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療法士が何か新しいことを始める前に確認しておきたい、価値創造の視点

~コメダの事例を参考に、Value Proposition Canvasを活用して考える~

私はいわゆるよくいる療法士の類で、専門分野を持ち、頭のカターイ人間なのですが、

こういったツールをきっかけに、自分の視野を広げ、今まで取り組むとは想像もできなかった状況で、今様々仕事をさせていただいてます。

今日は、新しいことを考えるときに大事にしているポイントや提案する前に考えて行くようにしている、価値創造の部分を、自分なりの解釈で描いていこうと思います。

本noteで使用している Value Proposition Canvas は、米国Strategyzer社でダウンロードしたものです。

Value Proposition Canvas を人に教えるには、米国での研修が必要ですので、あくまで私が理解している範囲内で描いていきます。

では早速、描いていきたいのですが、例が必要ですので、、、

今日は名古屋では知らない人はいないコメダ珈琲のビジネスモデルを参考に、価値創造の部分を解説してみます。

目次
①コメダのビジネスモデルの解説
②Value Proposition Canvasの説明
③Value Proposition Canvasの実例
④まとめ
⑤ちょっと視点を変えて(医療介護業界の話をちょっとだけ)

①:ビジネスモデル

コメダのビジネスモデルの全体像を簡単に見てみます。

顧客である【地域の高齢者、主婦層、ビジネスマン、学生】に対して、

【時間を気にせずくつろげる、店員に気を使わなくてよい】
【集まりやすく、勉強や、簡単な打ち合わせ等がしやすい】

といった部分を主軸の価値として、フランチャイズの店舗を中心に顧客に繰り返し利用してもらう関係を築いていくモデルといえます。

構造面では、少人数、低回転率、顧客の幅が広いことによるピークがフラットな運営体制を、食材アイテム、仕入れの徹底した絞り込みを行うことで支えており、

コスト面でも、フランチャイズで必要なロイヤリティも支払ったうえで成り立つモデル形成をしています。

そう考えてみると、ガラガラのコメダってあまり見ないなーと思うところや、時間によって顧客層が入れ替わっていくモデルなんだなと感じれると思います。メニューも少ないですよね。

シロノワールはおいしいけど、小さいサイズが出たのは、まだ数年しかたっていないのではないでしょうか。誰のどんな想いに答えたんでしょうか?
やっぱり人気なんですねー。

ざっとビジネスモデルが理解できたところで、次に行きましょう。

②Value Proposition Canvasの説明

それでは、本noteの本題に入っていきましょう。

Canvasの概要

キャンバスは、主に
主に3つずつのセグメントから構成されていて、

左側が【価値創造】   VP(Value Proposition)
右側が【顧客セグメント】CS(Customor Segments)

それぞれがビジネスモデルキャンバスの九つのブロックのうちの二つを指しています。

つまり、【顧客にどのような価値を与えているのか?】について、
【実際に顧客の望むものとサービスが合致しているか確認】
するためのツールと理解していくとよいと思います。

各セグメントで記載していく内容

各セグメントは以下の通り、

Customor Job(s)
Gains

Gain Creators
Pains
Pain Relievers
Products & Services

以上6つのセグメントについて何を書き出していけばよいか簡単に
まとめると、、

Customor Job(s)
顧客が達成したいこと(仕事含む)
解決したい課題
個人的な理想の状態
Gains
実際に顧客が得る具体的恩恵、結果、
感情や状況、出来事
Gain Creators
サービスがどのように恩恵や結果、感情や状況を生むのか

Pains
顧客が達成したいことに取り組み始める前、最中、達成後に
起こりうる悪いことや、減らしたい出来事
Pain Relievers
サービスがどのように顧客の困りごとを解決するのか
Products & Services
提供するサービス


③実際にコメダの顧客のCanvasを書いてみる

コメダの場合、主な顧客は誰でしたでしょうか?

【地域の高齢者、主婦層、ビジネスマン、学生】でしたよね!
早速羅列してみていきましょう。

地域高齢者のVPC

主婦層のVPC

ビジネスマンのVPC

学生のVPC

いかがでしたでしょうか?

正直私も最初意味が分かりませんでした。書いても書いても納得できません。結構泥沼化することもあると思うので、注意が必要です。。

ただ、1点だけ注意する点を挙げるとすれば、とにかく本当の課題を最後まで最後まで突き詰めることが最も重要だと認識するといいと思っています。

例えば、喫茶店でも、一杯のコーヒーが200円なのか、400円なのか。
この違いはかなり大きく、コメダが提供している価値とサンマルクやドトールが提供している価値はかなり違いますし、顧客も店舗のつくりも、滞在時間もすべて違います。しかしそれぞれに具体的な顧客に対して価値を生み出しているのだからすごいですよね。

学生なんかはよい例ですが、勉強カフェなるものも増えてきていますよね。

B2Cビジネスの場合の多くは、具体的なC(カスタマー)をきちんと分け、それぞれに対するジョブとサービスがどのように顧客の要望に応えているのかを書き出すことで、

顧客の求めていることとサービスが生み出す価値が【合致】しているか判断することができるといえます。

実際には、コメダ珈琲の場合は、フランチャイズ中心のモデルになるので、オーナーも顧客になりえます。※今回はこの点については書きません。

④まとめ

コメダ珈琲のビジネスモデルは秀逸です。

時間帯によって、平日・休日によって顧客が入り乱れ、それぞれが必要な時間帯にうまい具合に来店し、目的を達成して帰っていく。

人によってはちょっと客単価は高いけど、長居することができる環境を最大限活用してもお店は成り立っていく仕組みは簡単に作れるものではなく、

名古屋の習慣も相まってビジネスが支えられているわけです。

しばらくいろんな喫茶店巡りをすると、つい目がいろいろなところに行ってしまうと思います(^^)

⑤ちょっと視点を変えて

一方で、単純なB2Cビジネスでない場合、

顧客は多岐にわたりますので、それぞれにVPCが必要です。

例えば、訪問看護事業所についていえば、

引用:リハビリ部門管理者のためのリーダーシップ実践テキスト 
   ~部門管理に必要な7つのメソッド&ストーリー~

顧客は
【訪問の対象者】
【訪問診療医】
【ケアマネ】
【他の介護事業所】
【家族】
もっと視野を広げれば、
【事業所の所在する県、市区町村】【厚労省】【国】
等もその顧客になりうるでしょう。

事業所が訪問の対象者に与える価値に加えて、事業所が永続するためには正当性のある取り組みと成果が重要です。
国が求めている支援の形や成果は何なのか、あるいは未開拓の部分は何か?
考え続けることが必要なのは言うまでもないでしょう。

少し視点を変えて、プラットホーム系のビジネスモデルの場合、
ツーサイド・マルチサイドなどがあげられますが、これらは相互依存が大変強いモデルになるわけなので、強固な関係が見える状態でなければなりません。

AirBNBのモデルが、最近のプラットホーム系の代表例でしょうか

ホストとゲストの強い関係性が、モデル構築に必須となっています。
こういった例においては、相互に価値が明確かつ分かりやすいですね。

爆発的に伸びる前と後の顧客も実は大きく変わっているのもポイントですが、またどこかで説明したいと思います。

今日はValue Proposition Canvasの活用を一部の例を通じて考えてみました。

わからない、こんな例が欲しい、どしどし問い合わせいただいたら答えていきたいと思います!

Tetsuji Hirose のnote

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