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映画館でポップコーンを

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映画館で食べるポップコーンがとにかく好き🍿。塩味がお気に入り。バターをかけてくれたらなお、嬉しい。
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ごはんをよそうとき、ふと思い出すこと

思い出すことがある。

お父さんはいつもお母さんをじっとさせなかった。

朝食も昼食も夕食も夜食も
「○○、箸。」
「ごはん、おかわり」いやおかわりと自分で言う前に
時には、母が「まだ食べる?」とごはんの茶碗を受け取るのだ。

よそったフカフカの湯気のたった白いごはんを前に

父が一言「多い、半分でいいわ」

という。最初から半分によそわなかった母が間違えたように指摘する。
※よそうは関西の方言

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Sさん いっぱい相談したなぁ

Sさん いっぱい相談したなぁ

「あれ!?」
送ったメールがアドレス不明で戻ってきた。

社内のチャットで同じようにSさんとやりとりしていたスタッフへ確認をしてみる。
 某社のSさんってご退職されたのですか?
  →そうなの…3末で> <

!!なんと、退職されたのか。
Sさんは取引相手で、たくさん助けてもらっていて、たくさん感謝をしていたから、両手いっぱいに抱えている蓄積した感謝が宙ぶらりんになってしまって、この気持ちをもう届

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本当に終わったんだ

本当に終わったんだ

十数年推してきた推しとの最後のオンラインお話し会(握手会が形式変更した)が終わった。

数ヶ月前に、いつ卒業発表があるかわからないしと、お話し会の最終日の券を少し多めに買っておいた。でも、本当に卒業発表があるとは思っておらず、時間にすると1分弱に自分は何を話せばいいのか、わからなかった。

開始前の本人確認で、画面を横にしてくださいと指導が入る。最後まで慣れないオンラインお話し会の制度にあたふたし

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タイムスリップできた話

タイムスリップできた話

中学の部活仲間とは今も仲が良い。

親友って言葉をよく使っていたし、学生時代のプリクラにはずっ友、一生仲間、心友、我等永遠不滅など、ありとあらゆるその時の流行語で、大切な関係を表現していた。

最近では、「学生時代からの友だち」という言葉だけで、数十年の仲だと歳月が仲の良さを証明してくれるようになった。

そんな友だち(ちなみに5人組)は年に最低1回は集まろうと、毎年予定を合わせてきた。コロナ化で

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眠れない夜

眠れない夜

久しぶりに眠れない。

最近は毎日体力的にハードで、眠れるときに寝る日々だった。あまりにも眠れないので、毎日少しずつ読んでいた上白石萌音ちゃんのエッセイ『いろいろ』を読み終えてしまう。

最高だな、この作品。

そして、まだ眠れない。

私はもともと眠ることが超絶下手くそだ。
幼少期から、天井を眺め、寝れないなぁと何度も思ってきた。

眠れない夜は結構つらい。ときには、かなりつらい。
夜が終わらな

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リアクション催促の“間”

大学卒業まで実家で暮らし、上京した。

一緒に暮らしていた21年間ではわからなかった家族の特徴が、離れてみることで、わかるようになる。

その発見のひとつを紹介したい。

私の母には、リアクション催促の“間”があったのだ。

例えば、「今日のシチュー美味しかったやろ?ええ肉つかってん」

を母が言うと

「今日のシチュー美味しかったやろ?ええ肉使ってん。ん?」

と何か最後に尋ねられる“間”が存在

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父が髪を染めるのをやめた

父が髪を染めるのをやめた

年に3〜4回、関西の実家に帰省している。

仕事のついでに立ち寄ったり、友達の結婚式だったり、あまり具合の優れない愛犬に会いに行ったり…

地元の駅に着くと、いつも両親どちらかが車で迎えにきてくれる。

その日は父が来てくれて、私は車の窓からみえた姿に驚いた。

父の頭が真っ白だったのだ。

車に乗るとはじまるいつもの質問。新幹線は混んでいなかったか、ごはんはもう食べたのか?ひと通りいつもの回答を

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