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赤穂緞通工房ひぐらし

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赤穂緞通の工房とギャラリーです。 見学と購入ご希望の方はHPからご連絡ください。 http://akodantsu.com/
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記事一覧

出雲の藍染を追っかける

出雲の藍染を追っかける

上の写真は出雲市の長田染工場の作業中写真。天井で染めを乾かしているところを裏から撮ったもの、白い糊にうっすらと藍が滲んでいます。最後の工程で糊をしっかり洗い流し、あのパキッとした筒染になります。
この糊がとても気になったのです。赤穂段通でも縦糸横糸に糊を揉み込みます。米粉4対餅粉6の割合。こちらの糊は餅粉100%でとても硬く練るのだとか。ちょうど今から作られるというので、しっかり見学させていただき

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色あせた御寮の欠片を額に入れる

色あせた御寮の欠片を額に入れる

この話は春の倉敷はしまやの展示会場から始まる。訪れた方が飾ってあった小さな古緞通額を気に入られたのだけど、それははしまやさんにプレゼントされた非売品だったので、大きめの古緞通額を注文してくださったのだ。藍の色褪せた色合いがお好きだということで、自分用に取っていた古い御寮の欠片を額仕立てにすることにした。

作業をしていて、上部のハセ(結び)が見える処はそのままハセた糸と横糸経糸が見えるように切るこ

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芸術は断じて不要不急の案件ではない

芸術は断じて不要不急の案件ではない

という文化庁長官の声明に様々な意見が飛び交っていますが、とりあえず緊急事態宣言が出ていて人出が少ないうちに鑑賞しておきたいという私的理由で、神戸市博物館の東山魁夷障壁画展と白鶴美術館の展示会に行ってきました。
コロナ発生以来ほんとに久しぶりに神戸市中心地へ。お酒を出す店は休業していることは報道で知っていたのだけど、実際に見てみるとかなりのショックでした。それにもかかわらず歩いている人たちの多いこと

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赤穂緞通「桐唐草」が織られた時代

赤穂緞通「桐唐草」が織られた時代

私が赤穂緞通の織り手になるきっかけとなった「桐唐草」
大阪から赤穂に移住した父が要介護になって、足しげく実家に通っていたある日。訪れた赤穂緞通工房で先輩が織ってられた「桐唐草」にとても心惹かれたのです。残念ながらその時の糸は藍染めではなくて、現代では本藍染めの糸が入手できないと知って、私が本藍染めの桐唐草を作る!と衝動的に思ったのでした。それから20年近くの年月が流れました。講習生を経て独立したの

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緞通の性別?から仏像の性別へ

緞通の性別?から仏像の性別へ

工房六月で手入れ中のこの緞通を「晴れ着の娘さんを見るような気持ち」
って書いてあって、おぉ、女性名称使ってるなと昔のことを思い出しました。
https://www.facebook.com/akodantsu.mutsuki/posts/1136040733514468

私も手入れした古緞通がお客様の手元に行くときは、嫁に出す心境で送り出していたのですが、ある時リビングに敷いた緞通を、〇〇くんと

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四条烏丸へ謎の絨毯を見にいく

四条烏丸へ謎の絨毯を見にいく

今年も祇園祭山鉾巡行は中止になりました。去年取り換え損ねたチマキはボロボロになってしまったので、オンラインでお取り寄せいたしました。
しかし文化継承の為に一部の鉾立は行われるということで、人混み恐怖症の私にとって、まじかで山鉾を拝見できる千載一遇の機会ではないか!と京都まで行ってきました。しかも人気が無い明け方に鑑賞しようと鉾町ど真ん中に宿泊。

残念ながら雨もよいの天候のためビニールで覆われた長

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牡丹唐草に蝶文

牡丹唐草に蝶文

坂越浦会所に古緞通を一枚持って行きました。
このあいだ写真撮影に使わせていただいたときに、ずいぶん長く敷いてもらっている古緞通が色褪せてしまっているのが気になって、新しく一枚持ってきますねとお伝えしていたんです。

「牡丹唐草に蝶文」
藍染めが美しい緞通ですが、実はずいぶん傷んでいて販売は不可能。
こういった訳ありの緞通や工房に寄付していただいた4畳半緞通など、
この江戸時代の建物内部で実際に使っ

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赤穂ギャベの織り手になりませんか?

