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小説になりかけた散文たち

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私が書いた、断片的なシーンだけとか、設定だけ詰めた文章とか、オチまでついているけど勢いだけの文章をあげたものをまとめました。
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記事一覧

【散文】花いちもんめで残ったら

「勝ってうれしい花いちもんめ 負けてくやしい、花いちもんめ!」 「あの子がほしい」 「あの…

ミツモト烏兎
4か月前
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金木犀と私と君と。

いつも、アンニュイな感情にさせるのが夏と秋の狭間。金木犀が香る頃。いつ頃かつくつくぼうし…

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あのときも、あのときも、あのときも。

令和も何年かすぎて、平成が懐かしい。私にはよくわかないけれど、月へも旅行に行けちゃうんだ…

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鏡のない世界。

この世界に鏡がなかったとして。 すると他者からの評価でしか自分の外観がわからないというこ…

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散文:タイムラインの恋人。

通信アプリにあるタイムライン。 連絡先を登録しただけで、その人があげた写真などが共有され…

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散文:失われたバレンタイン

バレンタインという文化がなくなって、既にうん十年が経過した。人口減少傾向と比例して、ゆる…

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公園で会いましょう。

君は、僕が撮影した公園の写真集に文章を添えてあげましょうと上から目線で言ってきた。僕は、プロを目指しているアマなので、写真だけで勝負したいのだけど、と断ろうとしたところで、君が不貞腐れたような顔をしたので。 あー、もう。また僕の負けである。 最初から君との勝負は負けている。ショートカットの君は出会ったころは長い髪の毛の中に表情を隠していた。ひとりでいるのが好きだと小学生の僕では到底理解できないことを言ってどう考えても寂しげに俯いていた。それから、当時買っていた犬の散歩を理

散文:賽は投げられた、いや振ったのはこの私。

私はこの世ならざる者と「双六やる?」と投げかけられたことがあった。 そいつは、幽霊でも神…

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散文(ブラック):❝ししゅう❞を愛する乙女

「あなたも詩集がお好きなんですね」 「はい。まあ嗜む程度ですけれど」 SNSで誰とでも繋がる…

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散文:「美しき魔女と災厄の弟子」

美しき魔女は落ちている物なら何でも拾ってきた。 だから、人間の子供が月の綺麗な夜におぎゃ…

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【散文】運命や恋など知らない。

私は派遣社員で働く事務員だった。 人間関係で面倒になってきたら転職をする、を繰り返してい…

ミツモト烏兎
10か月前
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【散文】何もかも手放したいとしても。

正月明け、鳴りやまない電話対応。年末の書類確認。友達からの旅行の計画。結婚の報告。新ニー…

ミツモト烏兎
4か月前
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