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【福島の味わい】規格外が甘酒に変身

 福島県白河市の山口こうじ店は、規格外のため廃棄される果物や野菜を使ったさまざまな甘酒を製造し、人気を集めている。専務の山口和真さん(29)は「発酵食品を通じて、地域農業の発展につなげていきたい」と話し、商品数を年々増やしている。
 食品ロスの削減につなげようと2019年から製造を始め、今では10種類以上を販売している。傷があったり、色付きが悪かったりするモモやトマトを原料にした「桃ノ甘酒」や「トマト甘酒」などが代表格だ。
 ほかにもこうじとコーヒー豆を使い、発酵中にコーヒーを抽出した「コーヒー甘酒」も人気商品だ。
 糖量が少ない果物や野菜を発酵させるため、独自に製造方法を開発した。山口さんは「こうじではなく、生鮮食品の果物や野菜を使うため、製造する際は菌のコントロールが難しかった」と振り返り、「こうした製品を作っている店は少ない」と胸を張る。
 製造開始から約4年が経過し、今では県外から注文が入る商品に成長したという。山口さんは「捨てられているものが、人々の健康につなげられたら本当に幸せに思う」と話し、新たな商品開発にも力を入れている。(福島民友新聞社)

※専務山口和真(やまぐち・かずま)、生年月日・1994年6月10日、写真撮影日・2023年8月8日
 


規格外のモモを使った「桃ノ甘酒」を手にしながら「地域農業の発展につなげていきたい」と話す山口さん=2023年8月、福島県白河市

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