赤穂ギャベの織り手になりませんか?

ひょんなことから岡山の山中の元小学校舎を利用した「アーツ&クラフツビレッジ」を訪ねました。木々の葉擦れと水音が響く渓谷沿いにポツンと開けた元校庭に車を乗り入れると、遊んでいたニワトリさんが出迎えてくれる。広々とした教室のワークスペースにあらゆる種類の織り機がいっぱい!カフェスペースには自作の土のベンチ、椅子、敷物、そして染織作品。https://arts-craftsvillage.com/

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約束のケージって知ってますか?

約束のケージって知ってますか?

兵庫県の県鳥であるコウノトリはこないだ野生で飛んでいる鳥たちが200羽を突破しました。つい最近わが通勤路の田んぼにも飛んできたらしく、見たかったなぁと思ってるところです。でも豊岡あたりに行けば道端のそこここに見ることができて、ちょっと感動しますよ。エサがいっぱいいてちょこっと人間もいる環境がお好きみたいです。人を怖がらないところがいじらしいような気がします。
約束のケージというのは1965年に絶滅

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かれこれ20年もかけてお遍路さんをやっている

かれこれ20年もかけてお遍路さんをやっている

父が亡くなったとき、なんとなくお遍路さんをはじめたのだけれど、四国に行く用事があるときについでに近場を暇な時間だけ回るっていういい加減なもので、順番も滅茶苦茶だけどお大師さんはきっと許してくれるだろうと思っています。それも母が要介護になってしばらく中断してたけれど、去年亡くなったので、ぼちぼち再開するかって時期にコロナ禍。。
GoToトラベルが始まる前に人が少ないうちにと先日少々回ってきました。

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糸が届かない。糸が足りない。

糸が届かない。糸が足りない。

次の赤穂ギャベの準備をしてるが、コロナ禍のせいか冬に発注した糸がまだ届かない。予定変更して、手持ちの糸で賄えそうな灰色の濃淡ベースの図案を先に作ることにした。
色合わせはとても楽しくてとても大変な作業。今回は一番やっかいな灰色メインなので色々試行錯誤していて、ここ1週間ほど食卓テーブル上が散らかりまくった状態。仕方がないからお食事は仕事用デスクで食べております。
上は昨日の状態。下は今の状態。

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ハリウッド黄金期のアカデミー美術賞取った若草物語

ハリウッド黄金期のアカデミー美術賞取った若草物語

テレビをつけっぱなしでギャベ作りに勤しんでいたところ、目の隅に見覚えある絨毯が映った。それって日本人には祇園山鉾の懸装品として知られているアンティークインド絨毯じゃないの?
1949年のハリウッド映画「若草物語」の中で、ふんだんに博物館級の絨毯が使われているのです!舞台は19世紀後半のアメリカの良家。

しかもあきらかにベスやジョーの衣装の色合いを絨毯に合わせてる!

絨毯が敷かれているのは、ボス

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日曜に地元朝市に行くまっとうな暮らし

日曜に地元朝市に行くまっとうな暮らし

今日は朝から備前福岡の市という朝市に行ってきました。刀鍛冶が研ぎをしてくれるというので、前々から行きたいと思っていたのです。

眩しいばかりの五月の朝、ブルーラインという自動車専用道路の終わりにあるメタセコイアの群木を横目に(秋には黄葉がとても綺麗)、

入り組んだ入り江のヨットハーバーや鄙びた漁港を横目に、

辿り着いた小さな朝市。
でも内容は素晴らしくて、若いお兄さんが一人で手作りしているコチ

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ひぐらし引きこもり日記ラスト

ひぐらし引きこもり日記ラスト

緊急事態宣言解除ということで、引きこもり日記はこれでお仕舞いです。
普段の暮らしとそれほど変わらないながら、誰かに強制されるのは余り気分の良いものではなかったのは確かです。ただこの日々に私の暮らしの質は明らかに変わりました。自分の本性というものが見えてきたってかんじ。

・ネットを使う時間が増えた。その中でもこのnoteという媒体がとても頼りになることを実感した。こんなにも色々な人たちが自分の考え

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