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「お答えは差し控える」に見る政治劣化

 岸田内閣の番頭・松野官房長官を筆頭に、自民党派閥パーティのキックバック疑惑について「お答えは差し控える」という意味不明の回答を繰り返し、国民の政治不信を高めている。
 誰もが、“都合悪いことは言えません”という意味で受け止め、お答えはーーを連発する同長官を失笑しながら冷ややかに見つめている。共感性羞恥すら感じる醜態を早晩辞任で収めるのは間違いないだろう。

 しかし振り返れば、故安倍前総理の時代からモリカケや桜を見る会等、国政の私物化は目に余るものがあったし、これが諸外国ならば政権交代は2〜3回どころかデモや暴動が起きても不思議じゃない。そうならないのは日本人の秩序正しさとみるか、元来お上に逆らえない国民の奴隷根性とみるか。

 こうして見ると、失われた30年の負の遺産は暫く続くだろうし、経済力や技術力、国際競争力や人権意識や女性の社会進出の低迷と、政治の不作為により先進国から転げ落ちるのも時間の問題いや実質転落していると言える。
 それを招いたのは有権者の無関心であり、世襲は当然とばかりに無能な政治家を選んでしまった国民に責任がある。