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ショートすぎるストーリーと詩

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非常に短いストーリーと詩を集めました。短くてすぐ読み終えられる創作をお探しの方にピッタリのマガジンです。ちょっと不思議な世界観を一瞬のあいだにお楽しみくださいませ。
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記事一覧

Baby talk

イタリアンテーマバー「本日のお品書き candy」 店の前に置かれたウェルカムボードにそう書…

丸井 もち
4か月前
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コンビニエンス山田

家を出て自転車で駅までいくつか信号を通るが、今日はすべて青信号だった。 これはハッキリ言…

丸井 もち
4か月前
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胎内記憶

※ よい内容ではないので閲覧にご注意ください 四月に入社した新人がとても仕事ができるうえ…

丸井 もち
4か月前
17

埴さんへの張り紙

コンクリートうちっぱなしの殺風景な壁にA4サイズのコピー用紙が一枚ぺろっと貼られている。 …

丸井 もち
4か月前
15

凪の時

これといって何もない夜 スマホも何も見る気力がわかず ただぼんやりしている そとはもう暗く…

丸井 もち
4か月前
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ショートボブの彼女

初めて彼女を見たのは、演劇部の出し物だった。 壊れた人形の役だった。肩に届かないショート…

丸井 もち
5か月前
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遊びに行くよ

きれいな水色の空の下 森には新しい季節がめぐってきていた ゆっくりと歩く ゆっくりと息をすって、ゆっくりと吐く こころのなかでは 「こんにちわ。ちょっとだけおじゃまします」 そんな気持ちで木々の下を歩く 足元には名前もわからないいろんな草 枯葉、落ち葉のベッドみたいなふわふわな地面 誰かが踏み分けた、もうちょっとでわからなくなりそうな かすかな道 聞いたことのない鳥の鳴き声 小さく響く虫の声 時々 なにかが草をわけて歩く音がする 私は足を止める

みち

まだなにかやり残してることがある気がして 今まで歩いてきた道を振り返ってみる ひとつずつ…

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異形の者

銀の髪揺らして 暗闇から現れる 赤い瞳 袴の裾を軽快に揺らして 飛ぶように歩く キミは異形…

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顔のない人

すごく素敵な雰囲気をまとって 今日も誰かをとりこにして 夢を見せてくれるキミ でも ホン…

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11月の詩

秋が深まってくる季節。葉っぱはカラカラになって、次第に色が変化してゆく。緑から黄土色、茶…

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10月の森

涼しくなって枯葉が地面に落ち始めそうな頃になると「どんぐり」の季節がやってくる。毎年この…

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みつけたよ

裏 表 右 左 あなた わたし いい わるい ほんとう うそ すき きらい ひかり やみ たく…

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1枚の写真

不思議な図書館 私は パスをもらえた もしも 見ることが許されるのなら 未来を 見てもいいですか あっけなく 与えられる 許可  すでにあなたは ここにいることを 許可されています いずれの記録も 閲覧可能です それよりも… 見る覚悟を あなたは できていますか? 意味が分からず とまどう私に 美しい記録の番人は 微笑んだ 「知ることの重み」 あなたもご存じのはず 思い出すまで 待ちましょう 見透かされる 胸の内 ほんとうは どこかでわかっている