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ウォーターバッグの威力


📖 文献情報 と 抄録和訳

アスリートにおける安定および不安定負荷運動中の大腿四頭筋および中臀筋の活動。横断的研究

📕López‐de‐Celis, Carlos, et al. "Quadriceps and gluteus medius activity during stable and unstable loading exercises in athletes. A cross‐sectional study." Journal of Orthopaedic Research® 42.2 (2024): 317-325. https://doi.org/10.1002/jor.25680
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[背景・目的] 本研究の目的は、ウォーターバッグを用いた様々な筋力および安定性エクササイズ中の内側広筋、外側広筋、中臀筋の筋活性化をサンドバッグと比較して評価することである。

[方法] 機能解剖学研究室において横断的研究が実施され、サンプルは28名のアスリートから構成された。主なアウトカム指標は、表面筋電図(従属変数)、ウォーターバッグとサンドバッグ、エクササイズタイプ(独立変数)であった: 等尺性シングルレッグスタンス(ISLS)、ワンレッグデッドリフト(OLDL)、フロントラックフォワードランジ(FRFL)、ラテラルランジ(LL)。

[結果] 反復測定分散分析(ANOVA)により、内側広筋の二乗平均平方根(RMS)(F = 14.198, p < 0.001, ↪Ll_2 = 0.35)、外側広筋のRMS(F = 24.374, p < 0.001, ↪Ll_2 = 0.47)、内側広筋のRMS(F = 27.261, p < 0.001, ↪Ll_2 = 0.50)において、有意な群×時間の交互作用が認められた。群間分析では、中臀筋RMSにおいて、ISLS:ウォーターバッグ28.5±15.8、サンドバッグ20.8±12.6 (p<0.001, ŋ = 0.08)、OLDL:ウォーターバッグ29.7±13.3、サンドバッグ26.5±13.1(p<0.001, ŋ = 0.01)で統計学的有意差が認められた。ISLSの外側広筋:ウォーターバッグ30.4±37.6、サンドバッグ19.0±26.7(p < 0.001, ŋ = 0.03)。内側広筋では、ISLS:ウォーターバッグ14.2±13.0、サンドバッグ7.0±5.6(p < 0.001, ŋ = 0.12)、OLDL:ウォーターバッグ21.5±16.9、サンドバッグ15. 5±10.7サンドバッグ(p = 0.002, ŋ = 0.04)、LL:51.8±29.6ウォーターバッグと54.3±29.3サンドバッグ(p = 0.017, ŋ = 0.00)であった。

[結論] これらの結果から、ISLSエクササイズとOLDLエクササイズでは中臀筋と内側広筋が、ウォーターバッグISLSエクササイズでは外側広筋が有意に活性化されていることが確認された。しかし、内側広筋はLLエクササイズでより大きな活性化を示した。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

最近、アスリートへの介入動画などでウォーターバッグをよく目にしてはいた。
とても興味はあったのだが、執筆者はウォータバッグに触れたこともない素人である。
今回の研究によって示されたのは、特に片脚立ちなど静的な課題において、ウォーターバッグは威力を発揮する可能性がある、ということだ。
もしかしたら、アスリートではなくても、高齢者のバランス介入にとっても有益かもしれない。

そして、原理はただ水が入っているというシンプルなものなので、安価に実用化が可能という点も魅力だ。
ウォーターバッグ、興味がある。

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