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LEARNING Volleyball edition

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バレーボールを学ぶ上で、大変有益な記事を、こちらで収集していきます。みる人・する人・ささえる人・・・すべての人が学ぶことによって、バレーボールのバリューがさらに高まっていくことを… もっと読む
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記事一覧

二段モーションサーブ?

「二段モーションサーブ」が話題になっていると聞いて、「サーブヒットのスイングの二段モーション」を想像してしまいました。ハンドボールの7mスロー(ペナルティスロー)で「ボールをつかんだままシュートモーションをやって、キーパーが動いたらタイミングを外してシュートする」みたいなものかと。 ところが、実際に動画を見たら全く違っていました。 これで「ポジショナルフォールト(いわゆるアウトオブポジション)」の反則になったわけですが、ルールはどうなっているでしょうか? 国際バレーボー

Jリーグ、Bリーグ、Vリーグを比較して見えるVリーグの課題

はじめに 先日、Vリーグの試合を観に行きました。試合自体は楽しく観戦しました。しかし、言語化はしにくいのですがVリーグヤバいんじゃね?と思ったので調べるのも兼ねて書いてまとめてます。 さて、国内にプロリーグはいくつかありますが、市場規模がぶっちぎりの野球は置いておきます(何で毎日のように試合ができるんだ、ズルい) Jリーグ、Vリーグ、Bリーグは規模感でいうと近い部類になるかと思うのでこの3つを比較していこうかと思います。 サッカーは割と観ていますが、バレーやバスケはテレビ中

パリOQT2023注目のブロック:高橋健太郎選手の「右脚踏み切りワンレグブロック」

日本男子チームは2023年10月7日のスロベニア戦でストレートの勝利を収め、パリオリンピックの出場権を獲得しました。 本当におめでとうございます! ゲームそのものもとても素晴らしいプレーの連続で、ここまで素晴らしい感動を体験できるとは思わなかったほど、本当に凄い試合でした。 上に上げたXのポストは、セルビア戦で石川キャプテンが審判に詰め寄った場面のことで、テレビを見ていても何が問題になっているのか分かりませんでしたが、このポストで分かりました。チャレンジは「セッターの足」に

【選手が起こす3つのミスタイプを理解】 怒鳴り続けるだけの指導者卒業しませんか?

当記事の内容を動画で視聴されたい方はこちらから↓ 「そんな怒鳴って叫んで疲れない?」 このようなサッカー指導者、みなさんの周りにもいると思います。何か選手たちがアクションエラーを起こすたびに怒鳴りつけてしまうちょっと残念な指導者のことです。 もちろん試合中において「指導者の叫び」が必要な場面も存在します。モチベーション管理をしたり、切り替えのチップを変えるために少し叫んでみたり… ただその叫び声の大半は、指導者(大人)の何かストレス発散のような形になってしまっていない

議論について

※2013年2月25日に書いたもののコピペです 以前,某掲示板とかでも書き込んだことなのですが,またまた,書いてみます.講義や研究室では,学生相手に,結構,話していたりはします. 以下の英語は,日本語では「議論」と訳されるのですが,それぞれ意味が異なります. ――――― discussion: 議論と言うと大げさですが,平たく言うと話し合いのことです.この意見交換の目的は,「相手の意見を負かすこと」でも「自分の意見を通すこと」でもなく,よりよい考えはなんであるかをお互

ウィトゲンシュタイン「論理哲学論考」における意味生成の機序

論理哲学論考において写像理論はその意味理論の中核をなすが、一見すると写像理論は単純な言語観の表明であるように思われる。つまり、世界の側に存在する事実を言語が命題として写しとり、事実の構成要素一つ一つに命題の構成要素が対応している、というわけだ。さらにこのような対応関係はあらかじめ措定されており、それがどのように可能になるかについてなんらの説明もないように見える。さらに言えば、後年の例えば青色本などの記述を思い起こして、命題が私秘的な媒体(精神)に存在する謎めいた存在であり、そ

ウィトゲンシュタイン(言語ゲーム)

20世紀最大の哲学者、ウィトゲンシュタイン  今回はウィトゲンシュタイン(1889〜1951)です。ウィトゲンシュタインはオーストリアの哲学者で、ケンブリッジ大学の教授になりイギリス国籍を取得しました。ドイツの有名な哲学者ハイデガーと並んで「20世紀最大の哲学者」とも呼ばれています。 前期ウィトゲンシュタインの「写像理論」  ウィトゲンシュタインの哲学は前期と後期に分かれています。前期には、二冊ある著作の一つである『論理哲学論考』において「語りえないものについては、沈

