吾妻利秋

Twitterのbotも動かなくなってしまい、レンタルサーバーの反応もおそくなっている…

吾妻利秋

Twitterのbotも動かなくなってしまい、レンタルサーバーの反応もおそくなっているみたいで、私がまだ動くうちに移植をこころみむとてするなり。 移植元 https://tsurezuregusa.com/

マガジン

  • 決断の指針が必要なとき

    おりにかなう助け 『徒然草』のことば。 「そのとき、あなたはここを読んでください」

  • 旅に出発するとき

    おりにかなう助け 『徒然草』のことば。 「そのとき、あなたはここを読んでください」

  • 感謝のおもいがあふれるとき

    おりにかなう助け 『徒然草』のことば。 「そのとき、あなたはここを読んでください」

  • 愛する者が亡くなったとき

    おりにかなう助け 『徒然草』のことば。 「そのとき、あなたはここを読んでください」

  • 意気消沈したとき

    おりにかなう助け 『徒然草』のことば。 「そのとき、あなたはここを読んでください」

最近の記事

徒然草 跋文

現代語訳  この徒然草上・下二巻は吉田先生が、暇な毎日に、だらだらしながら人生の黄昏に向かって、心に浮かんだ妄想を書き写したものである。最近、堺市の儒学者・三宅寄斎がこたつで脚を伸ばしながら、老子の虚しさを話し、荘子の自然を説明し、暇な日には、二、三人の弟子に対して、徒然草の講義を行った。それでは飽きたらず、後に、徒然草を書き写して、印刷屋に注文し版下を作り、その二、三人の弟子にくれてやった。その際に三宅寄斎は、句読点や清音、濁音、その他の校正を私に依頼してきた。私はなんと

    • 徒然草 第二百四十三段

      現代語訳  八歳の私は父に、「お父ちゃん。仏様とはどんなものなの」と聞いた。父は、「人間が仏になったのだよ」と答えた。続けて私は、「どんな方法で人は仏になるの」と聞いた。父は、「仏の教え学んでなるんだ」と答えた。続けて私は、「その仏に教えた仏は、誰から仏の教えを学んだんですか」と聞いた。父は、「前の仏の教えを学んで仏になったのだよ」と答えた。続けて私は、「それでは最初に教えた仏は、どんな仏だったのですか」と聞いてみた。父は、「空から降ってきたか、土から生えてきたのだろう」と

      • 徒然草 第二百四十二段

        現代語訳  人が性懲りもなく苦楽の間を逡巡するのは、ひとえに苦しいことから逃れて楽をしたいからである。楽とは何かを求め執着することだ。執着への欲求はきりがない。その欲求は第一に名誉である。名誉には二種類ある。一つは社会的名誉で、もう一つは学問や芸術の誉れである。二つ目は性欲で、三つ目に食欲がある。他にも欲求はあるが、この三つに比べればたかが知れている。こうした欲求は自然の摂理と逆さまで、多くは大失態を招く。欲求など追求しないに限る。 原文

        • 徒然草 第二百四十一段

          現代語訳  月が円を描くのは一瞬である。この欠けること光の如し。気にしない人は、一晩でこれ程までに変化する月の姿に気がつかないだろう。病気もまた満月と同じである。今の病状が続くのではない、死の瞬間が近づいてくるのだ。しかし、まだ病気の進行が遅く死にそうもない頃は、「こんな日がいつまでも続けばいい」と思いながら暮らしている。そして、元気なうちに多くのことを成し遂げて、落ち着いてから死に向かい合おうと考えていたりする。そうしているうちに、病気が悪化し臨終の間際で、何も成し遂げて

        徒然草 跋文

        マガジン

        • 決断の指針が必要なとき
          8本
        • 旅に出発するとき
          4本
        • 感謝のおもいがあふれるとき
          2本
        • 愛する者が亡くなったとき
          4本
        • 意気消沈したとき
          4本
        • 悲しみで心がふさぐとき
          3本

        記事

          徒然草 第二百四十段

          現代語訳  人目を避けて恋路を走り、仕掛けられたトラップを突破し、暗闇の中、逢瀬を求めて性懲りもなく恋人のもとへと馳せ参じてこそ、男の恋心は本物になり、忘れられない想い出にも昇華する。反対に、家族公認の見合い結婚をしたら、ただ間が悪いだけだ。  生活に行き詰まった貧乏人の娘が、親の年ほど離れた老人僧侶や、得体の知れない田舎者の財産に目がくらみ、「貰ってくださるのなら」と呟けば、いつだって世話焼き役が登場する。「大変お似合いで」などと言って、結婚させてしまうのは悪い冗談とし

          徒然草 第二百四十段

          徒然草 第二百三十九段

          現代語訳  十五夜と十三夜は牡羊座が輝いている。その頃は空気が澄んでいるから月を観賞するのにもってこいだ。 原文 注釈 婁宿 ― 古代中国の天文学で、黄道に近い二十八星座を基準に月や太陽の位置を示した。これを二十八宿と呼び、「婁宿」は、その一つ。

          徒然草 第二百三十九段

          徒然草 第二百三十八段

          現代語訳  随身の中原近友が自慢話だと断って書いた、七つの箇条書きがある。全て馬術の事で、くだらない話だ。そう言えば、私にも自慢話が七つある。  一つ。大勢で花見に行ったときの事である。最勝光院の近くで馬に乗る男がいた。それを見て、「もう一度馬を走らせたら、馬が転んで落馬するでしょう。見てご覧なさい」と言って立ち止まった。再び馬が走ると、やはり引き倒してしまい、騎手は泥濘に墜落した。私の予言が的中したので、連中は、たまげていた。  一つ。後醍醐天皇が皇太子だった頃の話で

