啓蟄 * お供えのフルーツが芋にかわる頃
咲き始めた桃の花を、つがいのひよどりがあちこちつついて、花びらがぱらぱらと落ちてくる。彼らはヒーヨヒーヨと通る声で盛んに喋るのですぐ分かる。この声が聞こえ出すと、神様への果物のお供えがしばらくの間、芋類に変更になる。
なぜかというと、雑食で比較的体の大きいひよどりは、神様にお供えした果物をあっというまに食べてしまうからである。夏みかんなどの柑橘類は中身をくり抜いたようにきれいに食べられ、りんごも彫刻家が削ったように細くなっている。そして彼らは食べながらふんをするので重要文化