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政治講座ⅴ902「トランプ大統領待望論」

 2020年の大統領選にトランプ大統領が再選されたら、今のロシアのウクライナ侵攻は起こらなかったと言われている。ロシアのウクライナ侵攻はバイデン政権の失政であると言われている。今後ロシアがウクライナの領土を一部奪い取ることに成功し、勝利した姿を世界に見せたなら、次の模倣するのが中国の台湾侵攻である。中国は虎視眈々と台湾侵攻の機会をうかがっているのである。世界を俯瞰して、第三次世界大戦を防げるのはトランプであると信じて止まない。 今回はそれを主張する報道記事を紹介する。

     皇紀2683年3月6日
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司

「私なら第3次大戦防げる」=トランプ氏、米保守系集会で訴え

 【ワシントン時事】2024年米大統領選に立候補したトランプ前大統領は4日、ワシントン近郊で開かれた保守系集会「保守政治行動会議(CPAC)」で演説した。ロシアによるウクライナ侵攻に触れ「私は第3次世界大戦を阻止できる唯一の候補だ」と支持を訴えた。

4日、ワシントン近郊で開かれた保守系集会で演説する
トランプ前米大統領(EPA時事)© 時事通信 提供

 トランプ氏は大統領当時、ロシアのプーチン大統領に「どの国も侵略するな、モスクワが大打撃を受けることになる」と警告したと主張。トランプ政権時代にはロシアが他国を侵攻しなかったと豪語した。 また、返り咲きを果たせば「対中国の(貿易優遇措置である)最恵国待遇を即座に撤回する」と約束。中国からの重要物資の輸入を4年計画で廃止すると語った。 

トランプ氏、保守派集会で「最後の闘いだ」 最有力対抗馬は出席せず

ワシントン=合田禄2023年3月5日 14時00分

 2024年の米大統領選への立候補を表明しているトランプ前大統領が4日、ワシントン近郊で開かれた保守派最大の政治イベント「保守政治活動会議(CPAC)」で講演し、「人々はアメリカファースト(米国第一)を望んでいる。最後の闘いだ」などと述べて支持を訴えた。

 トランプ氏が立候補表明した後の演説としては、最大規模の聴衆となった。CPACはかつて、共和党内で大統領選への立候補が有力視される候補が次々と登壇する場だったが、今回は出席しない有力者も目立った。

 最終日の夜に登壇したトランプ氏は、予定された1時間を超えて約1時間40分にわたって話し続け、自身が大統領だったときの実績を強調。ウクライナ支援に力を入れるバイデン政権を批判し、大統領に返り咲けば米国内の移民問題を重視して「我々の国境をまず守る」と持論を展開した。

 さらに、トランプ氏の主張に同調しない共和党の政治家らを指す「RINO(ライノ、名ばかり共和党員)」という言葉を使い、「人々はRINOやグローバリストにうんざりしている」とし、自らを「戦士」になぞらえて「報復」すると訴えた。デサンティス氏の姿ない。


誰もトランプが当選するとは予想していない時期の方法記事 (2016年版)

日本でじわり広がる”トランプ大統領”待望論―対米自立か隷属か―

古谷経衡作家/評論家/一般社団法人 令和政治社会問題研究所所長

2016/3/27(日) 

数々の暴言・奇言・珍言(?)で当初「泡沫」扱いされてきたドナルド・トランプが、共和党予備選挙で過半数を獲得する可能性が日増しに高まってきた。そしてここにきて、日本でも、特に保守層からじわりと「トランプ大統領待望論」が広がりを見せている。その背景と構造を探る。

・「対米追従からの脱却」としてのトランプ待望論

3月23日、元大阪市長の橋下徹氏は、ツイッターで以下のように発言したことがにわかに注目された。

沖縄の米軍基地をなくしたい人たちへ。トランプ氏が大統領になればすぐに沖縄米軍基地はなくなるよ。朝日新聞、毎日新聞、沖縄米軍基地反対派はトランプ氏を熱烈応援すべきだ。