          徒然草 第二百三十八段

          徒然草 第二百三十七段

          現代語訳  道具箱の蓋の上に物を置く際には、縦に向けたり横に向けたり、物によってそれぞれだ。巻物は、溝に向かって縦に置き、組木の間から紐を通して結ぶ。硯も縦に置くと筆が転がらなくて良い」と三条実重が言っていた。  勘解由小路家の歴代の能書家達は、間違っても硯を縦置きにしなかった。決まって横置きにしていた。 原文 注釈 柳筥 ― 柳の組木細工で作った箱。二つの足を台に付け、蓋には、烏帽子、冠、お経、書物、硯、筆を載せた。三角に切った柳の木材を紐で結んで作ったのでギザギ

          徒然草 第二百三十七段

          徒然草 第二百三十六段

          現代語訳  京都の亀岡にも出雲がある。出雲大社の分霊を祀った立派な神社だ。志田の何とかという人の領土で、秋になると、「出雲にお参り下さい。そばがきをご馳走します」と言って、聖海上人の他、大勢を連れ出して、めいめい拝み、その信仰心は相当なものだった。  神前にある魔除けの獅子と狛犬が後ろを向いて背中合わせに立っていたので、聖海上人は非常に感動した。「何と素晴らしいお姿か。この獅子の立ち方は尋常ではない。何か深い由縁があるのでしょう」と、ボロボロ泣き出した。「皆さん、この恍惚

          徒然草 第二百三十六段

          徒然草 第二百三十五段

          現代語訳  主人がある家には、他人が勝手に入って来ない。主人のない家には通りすがりの人がドカドカ押し入る。また、人の気配が無いので、狐や梟のような野生動物も我が物顔で棲み着く。「こだま」などという「もののけ」が出現するのも当然だろう。  同じく、鏡には色や形がないから、全ての物体を映像にする。もし鏡に色や形があれば、何も反射しないだろう。  大気は空っぽで、何でも吸い取る。我々の心も、幾つもの妄想が浮かんでは消え、消えては浮かぶ。もしかしたら、心の中身は空っぽなのかも知

          徒然草 第二百三十五段

          徒然草 第二百三十四段

          現代語訳  何かを尋ねる人に、「まさか知らないわけがない、真に受けて本当のことを言うのも馬鹿馬鹿しい」と思うからだろうか、相手を惑わす答え方をするのは悪いことだ。相手は、知っていることでも、もっと知りたいと思って尋ねているのかも知れない。また、本当に知らない人がいないとは断言できない。だから、屁理屈をこねずに正確に答えれば、信頼を得られるであろう。  まだ誰も知らない事件を自分だけ聞きつけて、「あの人は、あきれた人だ」などと省略して言うのも良くない。相手は何の事だかさっぱ

          徒然草 第二百三十四段

          徒然草 第二百三十三段

          現代語訳  何事でも失敗を避けるためには、いつでも誠実の二文字を忘れずに、人を差別せず、礼儀正しく、口数は控え目でいるに越したことはない。男でも女でも、老人でも青二才でも同じ事である。ことさら美男子で言葉遣いが綺麗なら、忘れがたい魅力になろう。  様々な過失は、熟練した気で得意になったり、出世した気で調子に乗って人をおちょくるから犯すのだ。 原文

          徒然草 第二百三十三段

          徒然草 第二百三十二段

          現代語訳  人間は何事も知らず、出来ず、馬鹿のふりをしたほうが良い。ある賢そうな子供がいた。父親がいる前で人と話すので中国の史書から話題を引いていた。利口には見えたが、目上の人の前だといっても、そこまで背伸びすることもなかろうと思われた。また、ある人の家で琵琶法師の物語を聞こうと琵琶を取り寄せたら柱が一つ取れていた。「柱を作って付けなさい」と言うと、会場にいた人格者にも見えなくはない男が、「使わない柄杓の柄はないか」と立ち上がった。爪を伸ばしているから、この男も琵琶を弾くの

          徒然草 第二百三十二段

          徒然草 第二百三十一段

          現代語訳  園の別当入道は、二人といない料理人である。ある人の家で見事な鯉が出てきたので、誰もが皆、別当入道の包丁さばきを見たいと思ったが、軽々しくお願いするのもどうかと逡巡していた。別当入道は察しの良い人物なので、「この頃、百日連続で鯉をさばいて料理の腕を磨いております。今日だけ休むわけにもいきません。是非、その鯉を調理しましょう」と言ってさばいたそうだ。場の雰囲気に馴染み、当意即妙だと、ある人が北山太政入道に言った。北山太政入道は、「こんな事は、厭味にしか聞こえない。『

          徒然草 第二百三十一段

          徒然草 第二百三十段

          現代語訳  五条の皇居には妖怪が巣くっていた。二条為世が話すには、皇居に上がることを許された男たちが黒戸の間で碁に耽っていると、簾を上げて覗き込む者がある。「誰だ」と眼光鋭く振り向けば、狐が人間を真似て、立て膝で覗いていた。「あれは狐だ」と騒がれて、あわてて逃げ去ったそうだ。  未熟な狐が化け損なったのだろう。 原文 注釈 五条内裏 ― 五条大宮内裏。一二七〇年に焼失。 藤大納言殿語 ― 二条為世。権大納言。宮廷歌人。兼好法師の和歌の師である。歌論書に『和歌庭訓』

          徒然草 第二百三十段

          徒然草 第二百二十九段

          現代語訳  名匠は少々切れ味の悪い小刀を使うという。妙観が観音を彫った小刀は切れ味が鈍い。 原文 注釈 妙観 ― 大阪府箕面市にある勝尾寺の観音像と四天王像を彫刻した僧。

          徒然草 第二百二十九段