店前の人形とハイタッチすら

隠れ蓑のおかげでできる冒険

宇宙人が見てはいけないもの

宇宙人が見てはいけないもの

銭湯のお湯が熱すぎる

唯一浸かれた足は真っ赤になってる

でも、隣のおばあちゃんはとても気持ちよさそうなの

負けじと2度目の挑戦。肩まで浸かる

途中、背中がどうしてか痒い、もぞもぞとする

熱いはずなのに感覚が溶けて、冷たい気がしてくる

なぜか中毒。気付いたら5回も茹でられていた

1度いけるぞと知ったら、止まらない

宇宙人にこのシーンを見られてはいけない

異星に招待された時、歓待とし

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世界でいちばん楽しそうだった人

世界でいちばん楽しそうだった人

小花柄のワンピースを着て
外堀通りでロードレースをしていた

全ての人を抜き去り両手を天に仰いだ

三輪車に乗る少女のようで
大道芸のピエロのようで

友達になろうよ、言う頃には走り去っていた

おさかな屋さんの隣に本屋さんがあったらどうしよう

おさかな屋さんの隣に本屋さんがあったらどうしよう

おさかな屋さんより大きな声の本屋さんはいるのかな

今日は新鮮な鯵がはいったよー!やすいよ、やすいよ!

の、声に打ち消されて、ブックカバーをつけてもらえないの

今日はもうぜんぶ売れちゃってねー!

と、共に降り注ぐホースからの水が本にはねちゃうの

おさかな屋さんと本屋さん、街に在り続けてほしいのに

隣り合ったらどうしよう

見つけたら教えてください