出典:橋下徹氏Twitter

無論この発言は、リベラルメディアへの揶揄を含んでいるが、橋下氏の見解には一理どころか二理も三理も、四理もある。ジャーナリストの冷泉彰彦氏によれば、「(トランプの姿勢は)強いて言えば、不介入主義とか、孤立主義と言えるもの」(Newsweek日本語版 2016年2月16日)という。特にトランプの対日姿勢に関する発言を聞いていれば、この分析は正鵠を射ている。

トランプは「在日米軍の駐留経費を(日本が)大幅増額せねば撤退」と発言しているし、「日本がアメリカの防衛義務を負わないのに、なぜアメリカが日本を守る必要があるのか」と言った主旨の発言(その事実認識はともかく)を繰り返している。この発言を額面通りとれば、このまま共和党予備選挙でトランプが指名され、本戦でも勝ったならば確実に日米同盟は後退する。あるいは辺野古移転問題が進展しないのならば、いっそのこと米軍はグアムまで後退し、日本防衛の必要なし、という流れになるかもしれない。

そうなると、逆説的には「対米従属」から日本は「強制的に脱却」する、という流れが強まる。中国の海洋進出や北朝鮮の核の脅威に、日本はアメリカの援護なしに自主防衛の道を余儀なくされるだろう。

ここに注目しているのが「民族派」「自主独立派」の流れをくむ日本国内の右派である。

現在のところ、日本の保守論客からは、トランプが白人ブルーカラー層から支持をされている点に着目して、民主党候補のサンダースと同様に反グローバリズムの視点から評価を下しているもの(三橋貴明氏)、既存メディアのタブーを突破して過激な言説が受けている姿勢そのものを評価するべき(田母神俊雄氏)などといった声が上がっている。

特に後者の、「トランプが既存メディアのタブーに果敢に挑戦する姿勢」を日本の国内状況に重ねあわせ、リベラルの姿勢を糾弾するもの(馬渕睦夫氏)など、「反メディア」の観点からトランプを評価する視点が多数であり、日本国内の「ネット右翼(ネット保守とも)」にもそのような風潮は根強くある。つまり反メディア、反リベラルとしてのトランプ評価(そしてそれを日本国内の状況に援用する)が圧倒的であり、いずれも「対米従属からの脱却」という視点での声は鈍かった。

が、前述の橋下氏のように「対米従属からの脱却」という視点からトランプを「逆張り」で評価する声も出始め、例えば憲政史家の倉山満氏は自身の動画番組で「(トランプが大統領になった場合)日本が自主独立を果たす最後のチャンスになる」(2016年3月13日)と肯定的な見解が保守正面から出始めている。

・トランプをめぐり三分される日本の保守層

親米保守的傾向が強い産経新聞は、筋論でいえば共和党主流派が推したルビオへの支持が順当であったが、彼が地元フロリダで敗北し予備選から撤退すると、にわかに「トランプ準備論」とも言うべき論調が目立ってきた。

福井県立大学教授の島田洋一氏は、3月24日付の産経新聞で「日本は”トランプ政権”を視野に入れつつ、安全保障問題を中心に、より自律的姿勢を強めていくべきだろう」とコメント、トランプの姿勢を基本的には批判しつつも「自律的姿勢」という言葉を用いて対米自立の姿勢を匂わし、「トランプ準備論」ともいうべき主張を展開している。

旧来型の親米保守は-そしてこれが現在の保守層のマジョリティであるが-、いまだにトランプへの嫌悪感を引きずっている。例えば保守派の論客で知られる神奈川大学教授の小山和伸氏は、CS放送内で「(トランプがアメリカ大統領になった場合)日本はアメリカ無しでチャイナと戦う。それでいいんでしょうか」(2016年3月23日)と述べ、露骨なトランプ批判を隠さない。

親米保守にとってトランプは「日米同盟の強力な靭帯」破壊の害悪であると認識されているが、と同時に自主独立を目指すある種の右派・保守にとっては逆説的に「またとない機会」と受け止められ始めている。

つまりトランプへの評価を巡って、日本国内の保守層は「三分」されていると観て良い。

この構造を図示すると下記のようになる。

1)は「反メディア」「反リベラル・左派」としてのトランプ支持で、所謂「ネット保守層」の大きな部分を占める。ここに該当するのが前述した田母神氏や馬渕氏、といった論客の論調だ。

