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詩と詩人のはなし

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詩についての考え方や、詩人のエピソードをまとめてみました。
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記事一覧

詩と情熱によって世界を捉える

 以前からことあるごとに目にして気になっていた数学者・岡潔と批評家・小林秀雄の対談本『人…

垂直居士
1か月前
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詩人の寿命を燃やすこと

 国文学研究者の西郷信綱は、「詩人の命」(『古典の影』収録)という短文で、大伴旅人や山上…

垂直居士
4か月前
86

殻を破って迸る(松永伍一『農民詩紀行』を読む)

 松永伍一『農民詩紀行』(1974年 NHKブックス)は、今となってはほぼ半世紀前の著作であるし…

垂直居士
10か月前
65

孤独詩人とロマンの刻印(伊東静雄について)

 小川和佑『伊東静雄』(講談社現代新書)は古書店で何気なく手に取って購入したものだったが…

垂直居士
1年前
62

太宰治と鴨長明と蓮田善明

 手元に一冊の古書がある。  昭和18年9月に刊行された太宰治の『右大臣実朝』。大阪にある錦…

垂直居士
1年前
70

忘れられた詩人

 明治中期に奇行の詩人がいた。ある時その詩人が友人と一緒に酒を飲んでいたとき、自分の盃が…

垂直居士
2年前
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垂直に生き、論理で乗り越えよ。

 一人の学徒として、学問に向き合う態度はいかにあるべきか。  人それぞれの考え方はあるとしても、自分にとって、学問とは常に生き方の問題であり、自己確認であり、自らの来し方を反芻自問することに他ならない。すなわち、ここにこうして奇妙な回想の類や自己批判の駄文を連ねることも、これまでの経験を振り返り、自分の立ち位置を確認し、吟味して批判するという、ひとつの学問的修練につながるものだと考えている。馬鹿げた考えかもしれないが、修練の成果が出て来れば、駄文が駄文でなくなって磨かれるは

そして人は詩に立ち戻る

 いつも、詩を書きたいと思いながら文章を連ねている。  しかし、どういうわけか形式として…

垂直居士
3年前
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詩人の友情

 萩原朔太郎に「本質的な文学者」という短文がある。これは梶井基次郎(1901~1932年)の文学…

垂直居士
3年前
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大人げのない文人たち

 文章が人格をあらわすとすれば、書き表したものは年相応の経験が反映されて然るべきだ。若書…

垂直居士
3年前
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「なるほど、本か!」

 英国の代表的なロマン派詩人ワーズワース(William Wordsworth)の"The Tables Turned"(邦…

垂直居士
3年前
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