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【Common Disease】 風邪

今回は【Common Disease】シリーズから、風邪について解説します。
Common Disease(コモンディジーズ)というのはごく一般的な病気のことで、救急ではまずこれを疑ったり除外したりします。
風邪もその一つで、救急外来に来院する人もたくさんいます。
風邪については「なんとなく理解している」くらいの人が多く、実際には違う病気の可能性もあるかもしれません。
今回は風邪の本質について説明し、風邪と他の疾患を見分ける方法に焦点を当てています!
(ウイルスと細菌を分別していますが、今後その違いを説明する記事も検討しています。細菌性なら抗生物質がいるのかな?くらいでお読みください!)


風邪ってなに?

風邪は正式には「かぜ症候群」といいます。
症候群とはあらゆる特定の症状の集まりをさします。
風邪を引いたときは咳をしたり、鼻水が出たりとさまざまな症状がでますよね!

原因の多くがウイルスです。インフルやコロナとか。
一つのウイルスでもかなりたくさんの種類があるため、複数回感染します。
風邪が治ったのにまたすぐ風邪をひいたり、ワクチンをしたのにインフルエンザになったなどはこれが原因です。
おもに咳やくしゃみで出た唾や、それがついた手で目や鼻の中などの粘膜に触れるといった飛沫感染、接触感染をします。
なので手洗いうがいは大事ですね!
補足ですが、昔面白い研究があって、イソジンより水でのうがいのほうが感染予防に効果があることがわかっています。

風邪には分類があり、それぞれ簡単に説明します!


風邪の種類

①せき、はな、のど型

熱、倦怠感、咳、鼻水・鼻詰まり、喉の痛み・違和感が出るものです。
ほぼウイルス性で、いわゆる感冒といわれます。
発症から3日ほどでピークとなり、7〜10日で治癒していきますが、まれに3週間ほど持続することもあります。
ピークを過ぎた後にもう一度ピークがある場合は、細菌による可能性もあるので受診を勧めます。
怖い病気はほぼありません。

②はな型

くしゃみや鼻水、鼻詰まりの症状があり、急性鼻炎、急性副鼻腔炎といわれます。
ほとんどがウイルス性ですが、細菌性は①と同じで、2回以上ピークがあるときです。
ウイルス・細菌問わず、自然治癒することも多いです。
見逃したくないものとしては、虫歯(う歯)がある人で、治療もせず放っておいた状態でこの症状がある場合です。歯性上顎洞炎といって歯からくる副鼻腔炎があり、治療を有するため早期受診をしてください

③のど型

のどの痛み、違和感(イガイガ)の症状で、急性咽頭炎、扁桃炎です。
比較的細菌性も多く、溶連菌による扁桃炎は有名です。溶連菌の場合は抗生物質を使う方が無難です。
症状でウイルス性と細菌性を判断するのは難しいですが、水や食事で痛みが強く出ない場合はほぼウイルス性で様子を見てもOKです。
見逃したくないものは多数あるため、危険なサインを説明しておきます。
今までの痛みで一番痛い、口が開かない、唾が飲み込めない、横にはなれず座って何かにもたれないと辛い、このような症状があるときはただちに受診をしてください。

④せき型

咳が主症状です。急性気管支炎といわれます。
咳だけが2-3週間続くことは普通にあります
多くがウイルス性ですが、肺炎との区別は少々難しいです。
呼吸が苦しい、歩けないなどの症状がある人、熱と咳のみで高齢者であれば早期受診を勧めます。


風邪じゃないかも!?

2つ紹介しますが、いずれも「風邪で症状が乏しい状態」もしくは「風邪だけど症状が出る前の状態」などで風邪であることがほとんどです。
結局風邪かい!って思うかもしれませんが、受診の目安を記載しますのでご確認を!

⑤高熱のみ型

高齢者であれば早期受診を勧めます、細菌性の可能性ありです。
また、直近で海外へ行かれた方や動物を飼っている(鳥、猫など)場合も受診を考慮してください。

⑥微熱、倦怠感型

あまりにも想定できる病気が多いため、倦怠感(だるさ)の程度で考えるのが良いかもしれません。
だるすぎて通常の生活を送るのは難しそうであれば受診を検討されてください。
妊娠や薬剤による副反応もありえます。


どのような時に受診する?

上記にあるように、風邪は多くがウイルス性なので、特効薬みたいなものはインフルとCOVID-19くらいです。
そのため症状に合わせたお薬を飲むだけになります。自然治癒も十分見込めます。
以下のような状況は救急への受診を検討しても良さそうです。

  • 子どもが咳や鼻水などで眠れない

  • 市販薬を買いに行ける時間・体力がない

  • 上記の①〜⑥で症状が長い、細菌性の特徴あり

  • インフルエンザやコロナなどの感染で、出席停止の確認

もちろん上記以外でもOKですが、救急外来である必要はないかもしれません。
もし受診すべきか迷ったときは#7119や#8000(小児)に連絡してみてください
救急関連の相談窓口です。

以上で終了です、お疲れ様でした!何かあればコメントください♪

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