【短編小説】不意を食って及び腰
だってそんなの聞いていない。
思わぬところから新たな始まりを迎える話。
以前書いた「負け戦のその後」の後日譚です。先にそれを読んだほうがわかりやすいかと思います。
「負け戦のその後」の前日譚はこちら
はあとため息が漏れる。
「なあに? まだ悩んでいるの?」
「だって……」
「いいじゃない。林太郎君イケメンだし、告られたんでしょ? 振られたーって泣いていたんだから、ちょうどいいじゃん。お試しで付き合ってみれば」
「だからそんなに気楽な問題じゃないんだって」
鳴美はそ