2)は古典的な親米保守の立場からトランプを批判するもので、前述の島田氏はこの中でも3)のベクトルに近い、より柔軟な立場であり、逆に小山氏はど真ん中、ということになる。

最後の3)は1)と2)のほぼ何処にも属さない民族主義的な対米自立志向の保守主義者であり、前述の例を用いれば倉山氏、ということになる。あるいは改憲論者である橋下氏にもこの傾向は顕著に現れていよう。

たったひとりの大統領候補(しかも予備選)の段階で、こうも保守層からの評価が分裂する現象は珍しい。

・”トランプ大統領”実際には難しいか?が、しかし…

ニューヨーク・タイムズによると、現時点(2016年3月27日午前)でトランプの共和党代議員(Delegates)の獲得数は738名、2位のテッド・クルーズは463名、主流派として孤軍奮闘するケーシックが143名である。残された代議員は848名、共和党の代議員の過半数は1,237名なので、トランプはちょうどあと500名弱の代議員を獲得すれば有無をいわず共和党大統領候補に指名されるが、ことはそう簡単にも行きそうにない。

同紙の予測によれば、6月7日に行われるカリフォルニア州予備選挙(代議員数172名)でトランプが勝てば過半数の可能性があるが、ここでクルーズに負けると過半数には一歩届かない、という風になる。そうなると候補者のいずれも過半数には届かないので共和党党大会で決選投票が行なわれる。

冒頭の冷泉彰彦氏によれば、「いずれの候補も過半数に届かない場合は、共和党党大会で1回~3回にわたって決選投票が実施される可能性が高まっている」(Newsweek日本語版 2016年3月15日)という主旨の分析を行っている。このシナリオが現実化すれば、トランプが共和党党大会で指名される可能性は遠退き、ロス・ペロー(1992年)のように民主・共和でもない第三の独自候補として脚光を浴びる可能性もある。国際政治学者の藤原帰一氏もこの可能性に言及している。いずれにせよ、6月7日の大票田・カリフォルニア州の結果を見極めるまで、トランプの周辺は予断を許さない状況が続く。

ちなみに最後に筆者の見解を述べると、前述の「保守の三分」分類で、私と最も親和性が高いのは3)である。私は、憲法9条2項を改正して対米従属によらない、自主防衛の道が日本の進むべき路線であると常日頃から思っているが、一方でトランプの反知性的な物言いには辟易して、とても彼を政治家として評価できる立場にはなかった。

しかしながら、事ここに至って、180度考え方を転換し、「日本の対米従属脱却」という視点で考えれば、日本の保守派からトランプ大統領待望論が沸き起こっている事実は、彼のレイシスト的発言は看過できないにせよ、筋論としては肯定するべきかなとも思いはじめている自分を偽ることが出来ない。真に「日本の対米追従」を終焉させるのは、もしかするとトランプ大統領が最適なのかもしれない可能性がある。

無論この場合は、かわぐちかいじ氏の『沈黙の艦隊』のように、日本が能動的に「対米追従からの脱却」を果たすのではなく、どちらかといえば「日本がアメリカから一方的に見放される」状況に陥るのだが、どちらにせよ「対米自立」が加速するのは間違いはない。まるで作家・村上龍氏が描いた『希望の国のエクソダス』や『愛と幻想のファシズム』といった世界に近い、「日本人自らが考え、選択する自主自立の国・社会」の可能性が開けるのかもしれない。そこへ、わずかにでも希望を見出す私が居る。

いずれにせよ今後の動静から目が離せない。今年は参院選も含め、興味深い”夏”になりそうだ。

記事に関する報告

古谷経衡

作家/評論家/一般社団法人 令和政治社会問題研究所所長

1982年北海道札幌市生まれ。作家/文筆家/評論家/一般社団法人 令和政治社会問題研究所所長。一般社団法人 日本ペンクラブ正会員。立命館大学文学部史学科卒。テレビ・ラジオ出演など多数。主な著書に『愛国商売』(小学館)、『日本型リア充の研究』(自由国民社)、『女政治家の通信簿』(小学館)、『日本を蝕む極論の正体』(新潮社)、『意識高い系の研究』(文藝春秋)、『左翼も右翼もウソばかり』(新潮社)、『戦後イデオロギーは日本人を幸せにしたか』(イースト・プレス)、『ネット右翼の終わり』(晶文社)、『欲望のすすめ』(ベスト新書)、『若者は本当に右傾化しているのか』(アスペクト)等多数。

