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ためになったねぇ〜・コード・ブレーカー
新型コロナウイルスに対するワクチンへ繋がるクリスパーキャス9の解明を巡る科学者達の物語。主人公は上記関連の祖としてノーベル賞を受賞するダウトナ女史を中心として、ライバル勢力や数多くの科学者との研究の襷を繋ぐ研究通史として面白く読める。
DNAではなくRNAに魅せられた人々の科学史という点で痛烈なライバル意識や倫理面での都合など人間剥き出しでコロナ禍まで突き進むのだが、上巻終わった時点では各陣営バ
ミイラと仔牛のレバー・ネアンデルタール人は私たちと交配した
人類史的な知識を欲しているフェーズに入ったため、図書館でジャケ狩した一冊。メインタイトルのネアンデルタール人問題は最後の最後に花開く構成で、DNAを分析する作業の個人的な研究史エッセイな感じで、科学界のちょっとコアな業界事情ゴシップなど満載となる。
DNA解析プロセスの向上の精錬されて行く様や、DNA解析ブームみたいのが巻き起こり、正しくないのに「太古の琥珀のハエからDNA解析!」みたいな別大学
結論犬を飼え・ヒトは〈家畜化〉して進化した
動物としての人間が他の類人猿と違って何故生き残れたのか、「家畜化」という観点から現存する家畜のメカニズムに基づき考察する人類史的な本。前半は専門領域のため、「自己家畜化」という仮説を検証していく様が面白い。「家畜化」って隷属とかネガティヴな態度ではなく、「友好的」みたいなニュアンスで捉えている。
後半はそんな友愛の精神を育んでいるはずの人間がこんなにも分断しているのは何故か?という問題を社会学的
ドーキンス爺さん大立ち回り・さらば、神よ
「利己的な遺伝子」で有名な爺さんの神の存在への痛烈なこき下ろしと、科学ってやっぱ最強よな?と言う痛烈なメッセージ本。多分アメリカの敬虔なクリスチャン中高生辺りに読ませたら死ぬほど思想を反転させれそうなハードコアパンク的思想を持っている。原題は「outgrowing god a beginner‘s guide」(神からの卒業するためのビギナーズガイド」なので正にそんな層へ向けて書かれている。
我
データ教へ入信せよ・ホモ・デウス
サピエンス全史の人の続編。認知革命やら人類は農業により奴隷化したなどオモロい視点で駆け抜けた過去総括的な前作とは違い、サピエンスから我々はデウス(神)へ変貌をどう遂げるのかを可能性として描く未来ワクワク作品である。
下巻の最後の章まではオムニバス的な知的コラム集な雰囲気があり、ぶっちゃけ結構散漫な雰囲気もあって上巻を読んだとこまではなんとなくで追いかけていた。四則演算が出来るウマの話ぐらいしか何
これが現実・新装版 墜落遺体 御巣鷹山の日航機123便
日本最大の航空事故である日航ジャンボ123便墜落事故に置いて、その遺体検死に当たった警察官の方の回顧録。警察・医師会・歯科医・看護師の回収された遺体の身元特定とその処理作業の想像を絶する現場をリアルに描き切っている人間の極限の作業に纏わるお話。
次々に運ばれてくる遺体に対して、指紋・歯型・血液型・着衣等の装飾品から個別識別していく様は文字だけでも壮絶さが伝わってくる。丁寧な仕事というか欠損や炭化
大不歩時代突入中!・直立二足歩行の人類史 人間を生き残らせた出来の悪い足
人間が二足歩行なのは何故なのか古人類学の視点から切り込んだ良書。大体言いたいことは、サルとかチンパンから原人、そしてホモサピとアビーロードみたいな猫背のナックルウォークな進化の図は結構間違っていて、チンパン分岐後にホモ〇〇がたくさん居てそいつらみんなちゃんと背筋伸ばして我々のように歩いていたという事らしい。
二足歩行になり肉体的リソースを持て余したホモサピは脳みそにその余りを配分させ、現代という
擬態する正義・ありえない仕事術 正しい“正義”の使い方
ハイパーハードボイルドグルメリポートの上出遼平氏による仕事本。とっくにテレ東離脱してニューヨークに行ってたり、mudaやpodcastで新たな境地に進みつつあるテレビマン(この括りは最早安い)であり、カリスマ性みたいのはビジュアル含めてハイソサエティな映像クリエイターとして爆進している。
群像に寄稿されたある種の告発や、歩山録など映像だけでなく文章を書けるディレクターという次の時代の創作者として
this week in 読書
満州国演義
冒険小説の雄・船戸与一の遺作。満州国というよくわからない地域について4兄弟を軸に史実に基づいたフィクションストーリーが繰り広げられる。三国志演義ぐらい面白い。満州の横山光輝と言ったところ。
関東軍に振り回される外務省領事館勤務の太郎・現代で言う半グレ的な大陸浪人の次郎・関東軍にて愛国心たっぷりになっていく三郎・陰謀に巻き込まれていくような無政府主義に傾倒してたはずの末っ子四郎が交互に
人類は彼らに隷属・世界史を大きく動かした植物
kindle unlimitedで読める良書。イネやムギに始まり今日の我々の世界をある意味司る植物達のサクセスストーリー。我々は農業を始めてしまったばかりに彼らの奴隷として文明を発展させてしまったという悲哀溢れる物語。
以下全選手入場ォオオ!
文明は俺が産んだァ!余剰生産力は国家から戦争まで発展!みんな俺の世話で今日も精一杯ッ!「コムギ」だァー!
俺の生産量は戦闘力!石高という概念は貨幣を超
8と10を繋ぐ赤尾・二重らせん 欲望と喧噪のメディア
出てない情報満載で面白過ぎる。メディアの支配者の続編というか鹿内vs日枝にフォーカスしたお家騒動記に加えて、不思議な存在感を前作でも示していた文化放送・旺文社・赤尾家にフォーカスしてテレ朝までも巻き込んだ戦後メディア叙事詩。特に関係者に対して突き付けるような暗喩的な記述が点在しており、そこら辺の真意を想像するとゾクゾクできる。
戦後財界のキーワードとなるのが児玉誉士夫氏の「児玉機関」であり、ここ