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優しさに埋もれて / ウブド(7)
2003/09/28
時折、ふらりと足を伸ばしてプリ・ルキサン美術館へ出掛けた。誰かに呼び止められることも、大声ではしゃぐこともない時間。それは、肌に触れる温もりと同じぐらい大切にしたいものだった。
もちろん訪れるたびに入館料が必要だった。最安値の食堂であれば料理が五皿ぐらい並ぶ程度の。
絵画や彫刻に触れることが食事と比べて高いか安いかなんて、本当のところはよく分からなかった。でも、この静謐
2003/09/28
時折、ふらりと足を伸ばしてプリ・ルキサン美術館へ出掛けた。誰かに呼び止められることも、大声ではしゃぐこともない時間。それは、肌に触れる温もりと同じぐらい大切にしたいものだった。
もちろん訪れるたびに入館料が必要だった。最安値の食堂であれば料理が五皿ぐらい並ぶ程度の。
絵画や彫刻に触れることが食事と比べて高いか安いかなんて、本当のところはよく分からなかった。でも、この静謐