ポスト資本主義社会とティール組織
ドラッカーが30年ほど前に書いた『ポスト資本主義社会』に対して、最近読んだ『ティール組織』が回答の大きな部分を占めるのではないかと考えて、自分なりの考えをまとめてみました。
『ポスト資本主義社会』の私なりの要約
社会は資本主義社会から知識社会へ移行。課題は、サービス労働と知識労働の生産性格差による階級闘争。国民国家は「巨大国家」となり、求心力を失った。ゆえに、社会の求心力としての市民性(社会のために生きる精神)の回復が必要。人のありようとしては『教育ある人間』が大切。
教育ある人間とは:多様な専門的知識を『理解する』(保持している、ではない)能力をもつ者。知識を預かるという姿勢を持つことが望ましい。
注意点:今の社会の課題を資本家と労働者の対立、と捉えると本質を見失う。たとえば、年金基金の大型化で資本家は我々自身となっている。
『ティール組織』の私なりの要約
人が、所属する組織の『存在理由』に心から同意し、自分の『全体性』を持って(仕事用の仮面を被らず)働くと、『自主経営』するようになり、その組織は指示がなくとも『自己組織化』(=自律的な組織化、と解釈しています。)していき、環境の変化に対応していく。
合体させると・・・
『ティール組織』により、従業員が『全体性』を回復し、居場所を得ることで市民性が回復される。ティール組織における、教育ある人間が行う知識の有効活用が、中央の指示なく、自己組織化を通じて、社会を豊かにする。
課題としては、『知識の経済学』の確立と、このような社会認識における政府の役割の再定義と教育ある人間の養成。
おまけ・ツールとしてのストレングスファインダー(SF)
SFは『全体性』を把握するのに便利なツール。不可欠とまでは言わないが、かなりの効率を生むと思われる。
団塊Jr。エンジニアを生業としつつ、経済学→経営学→心理学へと関心が移ってきた変な人。ついに退職し、「知識志本主義社会」へ旅立つ。夢(妄想?)は、アダムスミスやドラッガーのように結果として新たな学問領域を打ち立てること。SF:戦略性/学習欲/内省/慎重さ/着想