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桜道中記

大名行列のように
春を振り撒きながら
北へ北へと闊歩して行く
桜たちを眺めながら

季節の移ろいを
始まりと終わりを感じていた

同じように沿道で見守っていた
沢山の人達からは
暖かい拍手や歓声が上がる

「また来年も頼むな!」

ワンカップ片手にそう叫ぶ男の声に
桜たちは枝の手を高く上げてそれに応えた

桜たちが歩いた後には
道に埋め尽くされた花びらの絨毯が
祭りの後のような寂しさを残す

湿った強い風が
漂っていた春を吹き飛ばしながら
次の季節の準備を始めていた

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