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シン・映画日記『野獣の血』

シネプレックス幸手で韓国映画『野獣の血』を見てきた。


釜山郊外にある港町クアムを舞台にしたアウトローの一代記で、
港町クアムの顔役ヒスが地区の利権巡りの争いやソン社長の跡目争いに巻き込まれながら、幼馴染の恋人インスクと巨済島にペンションを買って組織からの足抜けを考えるも、そうはいかない、という話。

これに対立派閥ヨンド派に属する同じ養護施設出身のチョルジンからの再会と誘いや、組織内での内ゲバ、少年院から出所したてのインスクの息子アミとの疑似親子のような関係など、盛りだくさんな内容を上手くまとめている。

ヒスは麻薬等の非合法ビジネスを嫌いつつもソンから任されたホテルやクアム界隈のみかじめなどのシノギではたかが知れているので、さらに合法的な酒類の配送業や業務用ゲーム機を使ってのゲーセン経営やアミューズメント業でビジネスを展開し、逆に裏で麻薬ビジネスに手を染めるオク社長やヨンドンを足切りする非常さも持ち合わせている…など、随所で『ゴッドファーザー』1作目の影響を見せながらも、小さな港町クアム界隈のビジネスを細かく見せる地方の風景の味わいが独特。
マ・ドンソク主演作品の腕力アクションノワールとは違って、『ゴッドファーザー』シリーズや『仁義なき戦い』シリーズように身内裏切りと対抗組織の不意打ちの連続で見せる正攻法なやり方で見せる韓国ノワール。

冒頭のシーンが再び後半に出てくる演出や
後半になればなるほど誰も信用出来る人がいなくなるぐらいのヤクザバトルロイヤル&サバイバルで飽きない展開。

ただ、ラストがちょっとフワッとしていて絶賛までは行かず。惜しい。
でも釜山郊外を使った『ゴッドファーザー』として見応えはあり。

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