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弱者の勉強法 ~不利な状況をスキルアップで乗り越える~

資格試験の勉強法を尋ねられることが多いので、まとめてみました。
 
前半に資格試験やスキルアップに対しての取り組み方、後半に社会保険労務士試験の具体的な勉強法を書いています。
 
僕自身がなにも取り柄のない人間なので、「弱者の勉強法」と銘を打たせてもらいました。
難病患者、障害者だけでなく、心に傷を抱えている人、環境に恵まれない人など、「今を変えたい」と思っている人たちのヒントになったら、うれしいです。
 

1度の試験で合格しようと思うな!


まず、難病患者、障害者の資格試験への挑戦はこの一言に尽きます。
1度ですべてができると思うとモチベーションが続かなくなると思います。
 
 
勉強は、短期より長期に計画していくことが何より大事です。
 
 
勉強の期間中、僕はクローン病の症状で1ヵ月のうち1週間くらいは高熱でダウンしていました。
ですから、短期の勉強計画だと、やらなきゃいけない課題が山のように積み上がっていき、焦りも感じました。
歌謡曲のような数え切れない「3歩進んで2歩下がる」の繰り返しで、自分の不甲斐なさに苛立ちを覚えることも多かったです。
 
僕は自分の病気との向き合い方として勉強を長期の計画にせざるを得なかったというのが正確なのかもしれません。
例えば、社会保険労務士試験の場合だと、できるだけ学習の無駄がなくなるように。点数にすぐに結びつかなくても法改正の少ない基本的な法律事項から最初に学習していくように心がけていました。時事や法改正は試験に近くなったら学び、数年かけて全範囲が終わるように計画しました。
 
まずは自分に合った学習ペースを見つけてください。
少しずつ、確実に課題をクリアしていくほうがいいと思います。
 
それぞれの苦難があるはずです。
 

このように。
 
 
 
どんな挑戦でも、難病患者、障害者は「-50」からのスタート
 
 
 
まずは、自分のハンデの「-50」を「0」に戻す作業が絶対に必要となります。
 
 
「-50」を「0」にできて、やっと、みんなと同じスタートに立つことができるんです。
資格試験でも就労でも、健康な人は「0」からのスタート。
だけど、難病患者、障害者は一般の人と同じ成果を出そうと思うと、この「-50」を「0」に戻す余計な作業がどうしても必要になるのです。
いじめを受けて心の傷がある人、過去にトラウマがある人、恵まれない環境の人も同じだと思います。
 

「0」からのスタートの人には、なかなか理解してもらえないことです。
ここに理不尽さがあるんだと思います。
 

このことは僕も身に沁みていて、大きな負担で、苦しいと感じるのですが、どうにもならない。
みんなの「-50」のスタートの負担を減らしていくことが僕の社会保険労務士としての命題でもあるかなと考えています。
 
 
ですから。
困難を抱える人は「-50」からのスタートであるということだけを念頭に置いてください。
 
 
時間がかかるのは当たり前です。
 
 
どんな資格試験でも、1年かけて合格しようが、5年かけて合格しようが、10年かけて合格しようが、合格は合格です。みんな同じ価値です。
 
童話「ウサギとカメ」では、ゆっくりとカメは勝利を収めました。
勝ってしまえば、勝者はウサギかカメかなんて些細な問題のような気がします。
合格しちゃえば、早かろうと、遅かろうとみんないっしょ。
 
 自分のペースを大事にしてください
 

努力もやっぱり必要


僕は、スキルアップに努力は必要だと思っています。
 
ただ、毎日、「100」の全力の努力は必要がない。
そんなことしたら、疲れちゃう。
 

日常で、自分の中の「25~30」の努力を継続すること。
日々の中で、少しずつの自己研鑽がいいかなって。
 
それが困難を抱える人には、効率的な努力の仕方だと思います。
 

努力は、スキルの向上だけでなく、目標を達成することで自己肯定感も上げてくれます。
ただし、必ずしもすぐに結果がでるものではないとも思います。
 
例えるなら、スマホゲームの課金ガチャのようなもの。
 
努力ガチャは、努力をすればするほど、「成功」を引き当てる確率を上げてくれる。
だけど、100%「成功」を引き当てるわけではない。
がんばっても、ハズレがある。
逆に、努力をしてない人にも、たまに「成功」の当たりを出してしまう。
 
すこし不条理なものなんだと思います。
 
だからと言って、努力のすべてを否定してしまうのも違うかな、と。
 
能力は、伸びる時期と伸び悩みの時期を交互にくり返しながら伸びるものだと思います。
学習曲線などと言われますが、一直線に伸びるわけではないから、努力の反復も必要になります。
 