揺らぐバイデン政権 アメリカに広がる“トランプ待望論” サンデーモーニング【風をよむ】

2022年4月3日(日) 15:30

■広がり始めた「トランプ待望論」ともいうべき空気

こうした中、あるツイッタ―が、アメリカで話題に・・・
トランプ氏が2024年の出馬の可能性をほのめかす

3月28日、投稿したのはトランプ前大統領の顧問を務めていたジェイソン・ミラー氏。このつぶやきが波紋を呼んだのです。
実際はトランプ氏は次期大統領選への出馬を表明していませんが、ここ最近、出馬を意識したとも取れる動きが目立ちます。例えば、トランプ氏側はネガティブ・キャンペーンともとれる動画を投稿。

teamtrumpインスタグラム:
「インフレは過去40年の高さ。ガソリン価格は天井知らず。国際舞台におけるバイデンの弱さ・失敗は、もはや明白」

また3月26日、ジョージア州で開かれた集会でも、トランプ氏は熱狂的な聴衆を前に、バイデン氏を厳しく批判したのです。

トランプ前大統領:
「アメリカ史上最悪の大統領を5人を集めても、バイデンがたった15か月で犯した失敗には及ばない。バイデンは、ロシアのウクライナ侵攻を阻止するのに完全に失敗した

こうした中、アメリカ社会に「トランプ待望論」ともいうべき空気が広がり始めているのです。

トランプ前大統領:「われわれはアメリカを再び偉大にする!」

2月末、フロリダ州で保守系団体によって行われた次期大統領選での共和党候補者指名の模擬投票。トランプ氏は、2位にダブルスコアの大差をつけて1位となります。
またハーバード大学の研究所などが3月29日に発表した世論調査でも、2024年の大統領選が今行われた場合、トランプ氏に投票すると答えた人が47%と、バイデン氏の41%を上回りました。

トランプ氏の支持者:「トランプ氏は最高。彼はアメリカをまた偉大にするし、世界もまた偉大にするわ」

トランプ氏の支持者:「もしトランプ氏が出馬するなら、また支持するよ」

■「核戦争一歩手前だと思うような空気も広がっている」

ロシアのウクライナ侵攻直前(2月22日)に、保守系ラジオ番組でプーチン氏を「天才的」と称賛して批判を浴び、また2021年1月の連邦議会襲撃事件でも、いまだ批判されるトランプ氏。
にもかかわらず、なぜトランプ氏に期待する風潮が広がっているのか。専門家は・・・

上智大学 前嶋和弘教授 (現代アメリカ政治) :
「アメリカのメディアは朝から晩までウクライナのニュース。世論調査の中には約半数がプーチンがアメリカに向けて核を打ってくるんじゃないかと危惧するもの(調査)も出ている。核戦争一歩手前だと思うような空気もアメリカでは広がっている
そうした社会の不安が影響を及ぼしていると前嶋教授は言います。

前嶋教授:「戦争のような危機的な状況になると、強引なリーダーを人々は求める。バイデンが弱腰だったんじゃないか、もしトランプだったらプーチンの侵攻を止めていたんじゃないかと。ただ一方で、世界は特に欧州は、トランプ再登板に関して“ノー”、ヨーロッパの結束が崩れてしまうんじゃないかと、かなり警戒している」

支持率低迷にあえぐバイデン政権。その一方で、徐々に広がる「トランプ待望論」とも呼べるような空気。今後、アメリカはどこへ向かうのでしょうか。
(「サンデーモーニング」 2022年4月3日放送より)


参考文献・参考資料


「私なら第3次大戦防げる」=トランプ氏、米保守系集会で訴え (msn.com)

トランプ氏、保守派集会で「最後の闘いだ」 最有力対抗馬は出席せず:朝日新聞デジタル (asahi.com)

日本でじわり広がる”トランプ大統領”待望論―対米自立か隷属か―(古谷経衡) - 個人 - Yahoo!ニュース

揺らぐバイデン政権 アメリカに広がる“トランプ待望論” サンデーモーニング【風をよむ】 | TBS NEWS DIG (2ページ)

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