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数学系エッセイ

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自分のエッセイの中から数学・統計学系の記事をまとめました。
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記事一覧

割合「%」を正確に読みとく

割合「%」を正確に読みとく

服屋さんに行くと、セール時期などにはこういう表記がよくある。

で、服の値札を見てみると、いくつかの商品は半額、つまり50%OFFになっている。

僕はこの表記にいつも違和感を感じる。

「30%OFFからさらに20%OFFする」というのは、

$${(1-0.3)×(1-0.2)=0.56}$$

となるので、本当は44%引きになるのだが…。

まぁそんなことを店に伝えて6%分損するのも何なので

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すべての自然数は等しい?

すべての自然数は等しい?

さて、今回はみなさんに驚愕の事実をお伝えしようと思う。

なんと、「0とすべての自然数は等しい」のである。

「何をバカなこと言ってるんだよ」と思う方。
では、実際にそれを証明してみよう。

まず、

$${x = 0}$$とおく。

これを両辺、二乗すると、

$${x^2 = 0^2 = 0 = x}$$

となり、

$${x^2 = x}$$

が導かれる。この両辺を$${x}$$で割ると

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「公理」という概念を日常の中に取り入れてみる

「公理」という概念を日常の中に取り入れてみる

数学をやっている人ならばよく知っているだろうが、数学には「公理」というものがある。

公理とは、最初から与えられている最も基本的な仮定のことである。

数学における公理は、
・平行でない二つの異なる直線はただ一点で交わる
・a=b なら、a+c = b+cである
・2つの点が与えられたとき、その2点を通るような直線を引くことができる
などが有名である。

さて、なんとなく難しそうな気もするが、公理

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「おみやげ算」の仕組みを数式で表して考察してみる。

「おみやげ算」の仕組みを数式で表して考察してみる。

今、テレビで何かと取り上げられがちな「おみやげ算」。
19×19までのかけ算を暗算でするための方法である。

知らない人のために、簡単にやり方を説明すると…

例:15×17
○手順1
片方の一の位の数字をもう一方の数字に加えて計算する
15×17 → (15+7)×(17-7) → 22×10 = 220
○手順2
それぞれの一の位を掛け算する
5×7=35
○手順3
手順1と手順2で計算した

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-10÷3 の商と余りは?

-10÷3 の商と余りは?

最近、数学を学び直しているのだけど、「ヘェ〜」と思った問題をひとつ。

タイトルにある、

という問題。

さて、すぐに答えが浮かぶだろうか?

小学校の計算問題だと思いきや、意外と引っかかってしまった。

というのも、例えば「10÷3」であれば

と答えればいいので何の問題もないのだが、
「-10÷3」となると、少し勝手が変わる。
単純に

と書きたくなるのだが、「ん?余りがマイナスってどういう

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数学を諦めた僕

数学を諦めた僕

先日「世にも美しき数学者たちの日常」という本を読んだ。
非常に面白い本だったのだけど、個人的にはかなり思うところが大きい本だった。

高校生の時の僕はとにかく数学が1番得意だった。数学だけは全国模試でかなり上位を取ることもしばしばあったし、大学の試験も他の科目の得点を数学で補えたのは間違いない。
10代の僕はかなり数学に恩恵を受けていた。

しかし、大学に入ると、数学が格段に難しくなってしまい、な

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「『読書量』が多いと『収入』が高くなる」という話を疑って考える

「『読書量』が多いと『収入』が高くなる」という話を疑って考える

「読書量が多い人は収入が高い」という話をよく耳にする。

僕個人としては、読書がそのまま収入に直結するなんて「そんなわけない」と思っているし、こういう話があると、読書をしている僕を「収入を高くしようとしている意識高いやつorイタイやつ」なんて目で見てくる人もいる(実際にそんな嫌味を言われた)ので、あまりこの話を好意的には思っていない。

もちろん、読書は色んな知識や考え方が身につくので、非常に有益

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