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経済崩壊を齎す「エンジン禁止」

「急ブレーキかかった欧州「2035年EV化法案」。日系メーカーの「二正面戦術」は正しかった」
(BUSINESS INSIDER JAPAN/土田陽介)


 昨今、気候変動人為説というカルト宗教に基づく、クレイジー極まり無い愚策が横行しているが、欧州委員会が推し進めるICE排除もその1つである。

 今世紀中に現在新車販売されている自動車を全て、電気自動車か燃料電池車などのゼロエミッション車に置き換える事は可能か?それは絶対に不可能である。
 何故ならゼロエミッション車は、エンジン搭載車の経済効果無くして存続出来ないからである。
 例えば、電気自動車専門メーカの収益源は何かと言えば、電気自動車とCO2排出クレジットの販売であるが、その実態はどの様なものか。
 まずは電気自動車だが、国によっては100万円を超える様な補助金無しに、販売台数と利益率を維持する事が出来るだろうか。
 次にCO2排出クレジットだが、これはエンジン車の製造が禁止されれば消滅する。

 「ゼロエミッション車しか売られていなければ、皆そちらを買うだろう」
 成人していながらこの様に考える者は、人間失格の烙印を押されかねない程、想像力が欠如している事を理解しなければならない。
 莫大な補助金が出てそれでも尚、「思った程普及しない」のがゼロエミッション車である。
 補助金の源泉は税金である。莫大な補助金政策を維持するには莫大な税収が必要であり、莫大な税収は経済力無くして有り得ない。
 ここで、補助金無しでも売れる製品を規制で潰し、補助金無しには売れない製品へ強引に転換させたらどうなるか。得られる筈だった経済効果が消滅し、税収が減る傍で、支給しなければならない補助金は爆増する。
 当然、補助金は減額されるか廃止である。
 その上、ゼロエミッション車専業メーカの延命に一役買っていたCO2排出クレジットも無くなるので、製品自体の価格も上がる。

 この様な事態になって、何が起こるか。
 先ず、新車でクルマを購入出来る人の絶対数が減る。
 次に、自動車メーカが現在の生産規模を維持出来なくなり、部品メーカまでその様な状態が波及する。
 そうすると、自動車メーカや部品メーカは雇用を維持出来なくなり、設備投資どころか、既存設備の維持管理すら覚束なくなる。
 後はドミノ倒しの様に、ありとあらゆる業種に同じ状況が波及する。
 社会全体の経済力が減退するという事である。
 そうなれば、更にクルマを購入出来る人が減る。
 恐らく、本当にエンジン禁止などという事態になったら、クルマの生産台数は今の10分の1以下になるのではないか。


 前置きが長くなったが、引用した記事について幾つか解説しておきたい。

 執筆者の土田とかいうバカ。この様な、上述した様な大前提を理解しない、或いは意図的に隠蔽しようとするバカを野放しにしてはならない。
 バカはバカでも、狡猾なバカというのは要注意である。
 特に注意しなければならない部分を抜粋してみる。

e-fuelは再エネ由来の水素を用いた合成燃料のことだ。(中略)製造効率が悪いため、生産コストが高くつくという問題を抱えている。

出典:バカの土田曰く

 それは電気自動車や燃料電池車も同じ事である。
 寧ろ、既存のガソリンスタンドといったインフラを活用出来、バッテリーや燃料電池よりも圧倒的に低コストで製造出来るエンジンの方が、経済性では有利である。
 まぁ、2035年時点で燃料をカーボンニュートラル化すると言っている時点で、カレー味のウンコか、ウンコ味のカレーを比べる様なモノだが。

ショルツ連立政権に参加する自由民主党(FDP)は、親ビジネスの立場からe-fuelの利用を重視する。

出典:バカの土田曰く

 そもそも、「親ビジネス」じゃ無い政党というのが在って良いのだろうか。良い筈が無い。
 政治の役割とは、自由闊達な経済活動を維持する事であり、その自由を脅かす要因から人と社会を守る事である。
 親ビジネスじゃ無いという事は、例えば気候変動人為説の様なカルトをプロパガンダによって正しいかの様に見せかけるなどし、経済活動に制限を掛けるという事に他ならない。

 因みに、何故に e-fuel 限定なのか。
 バカの土田はFDPを「親ビジネス」などと書いているが、全然「親ビジネス」じゃ無い。
 FDPが本来やるべきは、気候変動人為説を嘘と断定し、決然と脱・脱炭素を宣言する事である。
 それを目指さないFDPに、政治団体を名乗る資格は無い。

引き続き、フォン・デア・ライエン委員長は説得を試みている。なぜならば、ドイツが賛成に回らない限り、閣僚理事会で2035年EV化法案が承認されないためだ。

出典:バカの土田曰く

 その様な法案が成立したら、欧州は本当に終わる。あれだけ多くの先進国を束ねる欧州が終わるという事は、中国やロシアの様な極悪国家と対峙する西側諸国にとって、致命的な打撃となる。
 超法規的な手段を用いてでも、法案の成立は阻止しなければならない。

