見出し画像

制作日記:来週掲載詩画集の事、固まりつつある制作スタイル


3月19日掲載詩画集「鴉の夢路」について

タイトル作品「鴉の夢路」ペン画制作風景

2024年3月19日に詩画集をnoteとショッピングサイトbaseでデジタルコンテンツとして掲載販売予定。
同時にペン画も販売するので準備中です。

「鴉の夢路」は昨年9月ごろに参加した展示〈幻想の扉〉の参加作品の為に制作したものです。
再編集をする予定はありませんでしたが、「鴉」というキャラクターを生み出すきっかけになったアーティストさんが亡くなった報を知ったのがきっかけです。
突然すぎて受け入れられない。
悲しすぎて作品を見れずに聴けない。
親が他界した翌年だったので、これ以上受け付けられなかったかもしれません。そのアーティストの作品には影響を受けた上に精神的にも助けてもらっていた事が多かった。
〈このまま、悲しみのまま忘れるのは嫌だな〉
〈曲を聴けなくなるのは寂しいな〉
そんな思いが募り執筆が始まりました。

当時の掲載していた作品と新たに描いた作品
作品ごとの詩と小説
20ページ以上になりました。
修正や再制作や編集を重ねる日々での中、曲が数曲聴けるようになりました。まだ動画は無理ですが、その雄姿は鮮明に記憶に残っています。
この作品はそのアーティストへの感謝と自分なりの気持ちが込められればい良いと制作しました。
まだ影響を受けた過去作品と、新たに現在の気持ちで思い浮かぶ作品のあるので〈鴉の物語〉として制作を続けられたらと思います。

詩画集「鴉の夢路」
掲載作品7点
ペン画/文章/編集 卯月螢

掲載日:〈note〉2024年3月19日(火)20時より掲載(有料記事)
    *noteのご登録がなくてもご購入いただけます
   ショッピングサイトBASE〈gallery卯月〉
    2024年3月19日(火)20時より掲載

    掲載作品7点をサイトに掲載販売
    詩画集をPDFとしてデジタルコンテンツとして販売。
    ダウンロード可能です。


掲載作品「微笑」ペン画/150×100㎜
吸血鬼と従者の物語

語りべ鴉~この世を渡る放浪者~

「鴉」が生まれたのは中学生の頃〈この世を渡る放浪者〉というイメージで最初は小説を書こうと思いつきました。
自分の居場所が不安定に感じていた多感な頃。
それを誰かに聞いてもらえる環境にもいなかったので、制作という世界に入り浸る事が多く、他人や家族との距離を意識的に取り出した頃でした。
傷つきやすい年ごろで、さらに傷つきやすい精神状態でしたので距離を置く事は自己防衛に近かったように振り返ります。
大勢の中での孤立と孤独。
拠り所のない気持ちを抱え過ごす日々。

そんな中で出会ったのがあるアーティストでした。
キャッチャーなメロディーなのに、時にものすごい孤独感を感じる楽曲もありその詩の世界観に触れて〈何かを表現する事〉に興味をもちました。
〈自分の中では抱えきれない孤立感と孤独感を表現することで安定を保つ〉
始めた当初は憧れが大きく〈自身を安定させる〉とは意識していませんでしたが、〈放浪者〉という語りべを物語の中で動かすことで知らず自分自身を見失う事がなかったのではないのかと思います。
「この悲しさには意味がある」
「この苦しさには理由がある」
物語として出来事を客観視して、それを俯瞰している自分自身を〈鴉〉として作り出すことで心を守っていたように思います。
思えば、制作の始まりは自己防衛だったかもしれませんね。

「愚者の杖」2024年制作 ペン画 150×100㎜
強者の威を借るモノの例えの作品
〈gallery卯月〉掲載中

色彩心理受講の備忘録「色彩心理を受講して、色を思い出した話」にも書きましたが、この多感な頃に感情的になる事は無く、少しずつ自分の感情の起伏が歪に構築されてきたことを理解しました。
しかし制作として客観視することで、他人の悲しみや憤りや喜びを分析し物語として記録することで振り返る事が出来たのではないのかとも思います。

「鴉」は〈人の深い感情や出来事を客観視する傍観者としての自分〉
描かれる登場人物は〈客観視してきた人々を観察して作り上げた記録〉

そんな思いがします。
よく自分の作品を「日記のようなもの」と説明しますが、この「鴉」という物語は自分の中の暗い部分の気持ちを表したものかもしれません。

制作風景「鴉」「微笑」ペン画

*色彩心理で自身を振り返った記録

光と影の孤独感

私の記事には〈孤独感〉がよくでてきます。
自分自身を振り返り、孤立感と虚無感を表したのが始まりでした。
それが、亀裂の入る木々と人の心を表した〈倒木〉という作品です。
それは、前回の制作日記〈再びの倒木と最近の事〉で書いたので割愛しますね。

色彩心理を受講し自分自身を振り返った今は、トラウマや孤独感など過去を振り返り留まるのではなく、抱えながらも新たに違うもので表現したいと模索しています。
〈孤独感〉と言っているに、自分で言うのもなんですが前向きです。
でも、光が差して影が出来るように後ろ向きな自分も存在します。
理解し合えないもどかしさ、理解不能な不条理。
自分自身にはまだ光が差さない孤独感も存在します。
物事はすべて完璧に解決することは難しく潔癖ではいられません。
そんな影の部分がある事を知っています。
なので前向きな事だけではなく、自身として影の部分も表現する事として大事にしています。
なので、新たに生き直す孤独感〈倒木〉と振り返り見つめ直す孤独感〈鴉〉
その二つを制作することが、現在のテーマです。

「トモシビ」2020年制作 ペン画 218×154㎜
現在〈gallery卯月〉掲載中
孤独の中で安らぎを感じた時を描きました

最近固まってきたスタイル

「絵を描いているのだから、描く事だけに集中しなければならない」
そんな思いで数年ほど制作をしてきました。
色彩心理を受けて自分が唯一〈楽しい〉と実感できることを思い出してから、絵だけではない制作もしてきたことを振り返ります。
漫画の投稿をしたり、文学部の冊子で小説を書いたり
専門学校で詩や小説の勉強をしたり
脚本学校に通ったり
物心ついてから絵を描く事が好きだったので独学で作品を作り
県展や公募展に出展したり
〈制作〉と名の付くものはいろいろやってきました。
友人に「形にすることができるのなら行動した方が良い」
   「作品を作り上げる為にいろんな道具を活用した方が良い」
〈一つの事と決めつけずにできる事を真摯に行動した方が良い〉
と目の覚める言葉をもらいました。

今までは、〈しなければならない〉と決めてしまい安全な限界値を定めていたと思います。
コロナ渦からいろいろあり、制作ができない日々を過ごしてきて悔いのないように制作したいという思いが湧いてきた事と同等に、自分自身に合った
制作スタイルを模索してきました。
まだ検証段階ですが
〈絵を描く〉⇒〈詩を書く〉⇒〈詩画集として発表する〉
このスタイルが定着しつつあります。
バンドの例えると、曲を書いて、詞を付けて、楽曲として発表する。
思えば制作する事のきっかけがバンドのボーカルさんへの憧れだったので、原点回帰のようなものかなと個人的に思っています。
個展などは、まだまだ先になるかもしれませんがこのスタイルを維持しつつ
グループ展参加や詩画集の掲載で活動していけたらと思っています。

 

2024年3月17日(日)

制作日記

詩画集


宜しければサポートお願いします。いただいたサポートは画材購入や展示準備など制作活動に使わしていただきます!