それでは今日も幸田露伴の『露団々[ツユダンダン]』を読んでいきたいと思います。
真珠取りは海に苦しみ、金掘りは山に疲れると言う老人も、孫を喜ばすために雷おこしを購入し、政治家うるさし、軍人危うしと言う作家も、文を売るために万巻の書を噛み砕いて吐き出します。しんじあはおとなしい男、激しい恋はしないけれども、煩悩の迷いの雲に覆われて、弦の切れた弓の如く甲斐なく孤独の世を過ごします。しかし、岩から洩れる水の色は澄んで見えないように、しんじあの心も……
数珠掛鳩は、飼養品種の鳩のことです。
ということで、この続きは……
また明日、近代でお会いしましょう!