マガジンのカバー画像

2018 詩集 「名は時の中にある」

59
すべて自筆の トップのお写真はどなたかの こらぼれいしょん、これでないと そんな態度で、言葉と向き合っていきたい 2018を綴っています。
運営しているクリエイター

記事一覧

憂鬱

澄み渡る夜よ 遠退く暁に 揺れる声よ いつの刻か再開は廻ると 根拠も無く主張した 夜よ 何…

comuichi.
5年前
3

黒猫と夕

確かな感触は私には在る まだ留まる場所は 要らない 依存ではなくて 理想ではなくて 流れた血…

comuichi.
5年前
4

神経と衰弱と混濁と連環と

僕らが嘘つきなだけで 誰もが嘘つきじゃない だからと言って 殺しちゃならない でもねと言っ…

comuichi.
5年前
5

朗読 呼吸

彩を様々にまとい 街は今、呼吸をする。 その移り変わりに 星の数ほどの物語が生まれた。 時…

comuichi.
5年前
7

H.A.L.F.

なぞっていくばかりの生き方しか知れなかった 遠ざかる陽の陰ばかり追いかける日々だった 振り…

comuichi.
5年前
3

青い朝

雨が通った跡を 僕らは何も知らないまま 歩いている。 雨が通った跡を 僕らは何も感じないま…

comuichi.
5年前
6

壊して その軽率な愛撫が触れたこと すべて 許して この従順な鼓動が告げたこと すべて いっそ財を投げ打って取り上げてしまおうか この世の理に牙を立てて 胡坐かいてる様じゃ 笑い種にもなれやしない ほだされて 裸になって 無様に這いつくばって そう。 あなたは あなたは紳士ではないのだから 咄など聞いてもらえるなどと 思わないことさ 生かして 吐き棄てた意味のなかで 真っ白になるよう 啄んで 汚れを拒むように強く 強く 強く 『手』

遺言:美しい。世界

2013年5月28日 美しい。の判断基準は常に文化に内在する そして文化とは時代と共に変遷し、…

comuichi.
5年前
8

魚の骨

いつかの嘘が言葉に胸に突き刺さる 確か、拭い去った。どうやらそれは つもり、だった。 軋ん…

comuichi.
5年前
7

re

この話は単純な結末を迎える この単調な世界の端で僕らは今まさに死ぬ 本当さ、嘘にしたけり…

comuichi.
5年前
5

こんな歌があればいい。

気だるい午後の始まりは 酒臭いお月さんとの談笑 寝ぼけた時計が仕事を怠けたせいで 今また夢…

comuichi.
5年前
16

うなだれる柳の、その弄ばれる葉に

誇らしげに笑うと 光と影の 崩れる音が聞こえた。 随分と 一度限りの主役をやり過ごしてしまっ…

comuichi.
5年前
5

ポラロイドカメラ

お前によく似た背格好の女を見たよ でも俺は振り向いたりしなかったよ そう 決して振り向い…

comuichi.
5年前
5

I & night & full moon fish.

どこからか湧きあふれ どこへとなく渇いていく月色の泉 物語の種を摘みに 今宵も男の子が独り うまれそだったまちには なにも、ふじゆうしなかった ほしいものは、なんでももらえた 「あたりまえのことじゃないか、つまらない」 そんなくちぐせの 少年が独り たいくつしのぎを、さがしに じゆうきままに、あるきまわることが 少年の、まいにちのにっか、になった そんなまいにちのなかのひとつ 少年はふと じぶんのたっている「ここ」をかんがえた 「ん」 じゆうきままに、ぎじゅつがせいちょ