僕とバレーボール

まずは教育の話からしよう。 学校の価値が相対的に下がってきているという。学校に行かなければ賢くなれない、就職ができない、資格が取れない、友達ができない時代はそれだけで学校に行く理由があった。しかし、誰しもが感じるように学校で学んだことのうち、知識やスキルに属する部分は社会に出て役に立つということはほとんどない。社会が必要とする知識は目まぐるしく移り変わり、かつ必要な知識はネットでも手に入れることが可能になってきたというではないか。 学校で手に入れた知識で生活しなければいけ

コートの中のイタリア

(トップ画像はサンタクローチェオフィシャルサイトのトップページ https://www.lupipallavolo.net/) ふとしたきっかけでこんな本を見つけたので早速買って読んでみました。出版は2011年とちと古い。折しも6億円宣言がでたところ、急いで読了しました。 全体としてはイタリアのバレーをとりまく政治経済地理歴史の各方面を紹介。東大経済学部卒の会計士が書いただけあって、データも充実。タイトルに反して「コートの外のイタリア」について書いてある。ちなみに刊行直後

「しつけ(躾)」考

子どもの身勝手な様子を見ると「しつけがなっていない」とされることがある。子どもがガマンできないときも「しつけがなっていない」。で、子どもをしつけようと、我慢させたり叱ったり。でもうまくいかなくて悩む親御さんは多いように思う。 幕末・明治初めの頃に日本に滞在した欧米人の記録に、興味深いものがある。子どもを叱ったりムチで罰することもせず、子ども達はのびのびと遊んでるのに、いつしか大人と同じ振る舞いを身に着け、躾(立ち居振る舞いが美しい)が身についていることに驚かされている欧米人

ポーランドメディアによる、日本戦後のトニウッティへのインタビュー記事

『エンガペは再びバレーボールの魔術師となった。そして、フランスは宇宙的な試合を制した。"彼が私たちを導いてくれた"』 Jakub Balcerski  タイブレークの末に勝利した日本との1/8ファイナルについて「試合のレベルの高さに感動しました」とフランスのバレーボール選手バンジャマン・トニウッティはSport.plに語っている。また、バレーボール選手は、ポーランドが世界選手権決勝でフランスと対戦する可能性があるかどうかを議論するのは時期尚早だという理由も語っている。

「体の声」のデータベースづくり

息子とキャッチボール。つい「今のはこうだったよ」「さっきはこうしてたよ」「ああしたほうがいいよ」と余計な口出ししたくなるけど、グッとこらえる。もし口出しすると、私の言葉に縛られて「体の声」が聞こえなくなるから。体の声に聞き耳立てているのを邪魔しないように気をつけている。 私自身が子どもの頃、「今のはここがダメだ」「違う!さっき言ったろう!人の話をきちんと聞け!」「お前は本当にどんくさいな」という声かけに囚われ、言われたことを必死に実行しようとして「体の声」が聞こえなくなり、

セットする(トスを上げる)ときは「ボールの下に入り、上げる方向に正対」すべきなのか?(前) -セットアップの基本を考える-(1/5)

5回シリーズで「セットアップの基本」と練習方法について考えます。 1.「ボールの下」とはどこ? 2.「体を上げる方向に向け」ればボールは正確に目標に向かって飛ぶのか? 3.「どこでボールをとらえればどの方向に飛ぶか」をつかむための練習方法 4.注意してほしいこと 5.「セットアップの基本」とは? 質問箱にいただいた質問に対する答としていろいろ整理してみました。 質問を寄せていただいたのは「今年度から本格的にセッターを始めた小6男子」の保護者の方と思われます。 質問内容は

【ホクモリ!①】ちょっと普通じゃないプロスポーツチーム「ヴォレアス北海道」

北海道のスポーツを多くの人に知ってもらう投稿、略して「ホクモリ!」 第1回目はプロバレーボールチーム「ヴォレアス北海道」です。(以下ヴォレアス) ※参考:https://voreas.co.jp/ 1回目に取り上げる題材として適切ではないかもしれません。笑 「ヴォレアス」は普通のプロスポーツチームでは無いからです。 その普通じゃないところについて説明をする前に、まずはヴォレアスのMission、Vision、Valueについてみていきましょう。 Mission:未