結果がでないからと最初から諦め、挑戦しないのはもったいない。
 
右肩上がりの直線では伸びないけど、能力は紆余曲折しながら伸びていきます。
 
失敗を繰り返しながら、人は成長します
 
毎日を楽しみながら、少しの努力を重ねていくことがいいと思います。

「やりたいこと」より「できること」を探そう


僕はクローン病を発症する前は、アパレル会社、レコード会社やゲーム会社に就職することに憧れていました。
 
 
まさか「社会保険労務士」なんて漢字で堅苦しそうな職業に就くことになるなんて思いもしなかった。
 
 
昔から人前に出ることはあまり好きじゃなくて。
それでも自分にないキラキラした世界で、その裏方をやりたいなという気持ちはずっと持ってました。
 
それこそ、「クリエイティブアートディレクター」とか、「スーパーエグゼクティブプロデューサー」とか、片仮名でカッコイイ響きの仕事がしたかった。
 
学生時代の指導教授には、能力的に堅い仕事が向いていると言われていたんですが、なかなか自分の中では受け入れられなくて。
 
おっさんになるまで、自分との折り合いがつけられなかった。
 
クローン病になって物理的にできること、できないことがハッキリわかるようになって。
就職に失敗して追い込まれて、ようやく自分自身と向き合えるようになって。
やっと、生きる術として「士業」を考えるようになったというカンジです。
 
 
スキルアップを目指すにしても、どの分野に適性があるか。
 
「自分を知る」ことは重要になってくると思います。

以前、ブログに障害受容の話は記述したので、ご参考ください。
障害者雇用と障害受容 ~個性を大事にする就労~|木藤大輔 / 社会保険労務士 (note.com)

自分を知る

自分らしさをみつける

できることとできないことを見極める

これらのことはスキルアップでも大事なのではないでしょうか。
 
僕のふわふわした性格と能力のギャップは周囲を苛つかせたりするみたいなことがあるんですが、こういった自分の短所を理解できるようになるのも、自分を知っているからこそ。
 
やりたいことはプライベートの時間に好きなだけやればいい。
 
ただ、生きるためには「できること」を探すことも必要だと思います。

金なしニートの社会保険労務士試験勉強法


ここからは、僕が社会保険労務士試験でどのような勉強をしたのか具体的に記述していきたいと思います。
 
 
まず、資格試験の学校に通うことを検討しました。
 
でも。
 
経済的な負担が大きい
通学期間が1~2年に限られるため、長期の学習計画が立てづらい
 
以上、2つの理由から、予備校は断念しました。
将来のことを考えると、自分のペースで勉強ができない上、スキルアップだけにもあまり予算を使えず、経済的に負担の少ない勉強法を模索したほうがいいと考えたからです。
 
 
後述する通信教育をすこし導入した以外は、ほぼ独学です。
 
 
社会保険労務士試験に投資した費用は、4~5年で12~15万円くらい。年間3万円位です。
明細は残ってないんで、ざっくりとした金額ですが。
 

それでは、僕の合格までの独学のやり方を説明していきましょう。

1.テキスト選びがなにより大切

自分に合ったもの。読みやすい物を選んでください。
大きい本屋さんに足を運んで、テキストの内容を確認してください。
 
内容が理解できなかったら意味がないんで、最初は2冊組のテキストでいいかも。
わかりやすいものを選んでください。
僕は、午前の試験対策のため最終的に11冊組のテキストが必要になりました。
ですが、状況に応じて買い換えていけばいいと思います。
初学者の場合、はじめは各論より全体を理解することが大事です。

2.問題集は過去問オンリー

次は問題集選びです。
 
個人の雑感ですが、試験内容は過去問の焼き直しの問題が3分の1、新規の問題が3分の1、法改正・時事の問題が3分の1の構成となっているような気がします。
 
問題集は過去問集だけでいいかもしれません。
ってゆーか、僕は過去問集だけでした。
 
ただ、過去問集も選び方がやっぱり大切だと思っています。
 
最低でも過去5年。僕は過去10年分の過去問が載った問題集を使ってました。
 
問題の順序を各法律分野のテーマごとに再編集しているものがいいと思います。
 
過去の試験をそのまま載せてある問題集より、重要論点が圧倒的にわかります。
頻出分野の法律もつかみやすくなるので、テキストでの勉強も捗ると思います。
 
過去問集は必ず毎年、最新年度のものに買い換えてください。
法改正などの情報更新は、テキストを自分で訂正していけばなんとかなりますが、問題の正誤を自分で訂正するのは厳しいと思います。
必ず新しい過去問集を手に入れてください。
 
学習の仕方は、とにかく反復。1年に10回は回したい。
よく間違える論点はテキストに注意点を直接書き込んで、繰り返し読めるようにしていました。
基本的な問題を確実に正解するという技術をつけてください。
 

