あなただけ、私だけ

ごめんなさいね出られなくて
ベルが鳴ってるのは知ってたわ
だけどこの子があんまり泣くから
お乳をあげないわけにはいかなかった

ごめんなさいねケチで
不景気なのは知ってるわ
だからこんなに節約してる
あなたはいつもあるだけ遣う

私は何でも知ってるの
あなたに関することならば
隠れて誰かと逢ってることも
本当は弱いのに無理してることも

なのにもっと知りたくなる
私だけがあなたのことを

ごめんなさいね的外れで
あなたが賢いのは知ってるわ
だけど私は感覚で生きてるから
正論ばかり言われても分からない

私は何でも知りたいの
あなたに関することならば
子どもの頃に憧れたスターや
諦めてしまった想いについても

幾ら知ってもまだ足りない
私だけがあなたのことを

あなただけは打算で生きて
私だけがいつも捨て身
あなただけ、私だけ
全く口癖のように

あなただけ、私だけ
ひとり言のように









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ほろ酔い文学

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