ユーロビジョンについて語りたい
先週、今年のユーロビジョンに参加するフィンランド代表歌手が決定しました。Windows95manというアーティストです。
彼の楽曲やMIXは前から聞いていたので先週の発表は(自分の中で)かなり盛り上がりました。
記事を書こうか迷いに迷った結果、我慢できずに書くことにしました。
彼の魅力について
彼の肩書はDJ、楽曲制作者、パフォーマーといった言葉が揃うので「歌手」とするには語弊があるかもしれません。
実際今回選出された楽曲「No Rules!」では歌手の Henri Piispanen をメインボーカルに置いた構成で披露していました。
彼の魅力は歌唱力というより作り出される独特な世界観、そして何よりこの恰好が印象的だなと思ってます。
こんなふざけた格好をしていますが曲もいいんですよ。
パフォーマンスは言わずもがな。ぜひ見てください。
Microsoftの商標を持ち出していいのか
一企業の商標・ブランドが全面に出た演出は問題ないのか?という声が上がり、ちょっとした話題になりました。
責任者や公式がこのようにコメントしているので問題ないでしょう。
何なら公式は動画にコメントまでしています。
ライブパフォーマンスもいいですがMVもクレイジーです。
まさにユーロビジョンに相応しいと言えるでしょう。
ユーロビジョンは歌のコンテストではない
ユーロビジョンは歌のコンテストなんだからパフォーマンスで勝負するなと考える人がいそうですが、そんなのは昔の話です。
今はもう何でもありのお祭りイベントです。彼以外にも面白おかしいパフォーマンスをしている人は多く、何なら10年以上前から起きている話です。
若干ネタに走ったリトアニア(2006年)
ハイライトは1:25からです。じわじわくる動きです。
歌以外にもスパイスを効かせるというのはエンターテイメントとして大事なんだなとしみじみ思います。
この年のリトアニアは最終的に162ポイントを獲得、順位にして第6位の評価をもらいました。
え?優勝はどこだって?
ハードロックは強い
2023年は若干荒れたフィンランド
去年の2023年はKäärijä(カーリヤ)というアーティストが出場し、彼の曲「Cha Cha Cha」はフィンランドで社会現象とも言える大ヒットとなりました。
肝心のユーロビジョンでは視聴者投票がぶっちぎりの一位だったものの、審査員票が思うように伸びず準優勝という結果になりました。
大ヒットとなった楽曲が優勝できず、かつスウェーデンに負けたというダブルパンチでフィンランド内は「一体どういうことだ」と結構荒れました。
彼の曲はキャッチーで多くの人が気に入るのもわかります。ぜひ聞いてみてください。
ヨーロッパにおけるユーロビジョン
大会では英語の曲も多いですが他言語で歌う歌手も普通に出場します。
※主にポーランドとフランスが先陣を切っています。
英語ならともかく、勉強したこともない言語で歌われると歌詞はさっぱり理解できないでしょう。でも曲調や演出、ダンスはどうでしょうか。
言葉がわからなくても楽しめると思いませんか?
多言語社会に住むヨーロッパ人にとって「歌詞の意味が分からない」というのはそこまで問題じゃないように思えます。
音楽は理解するのではなく感じるものなんでしょうね。
日本ではユーロビジョンに対してまだまだ関心が薄いかもしれませんが、
「今年面白いことをしている国はいるかな?」と見てみるのもいいかもしれませんよ。
追記(2/20)
Windows95manは正式にユーロビジョンに参加することが決定しました。
実は今まで「正式に候補として決まったものの、参加する意思があるかどうか」は未定だったのです。
理由はイスラエルが2024年のユーロビジョンに参加予定のためです。
ガザ地区の人道危機を受けイスラエルの参加について複数の国が声を上げました。
フィンランドをはじめ、ノルウェー、デンマーク、アイスランド、アイルランド、スロベニアなどが意思表明をしています。
これを受け、EBUはイスラエルの参加取消はしないと決定しました。
Yleや参加予定であるWindows95manは「EBU(欧州放送連合)の判断能力を信用し今回の決定に従う」とのコメントしています。
文化やスポーツに政治は関係ないと言いたいところですがユーロビジョンは政治的な考えや世界情勢が色々と反映されてしまいます。
2022年は大会前から誰が優勝するのか全員分かっていました。
もちろんウクライナです。理由は皆さんもご存じでしょう。
こういったのを抜きにして楽しみたいところですが、実際イスラエル歌手が出てきたら自分はどう思うでしょうか。歌手の方にはもちろん非はありませんが難しいところです。