3.法改正、時事対策の必要性

試験で3分の1を占める分野なので対策が必要です。
 
法改正、時事対策はフローな(最新)情報が必要なため独学での情報収集が1番難しいところです。
自分ひとりでは1年分の情報を集めきらないと思います。
 
そこで、僕は通信教育を導入しました。
 
日本法令の「社労士V」です。
 
毎月ごとの雑誌形式になっている通信教育教材です。
1冊1500円位。
年間購読すると13000円位で少し安くなります。
 
過去問以外の問題もそこそこ載っているので、そこも役に立ちました。
各法律のチェックカードなども付録でついてきます。
お得だと思います。
 
法改正、時事対策はこの雑誌を毎月読んでいけば、追えるはずです。
 
時事、法改正は受験年の4月に情報が出揃うため、受験歴が長かろうと短かろうと条件は一緒。
 
年間スケジュールでいえば、5月からは、法改正、時事対策にできるだけ時間を割いたほうがいいと思います。
逆に言えば、4月まで基本事項を終わらせて、過去問をできるだけ回しておくほうがいいです。
 
時事の中で、特に受験生を悩ませるのが白書対策です。
厚生労働白書と労働経済白書は1度、ざーっと目を通しておくほうがいいと思っています。
どちらも厚生労働省のHPに無料で置いてあります。
統計データは、細かい数字を覚えるというよりか、前年より上がっているか、下がっているか、横ばいかを把握するカンジでいいと思います。
 
その他、参考書には日本法令の労働判例100や厚生労働省パンフレットリーフレット攻略問題集なども役に立ちました。どちらも2000円位だったと思います。
 

4.実際の試験

難問、奇問の対策をするよりか、落としてはいけない基本の問題を落とさないことが大切だと思います。
 
午前の試験は選択式です。
8科目すべてで5分の3以上の正解をしないと不合格となります。
よくこれは、運ゲーだと言われますが、僕は運ゲーではないと思います。
テキストでムラなく勉強することが大事。
このために、僕はテキストを2冊組から11冊組のものに変更しました。
基本を押さえていれば、見たことのない問題でも答えはなんとなく推測できるはずです。
テキストの理解が鍵になっているように思います。
 
 
午後は択一式の問題です。
問題の量が多いので時間との勝負。
これまでの過去問の反復がものを言います。
僕は病気の特性上、トイレに行く時間が長いので、終了予定時間の40分以上は早く解けるよう訓練をしました。
悩むと時間が足りない。すぐに正誤を判断できる知識が必要になると思います。
とりあえず、マークシートを埋めることをオススメします。
問題を飛ばしながら、マークしていくと、マークする順番が狂うことがあるので、大きな時間のロスにつながることがあるからです。
わからなかったら、とりあえず埋めて、問題のページを耳折りして、時間が余ったら再確認するなどの工夫も必要になると思います。
 
 
試験までに模試を受けておくのもいいかもしれません。
試験の時間配分が体感的につかめるはずです。
ちなみに、不思議なもので、まったく問題が違うのに、僕の模試の結果と本試験の結果はほぼ同じでした。
毎年、模試と本試験の点数が比例していて、いつも似たような点数でした。
ですから、自分の実力を客観的に把握するのにも役立つと思います。
 
 
そして、最後のアドバイスは、試験日に体調を合わせることです。
試験日が近づいたら、健康管理に気をつけましょう
試験直前では勉強も広範過ぎて、できることに限りがあります。
割り切りも大事です。
試験は年に1回しかありません。
まずは、きちんと当日に受験できることを考えましょう。
 
 
あ。そうそう。
僕の受験会場は武蔵大学だったのですが。
試験の数日前まで受験会場が武蔵野大学だと思っていました。
武蔵大学、武蔵野大学、武蔵野学院大学とあったりするんで、受験会場の確認もきちんとしておくといいと思います。
 

まとめ

難病患者、障害者だけでなく、困難を抱える人たちにとって、スキルアップは容易なことではないと実感しています。
 
だから、僕の勉強のやり方がみんなの参考になったら、幸いです。
 
短期より長期の計画を作る
 
すこしの自己研鑽を重ねる
 
「やりたいこと」より「できること」を探す
 
みんなは、みんなのやり方で、きっと答えがあるはずです。
 
勉強法のノウハウは専門知識じゃないし、こういった難病患者、障害者の暮らしに役立つ情報はこれからもブログに無料で書いていきたいなと思っています。
 
社労士でなくても、税理士だって、弁理士だって、司法書士だって、行政書士だって。
士業でなくても、スキルアップして就ける仕事はたくさんあります。
 
難病患者、障害者の社会に活躍できる仲間が増えてほしい
 
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
 

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