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読書感想文

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記事一覧

『いつか怪物になるわたしへ』/おかき大明神

読書感想文、というか、有名なnoteの感想文。

暇つぶしに開いたTwitterに流れてきたもので、何気なく読んだけれど、この文章を読んだおかげで今こうしてキーボードを叩いている。今私が、正社員という身分を手に入れてから考えるようになったこと、自分自身の変化とか、そういうの全部。書きとどめておくほど価値のあるものでも時間を割くものでもないと思って、つらつら通勤電車で考えるだけだったけれど、何年か後

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『迎え火』/孤伏澤つたゐ

この間三浦海岸に行った。品川~三浦海岸の往復切符とコーラ、海の家利用券、LINEMUSICのクーポン券の4つがついた大変お得なチケットで神奈川のはしっこまで行き、スクール水着じゃない水着を久しぶりに着て、それなりに旺盛に遊んだ。8月といえど今年は雨ばかりだ。その日も天気はにごった灰色のくもりで、ぱらぱらときまぐれに雨を降らせては私が買ったかき氷を溶かしていた。

近くのファミレスでおゆうはんを食べ

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『イルカ』よしもとばなな/文春文庫

沢山の凧を想像して欲しい。それらは自由に飛んでいるようにみえて、実は遥か下でたったひとりのおじいさんがその三千の凧を操っている。空から見た凧はてんでばらばらの動きをしていて、まるでひとつの独立した生き物のように自由なのに、確かに底の底でだれかに操られている。おじいさんの手に握られた3千本の糸。凧と凧は、見えないところで、ぎりぎりの奥深くでつながって1つになっている。

ところでそれを、どぼんと海に

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『地獄の思想』梅原猛/中公文庫

わたし、今大学4年生で、卒論をせっせかせっせかと書いているんだけど、まさかそのさなかにこんなに面白い本に出会えるなんて、思っても見なかった。

『地獄の思想』は、近代日本人が馬鹿にする「極楽と地獄」の関係性を見直すところからスタートする。

そもそものはじまり、仏陀は「地獄」というのを、極楽の対にある存在として語っていなかったというのだ。仏陀はひたすらにこの世界の苦を説き、煩悩を捨てることを説き、

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『スッキリわかる日商簿記3級』滝澤ななみ/TAC出版

内定先に「卒業までに簿記とっといてね」と言われたので、ようしがんばるぞと思い簿記のお勉強をはじめた。

友達の中に経理の資格の鬼がいる。なんかわからないけどニッショウボキ1級だか2級だかFPやらやたらとってるので、その子にお勧めの参考書は何かと聞いたところ、紹介されたのが表題の本だった。

今まで知らなかったけど、簿記の3級は個人商店向け、2級は企業向けって、はっきり区別がされてるのね。わたし、秘

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『魔法使いハウルと火の悪魔』ダイアナ・ウィン・ジョーンズ/徳間書店

この間誕生日でいろいろな人にお祝いをしていただいたのだけれど、私自身も私自身を祝おうと思って、ハウルの動く城シリーズとはてしない物語をブックオフオンラインでぽちった。

それでもって早速ハウルの1巻を読んだんだけど、なんていうか、「あっわたしこれ夢小説でよんだことある」って思った。

映画と原作の比較という観点で述べていくと、ソフィーは原作のほうがひねくれてつんつんしているし、ハウルはいびきうるさ

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『あのころへ』いおろいはな



文学フリマの戦利品2作目。元々購入リストには無かったんだけど、見本誌で一目ぼれしてしまって、気付いたら買ってた。100円だったし。

中身はゆめのおはなし。なによりも後半にあるキャラクター紹介がかわいらしい。はちみつが好きそうな人とかたまらない。ヒトモドキとか、表紙の星に帰れない人とか。

表紙を勝手に撮ってのっけてしまうのは悪いことかもしれない。いつか消すかもしれない。わたしはネットリテラシ

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『魚たちのH2O』弧伏澤つたゐ

おだやかに盛り上がっていくお話。

するすると読み進めて、気付いたら読み終わってた。多分彼らの生死を見届けてもひどく哀しい気持ちにならないのは、それが自然現象っぽいからなのかなぁと思った。

読み終わると少し髪の毛がサラサラになった気がする。おそらくこの本にはアミノ酸とミネラルが豊富に含まれている。シャンプーのジュレームよりきっと沢山含まれてる。あれいい匂いがするから一時期使っていたけど、ちょっと

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『イルカ』よしもとばなな/文春文庫

「五郎にはひとりで生きてきた人の静かな凄みがあった」

32Pの文章。まだ読了してない。

でも、わたしが通っている、某大学の夜学には、この文章にぴたりと、あるいは、3分の1以上はあてはまるひとが、大勢生きているように思う。

『沼地のある森を抜けて』梨木香歩/新潮文庫

『沼地のある森を抜けて』を読んだ。端的に言えば「人がひとりからひとりを生み出していた時代があったかもしれない」はなし。

もしも私がある日から二人に増えてしまったら、どうするだろう。聞いたことがある。二人目の自分に対する感情は、そっくりそのまま今の自分への評価なのだと。

私は、「ふたりもいらないなぁ」と思う。もう一人の私も「ふたりはいらないなぁ」と思っている。だから私はもう一人の私を、ぜんぜん私

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『キッチン』吉本ばなな/新潮社文庫

吉本ばななの『キッチン』では、主人公は台所に安寧を見いだしている。

「キッチンで死にたい。それは安心で、すこし前向きになる」

私はこの一文にとても、とても感動したから、ばななの真似っこをしようと思った。けれどできなかった。私の安いおんぼろアパートのキッチンは布団が引けないほど狭いし、何より、玄関を開けるとすぐそばにキッチンがあるせいで、とてもじゃないけど寒くて眠れない。

友達の前では「すぱっ

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読書感想文

ポメラを漁ったら読書感想文みたいなのが見つかりました。

なろうに投稿しようと思ったんだけど、なんか調子悪いみたいで繋がらなかったので、あと純粋な作品とはまた違うなと思ったので、とりあえずこちらに載せることにしました。

多分続かないです。でも思い出したときに更新できたらいいな。