問題はドイツ以外にもこの法案に合意していない国があることだ。

出典:バカの土田曰く

 全く違う。合意してはならないのである。
 問題なのは、この様な法案を成立させようとする欧州委員会や、それに合意する政権が存在する事である。

まずイタリアが、この2035年EV化法案に反対している。(中略)雇用が失われる恐れがあるため、EVシフトは慎重に行うべきだというのがメローニ政権の立場だ。

出典:バカの土田曰く

 昨今、多くのメディアがイタリアの現政権を「右派」だとか「極右」などと表現する。
 「右派」「極右」
 これは、左翼メディアが政治を批判する際に用いる常套句であるが、メディア各社がこの様な形で何処かの国の政治を批判し始めた場合、「何かあるぞ!」と気が付かなければならない。
 端的に言って、現イタリア政権は欧州の中では希少な、割とまともな政権である。これに関しては書き始めると長くなるので、また別の機会に譲りたいと思う。
 一点だけ指摘するなら、左翼メディアはメローニ首相をファシストと報じるが、左翼が言う「ファシズム」は、単に保守や右翼を貶める為に持ち出すだけの言葉に過ぎない。「アホ」とか「バカ」と同じレベルで使っているだけという事である。
 その様な報道に惑わされてはいけない。

 因みに、イタリアの他にはポーランドも法案に反対、ブルガリアは採決を棄権すると表明している。
 何れも正しい判断である。

2035年EV化法をめぐってこうした経済重視派と環境重視派の論争が繰り返される最大の理由は、欧州委員会による調整不足にあるのではないだろうか。

出典:バカの土田曰く

 2035年などという直近の未来にエンジンを排斥するなどという曲芸が不可能なのは、冒頭で述べた通りである。
 不可能な目標を押し通すのに、調整不足もクソも無い。

世界的メガトレンドであるEVシフト

出典:バカの土田曰く

 スマホが普及するにあたり、政府は何らかの優遇策を講じたか?誰もが知る通り、政府は何もしていない。だが、スマホは爆発的に普及した。
 こういうのを「メガトレンド」と言う。
 EVはどうか。これも冒頭で述べた通り、補助金を出しても尚10%かそこらでうろついている。メガトレンドどころか、意識不明の重体で点滴やら呼吸器やらが取り付けられていて、無理矢理延命させられているのがEVである。
 順調に普及しているというなら、今すぐ全ての優遇策を取り払うべきである。

EVの増産も図りつつ、HVやPHVといった電動車の道も追及するという日系メーカーの二正面戦術は、やはり現実的な解だったということではないだろうか。

出典:バカの土田曰く

 日系メーカだけでは無い。ステランティスやボルボは欧州自工会の余りに弱腰な態度に愛想を尽かし、脱退してしまった。
 ステランティス会長のカルロス・タバレス氏はこう言っている。
 「現在のEVシフトは政治家が選んだもので、自動車メーカーや消費者が選んだものではない」
 彼の主張は、製品のトレンドは政治では無く市場が作るものだという事である。豊田章男氏が言っている事と何ら違いは無い。

 正気なのは何も、日本メーカだけでは無い。
 海外の自動車メーカにも、狂っていない人達は沢山いる。寧ろ、狂っている人達の方が圧倒的に少ない。
 その様な「真実」を報道せず、プロパガンダばかりを垂れ流す左翼メディア共の、何と醜悪な事であろうか。


※補足①

 ゼロエミッション車の価格を見ると分かるが、軽自動車ですら、補助金無しなら車両本体価格で200万円超である。反日主義者が「中国の60万円EV!」と騒ぐが、日本でコレばかりが売れる事態になれば、日本の自動車メーカは壊滅である。
 何故に中国の企業がその様な製品を作れるかと言えば、日本では有り得ないくらい、政府が一般大衆から搾取して企業を優遇するからであり、人権侵害も辞さない手法でコスト低減を図っているからである。
 前者は明確なWTOのルール違反であり、後者は人間としてのルール違反である。
 日本政府は何の対策も取るつもりが無い様だが、中国製の自動車は輸入禁止にしなければならない。
 それをやって良いだけの論拠は充分に整っている。

※補足②

 中国で自動車を製造・販売するには、バカ高い関税を受け入れるか中国の企業と合弁会社を設立するしか無い。しかも、その合弁会社の株式を外資側は49%以上持てない。
 また、中国で電気自動車の優遇策を受けるには、中国製のバッテリーを使わなければならない。
 どちらも無茶苦茶なルールである。
 日本政府は中国製の自動車を輸入禁止にしないなら、中国のメーカに日系企業が中国でビジネスを展開するのと同じルールを飲ませなければならない。

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