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読書57 『億男』

   川村元気著

 一男は日中は図書館司書として働き、夜はパン工場で働いている。離れて暮らす妻と娘、二年前に、弟が三千万円の借金を残して失踪したのだった。

 もらった商店街の福引の券で、宝くじの十枚が当たった。娘のために自転車を狙っていた一男は、がっかりするが、その時の宝くじが当選していのである。三億円。
 いきなりの大金に恐ろしくなった一男は「宝くじ 当選者」で検索してみた。過去に当選したひとの人生を辿ってみるが、ネガティブワードが並んでいた。
 そこで一男は、大学時代の親友の九十九を訪ねた。九十九は大学を辞めて起業をし、成功して資産があるという。一男はお金のことをちゃんと知ろうと思った。

 九十九に言われるまま、一男は三億円を現金にする。
 ところが、その三億円と九十九が、忽然と姿を消したのだった。

 一男は九十九の行方を知るための手がかりを探そうと、九十九と一緒に起業をした三人のことを調べた。九十九たちの会社は、大手の通信会社から出た買収話に応じたため、それぞれが別の人生を歩んでいた。
 一男は、その一人一人を訪ねていき、話を聞くことにしたのだった。
****************
 一男は借金のせいで妻子と離れて暮らさないといけないと思っていました。でも、妻の方はそうではないようでした。

 一男のお金を持って、なぜ九十九は姿を消したのか。
お金とは何か。大切なものは何かを気づいていきます。

 単純に、三億円も当たって借金を返したら、家族が一緒に住めて元の生活に戻れるんだと思いましたが、そういう話でもなかったようでした🥲

 「九十九と一男を足して百」という設定が、おもしろいです。
 自分にとって何が一番大切なのかを、忘れてはいけないなぁと思いました。

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