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生まれて初めてもらったボーナスで職業用のミシンを買った

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生まれて初めてもらったボーナスで職業用ミシンを買った話を書いていたら自分の半生記みたいになってしまっている。
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生まれて初めてもらったボーナスで職業用のミシンを買ったけど、話がうまくまとまらなかった話

生まれて初めてもらったボーナスで職業用のミシンを買ったけど、話がうまくまとまらなかった話

去年の夏に生まれて初めてのボーナスをもらって、かつて苦手だ嫌いだと思っていた仕事で自分を認めてもらい、それで今まで欲しかったけど金銭的にも気持ち的にも買えないと思っていた職業用のミシンをとうとう買った、それがすごく感慨深かった、という話。

何回にも渡り長文で綴ってきたものはこの一文で済んだのでは…Twitterなら1ツイートでいけたのでは…

書き出しの当時はもっと短くまとめられると思ったのに、

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生まれて初めてもらったボーナスで職業用のミシンを買った⑦

生まれて初めてもらったボーナスで職業用のミシンを買った⑦

夏にもらったボーナスの話をしていたはずなのに、なかなかミシンを買わないまま夏が終わり、ついでに2017年も終わり、年が明けました…ひっそりと話を再開します…

少しずつだけど失敗の数が減ってきて、帳簿をつけながら楽しいと思う時も出てきたある日、妊娠した。

前職で身体を壊してから年々体調不良に悩まされるようになり、子供が欲しいと願っていたが半ば諦めてもいた矢先の事だった。

産休、育休合わせて10

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生まれて初めてもらったボーナスで職業用のミシンを買った⑥

生まれて初めてもらったボーナスで職業用のミシンを買った⑥

慣れない仕事ですっかり卑屈になってしまっていたが、それにも飽きる時が来る。

会社の為にも、そして自分の為にも今の仕事をもっと前向きに捉えたい。
商業簿記三級の資格を取る為、経理の学校に短期間通う事にした。
学校に通ってみて改めて分かったのだけど、私は根本的に何にも理解出来てなかった。
そりゃ帳簿ミスも直らんわ。
むしろそれでよく3期まで乗り越えたわ。
(3期までちゃんと勉強しようという発

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生まれて初めてもらったボーナスで職業用のミシンを買った⑤

生まれて初めてもらったボーナスで職業用のミシンを買った⑤

初めての決算は、社会経験の乏しい私にたくさんの課題と不満を残した。

「洋裁の仕事ならこんな風なミスはしないのに」
「これが洋裁の仕事なら周りをすっきり見通せて、自分のやるべき事が分かるのに」
「何で私は経理なんて向いてない仕事をやらされているんだろう」
「何で私は洋裁の仕事を辞めたんだろう」

何かミスをして注意を受けるたび、そんな事ばかりを考えていた。
そんなに嫌ならやめちまえよと言いたいが、

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生まれて初めてもらったボーナスで職業用のミシンを買った④

生まれて初めてもらったボーナスで職業用のミシンを買った④

専門学校にも行った事がなければ、まして他所での経験もない未経験で未熟な馬鹿たれ。
そして更に言えば
技術的に無知なのに加えて社交性も著しく低く、分からない事があっても素直に聞けず勝手に自己流でやり過ごす。

基本的にあまり変わっていない自分に落ち込んでいた(今書いていても改めて落ち込む)。

あまり変わらないどころか、余計に悪化していた。
恋人がほぼ1人でやっている会社にはめちゃくちゃ怖いが尊

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生まれて初めてもらったボーナスで職業用のミシンを買った③

生まれて初めてもらったボーナスで職業用のミシンを買った③

変人の社長と揉めて退職の運びとなった訳だけれども、職場の人間関係自体は良好だった。

先輩方や同僚たちが開いてくれた送別会には部署の垣根を超えて沢山の人が来てくれた。
用事があって来られない人達は餞別や贈り物をくれた。
会の最後には皆からの寄せ書きとアルバム、そしてなんと手作りの帽子までプレゼントしてくれた。
締めの挨拶の場でプレゼントのベレー帽を被せてもらい、思い出の詰まったアルバムを胸に抱

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生まれて初めてもらったボーナスで職業用のミシンを買った②

生まれて初めてもらったボーナスで職業用のミシンを買った②

20歳の時に始めた洋裁の仕事は27歳までの7年間続けた。

今にしてみるとたった7年間なのだけど、その7年の間に夜間の洋裁専門学校に通い始め、恋人ができ、生活を共にし、体調を大きく崩してしばらく休職したりと少なからず色々あった。
職場でもそれは同じで、尊敬していた上司が変人の社長と揉めてあっけなく退職、それに伴う人事異動で持ち場が変わり受け持つ仕事の幅が増えた。特殊なミシンの操作を任され、繁忙期に

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生まれて初めてもらったボーナスで職業用のミシンを買った①

生まれて初めてもらったボーナスで職業用のミシンを買った①

今日、生まれて初めてのボーナスで職業用のミシンを買った。

20歳になってすぐ洋裁の仕事についた。専門学校に行ったわけでも、まして他所での経験もない未経験かつ未熟な馬鹿たれの私だったが、何の奇跡か変人の社長に気に入られ、即採用された。

技術的に無知なのに加えて社交性も著しく低く、分からない事があっても素直に聞けず勝手に自己流でやり過ごすという、今目の前にタイムマシンがあったらその時の私をぶん殴り

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